経営の健全性について
※注平成28年度より、自動車運送事業会計と駐車場事業会計を統合し交通事業会計とした関係上、平成27年度と平成28年度比で大きく増減している項目があります。○事業の状況(①②③④)・定期運送収益は利用者数減などにより減少となり、貸切運送収益は受注量減などにより減少となり、営業収益全体では前年度比3.4%の減少となりました。・原油価格動向の影響を受け燃料費が増加し、また前年度実施した車両の購入や大規模修繕に伴う減価償却費の増加などから、営業費用全体では、対前年度比0.4%の増加となりました。・営業収益が減少し、営業費用が増加したことから、営業収支比率、経常収支比率は一定悪化しました。・流動比率は、公営企業平均値より高い状況を推移しています。平成30年度は、他会計借入金償還完了により、大幅に増加しました。・累積欠損金比率は、収支の改善により年次的に減少し、平成27年度には0となりました。○独立採算の状況(⑤⑥⑦)・利用者が減少し、費用は増加したことから、いずれの項目についても前年より増加し、公営企業平均値より高い状況にあります。○資産及び負債の状況(⑧⑨)・企業債残高対料金収入比率については、平成28年度に数値があがっていますが、これは会計統合によるものであります。平成30年度に新規借入れは行っていません。・有形固定資産減価償却率については、公営企業平均値とほぼ同じ状況にあります。
経営の効率性について
○走行キロ当たりの各指標(①②③)・いずれの項目についても、平均値より高い状況にあります。・走行キロ当たりの人件費が増加したのは、平成30年度中に運転士要員を一定数確保できたことによるものです。・走行キロ当たりの収入が減少しているのは、輸送人員の減少に伴い事業収益も減少したためです。○乗車効率(④)・公営企業平均値より低い状況にありますが、平成25年度の出雲大社本殿遷座祭による観光入込み効果が落ち着きを見せる中、平成28年度以降は同程度を維持しています。
全体総括
・令和元年度に策定した、松江市交通事業経営健全化計画(第3次計画)の進行管理(運行体制整備、新規施策実施等と各種目標値の充実)によるPDCAサイクルを回すことで、事業基盤の整備と収益構造の確立を図ります。・第3次計画における主要な変更点としては、平成19年路線再編の効果を検証し、利用者の一層の利便性の向上を図るためにも路線・ダイヤの見直しに着手します。・また、平成8年度以降、消費税改定以外の運賃改定を行っておらず、実質運賃は据え置いたままの状況となっています。・この間物価の上昇や燃料費の高騰などの環境の変化や安全対策経費など費用が増加してきており、今後もバスロケーションシステム(※)、ICカード導入等などの設備投資が必要です。これらを賄うためにも市からの補助金のみに依存するのではなく、運賃改定そのものについて調査、研究していく必要があります。・さらには、外国人観客が増加していることを踏まえ、バス環境の多言語化にも取り組んでいきます。※バスロケーションシステム…インターネットを通じて、バスの到着時間や運行状況がわかるシステム