経営の健全性について
≪事業の状況≫①経営収支比率公営企業平均値を0.8%上回っているが、事業廃止に伴う長期前受金戻入の増や、減価償却費の不用などが影響している。②営業収支比率本来の営業活動の経営状況を示す当指標は、公営企業平均値と比べても高い状況である。これは附帯事業である駐車場事業の経営利益(黒字)によりバス事業の赤字を補てんしていることによるもの。③流動比率企業の短期的な債務の支払能力を示す「流動比率」は、公営企業平均値と比べても高い状況である。加えて事業廃止に伴い流動負債における引当金(次年度に係る退職給付、賞与等)が不要となったことにより、前年度から大きく増加している。≪独立採算の状況≫⑤利用者1回当たり他会計負担額⑥利用者1回当たり運行経費⑦他会計負担比率一般会計からの繰入金に関する比率については、公営企業平均値と比べ低い状態にあり、他の公営企業と比べ独立採算が図られている。≪資産及び負債の状況≫⑧企業債残高対料金収入比率建設改良事業の財源は、企業債を発行せず、損益勘定留保資金等で賄っているため、企業債残高がない。⑨有形固定資産減価償却率85.1%と前年度に比べ増加し、依然として高い値で、かつ公営企業平均値よりも高い状況であり、保有資産の老朽化が進んでいる。
経営の効率性について
①走行キロ当たりの収入平成28年4月1日以降のダイヤ見直しによる走行キロの減などにより、民間事業者平均値と比べ高い値となっている。②走行キロ当たりの運送原価民間事業者平均値と比べ高い状況となっている。また平成28年度から増加傾向にあるがダイヤ見直しを行ってきたことにより走行キロが減少したこと等によるものである。③走行キロ当たり人件費民間事業者平均値と比べ効率的な数値となっているが、これは子会社への運行管理の受委託を行っているためである。④乗車効率佐世保市の地形条件から幹線から支線への運行を行っているため、公営企業平均値と比べ低い値となっている。
全体総括
附帯事業として駐車場事業を運営していることや子会社への管理の受委託等により経営改善が図られているものの、輸送人員の減少傾向は依然として続いており、また、経営の効率性においては、地形的な条件はあるものの、民間事業者等と比べ低い値となっている。バス事業については、本市の公共交通の要であり、将来にわたって持続可能なバス路線を維持していくため、『佐世保市地域公共交通再編実施計画』を策定し、平成31年3月24日からの民間事業者との運行体制一体化を実施、平成31年3月31日をもって交通事業廃止となった。