経営の健全性について
①経常収支比率近年100%超で経営維持しているが、構成2町からの他会計補助金収入予算の72%程度を占めており、利用実態に則した経営改善が必要である。営業収支比率は、40%程度で推移していたが、令和2年度以降新型コロナウィルスの影響による利用客の減少に伴い22%まで落ち込んでいる。今後も厳しい運営状況が継続する見通しの為、路線・運行体制を含め早急な経営改善が必要である。②営業収支比率①のとおり他会計負担金収入によるところが大きく、料金収入で営業費用を補えていないのが現状である。乗合バス事業においては、人口減少、マイカー普及及び病院や宿泊施設の無料送迎等が普及し、利用者が減少しているため、料金改定や運行系統の見直し、不要な経費削減に務める必要がある。③流動比率未払金等の1年以内に支払いを要する流動負債が、現金預金等の流動資産と比較して少ないため流動比率が高い④累積欠損金比率累積欠損金は生じてないため、比率は0である。⑤利用者1回あたり他会計負担額料金収入に対して不足経費分を他会計補助金で補っている状況である。平成23年度10月から5系統に運行路線を見直し、経営改善を実施してきたが、年間利用客総数は引き続き減少傾向にあり、学生(高校生)の利用促進のため、時刻変更等を実施したが利用客の増加には至らなかった。組織、運行形態及び利用状況等を分析し、再検討する必要がある。⑥利用者1回あたり運行経費利用客減少に伴い高い水準で推移している。⑦他会計負担金比率①~⑥の状況から高い水準で推移している。⑧企業台残高対料金収入比率企業債がないため該当なし。⑨有形固定資産償却率令和2年度に乗合バス車両更新を行い、令和3年度より償却が始まったことにより前年度より増加した。今後の償却率も車両更新に伴い同程度で推移すると予測される。
経営の効率性について
①走行キロ当たりの収入平均を上回っているが、営業外収益によるところが大きく、今後も料金や運行系統の見直しによる改善に努める。②走行キロ当たりの運送原価平均を上回っているため、改善に務める。③走行キロ当たりの人件費令和元年度まで民間事業社平均値と同水準で推移していたが、令和2年度から会計年度任用職員制度の導入により、大幅に民間事業平均値を上回った。今後も制度が継続することから同水準で推移する予測である。④乗車効率平均値を大きく下回る。乗合バス利用者の減少から、運行車両数、運行系統及び料金の見直しを行うほか、利用促進を合わせて行い、乗車効率の増加を目指す。
全体総括
平成29年度に作成した地域公共交通網形成計画及び経営戦略で取り組むべき課題は、①乗車率の改善、②経費削減の2点である。①乗車率の改善について使用車両・運行ダイヤ・運行系統の見直し及び新規顧客の創出等の取り組みを実施し改善を行う。②経費削減について日常的な支出等の経費削減に務めることは当然であるが、費用の大半を占める人件費に関して現在の運行体制から職員数を減らすことは業務運営上困難であるため、企業団職員の運営育成に伴う出向職員数の見直しを検討する必要がある。また、会計年度任用職員制度導入に伴う時間外報酬等の増加も著しく、運行体制と併せた勤務時間の管理や見直しも検討する必要がある。