経営の健全性について
令和3年度決算は、経常収支を表す①経常収支比率が100%を上回っておりますが、一般会計からの繰入金を除く営業活動の収支を表す②営業収支比率は33.7%となっており、料金収入等の営業活動から生じる収益では人件費などの費用を賄えていないことを表しています。また⑦の他会計負担比率が示すように、経営を一般会計からの補助金に依存した状況となっています。加えて、令和2年から続く新型コロナウイルス感染症拡大の影響により料金収入が大きく減収となっていることから、極めて厳しい経営状況となっています。
経営の効率性について
バスの運行1キロ当たりでどれだけの収入を上げられているかを表す①走行キロ当たりの収入では民間事業者の平均値を上回っているものの、一方で、バスの運行1キロ当たりでどれだけの経費がかかっているかを表す②走行キロ当たりの運送原価は収入を上回っており、また民間事業者の平均値と比べても大きく上回っていることから、高コストの経営であり、経営の効率性は低い数値となっています。これは平成23年度より行っている市長部局への運行路線の移行による事業規模の縮小が大きく影響していますが、③走行キロ当たりの人件費で表されているように民間事業者と比べ高い水準にある人件費により、経営の効率性は年々低下の傾向にあります。
全体総括
平成23年度より不採算路線を段階的に市長部局に移行することで、収益などで一定の改善はみられたものの、一般会計からの補助金に依存した経営から脱却できるには至っていないことから、今後、事業廃止の必要があるとの考えが示されました。このような中、公営企業による事業の廃止や他の方法も含め、今後の経営を検討しているところですが、利用者の利便性を考えたバス路線の運行や、経営健全化策等を盛り込んだ経営戦略である「徳島市交通局経営計画」を令和元年度に策定しました。今後もウィズコロナ、アフターコロナ社会を見据えた経営努力に引き続き取り組んでまいります。