経営の健全性・効率性について
修繕費等一部費用に増加の傾向が見られたが、減価償却費の減少により総費用額が大幅に縮減され⑥給水原価が下がったことにより、前年度と比べて収益の大きな変動はなかったものの、⑤料金回収率が上昇し、①経常収支比率も大きく改善した。②累積欠損金比率はゼロであり問題ない。③流動比率は類似団体平均を下回っているものの徐々に改善し200%を超えており、短期的な支払い能力に大きな懸念はない。類似団体平均よりも低い④企業債残高対給水収益比率は、毎期減少傾向にあり企業債への依存度は低いといえるが、管路の高い経年化率と低い更新率から、必要な更新が先送りにされている結果であることが窺える。⑧有収率は、漏水対策の効果もあり類似団体平均を上回っている。⑦施設利用率が類似団体平均を下回っているため、施設規模の適正性を検討し、事業のさらなる効率的運用に努める。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率、②管路経年化率はともに類似団体平均を大きく上回る高い水準で推移しており、昭和11年度の供用開始から約80年が経過したこともあり、多くの施設が更新の時期を迎えている。一方、③管路更新率は0%と対応が遅れており、耐用年数を超えて使用している老朽施設・老朽管の計画的更新・修繕が、安定した事業運営のために必要である。
全体総括
経常収支比率、料金回収率がともに100%を上回っており、また、有収率も高い水準で推移していることから、経営状態は健全である。しかしながら、耐用年数を超えて利用を続けている老朽化した施設・設備が多くある中で更新は遅れており、今後の更新投資ニーズの増大と維持管理費用の増加による経営状態の悪化が懸念される。施設利用率が低いことを踏まえ、施設規模の適正性を検討しながら、優先度の高いものから計画的に更新を進めていく必要がある。