経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は、平成29年度に分流式下水道等に要する経費の算定方法変更等により一般会計繰入金が増加しているため、90%を上回っているものの100%を下回っており、単年度での赤字が続いている。水洗化率については、平成30年度には約91%となったが、令和元年度は人口の増減等により、72%となり、前年よりも約19%水洗化率が減少した。平成29年度に汚水処理原価が減少し経費回収率も大幅に上昇した。しかし過疎化は確実に進む方向であると予測されるため、できる限り現状を維持することに努め、それを今後の目標と位置付けたい。今後の事業としては過疎化の問題を重きに置き、効率性や合理性の部分を十分検討し、身の丈に合った事業を展開していくことが重要であると考える。
老朽化の状況について
平成19年度に供用開始のため、配管設備に関しては現状耐用年数を超えたものはない。
全体総括
過疎化による人口の減少や、地形的な要因により、維持管理費用に対して処理人口が少ない一方、これまでに投資した費用に係る企業債の償還負担が大きく、経営が厳しい状況にある。経営状況を改善するため、助成金制度の周知・活用、戸別訪問等での接続率の更なる向上を図るとともに、使用料の見直しを検討していく。今後必要となる設備の老朽化対策については、計画的に修繕、更新することにより、負担の平準化を図る。また、奈良県汚水処理構想の策定に伴い、全体計画と事業計画並びに認可区域の見直しを行っており、効率的で適切な規模での事業を実施していく。