経営の健全性・効率性について
平成30年度から地方公営企業法適用企業となりました。このため、前年度比較が困難であるため、類似団体平均と比較します。①経常収支比率は、100.1%となり、かろうじて黒字を確保したものの、類似団体平均より下回っています。次年度以降は支払利息の減少が見込まれるため、徐々に改善する見込みです。②累積欠損金比率は発生しておりません。③流動比率は、76.4%となり、類似団体平均60.7%を上回っています。④企業債残高対事業規模比率は、法非適用時の過去5年と同様に、類似団体平均を大きく上回っています。⑥汚水処理原価は、法非適用時からは改善したものの、類似団体平均の倍以上となる357円となっています。⑦施設利用率は、類似団体平均から20%以上も下回り法非適用時と同様の傾向となっています。④⑥⑦の要因は、この事業では集落が3個所に点在し、水洗化人口に比べ施設や経費が割高となるためです。⑤経費回収率は、平成28年10月からの料金改定で従来の定額制から従量制に変更したことに伴う使用料収入減少の影響で、類似団体平均の87.0%を大幅に下回る38.3%となっています。⑧水洗化率は、一定の整備が完了していることからほぼ横ばいの状況であり、類似団体平均を若干下回る程度で安定しています。
老朽化の状況について
本市の特定環境保全公共下水道施設は、公共下水道事業に比べ比較的新しい施設であるため、老朽化は進んでいませんが、今後は耐用年数を経過した施設の更新が必要となってきます。現時点では、耐用年数を経過した施設割合が少ないため、①有形固定資産減価償却率は類似団体平均を下回り、②管渠老朽化率や③管渠改善率は0%であり、資産は健全な状況にあります。
全体総括
平成30年度に地方公営企業法適用企業となり、経営数値は、概ね類似団体と同等であり、資産は健全な状況にあります。しかし、企業債が多いこと、経費回収率が低いこと、汚水処理原価が高いこと、また今後資産の老朽化が進展することに課題があります。そのため、令和元年度に中期経営計画となる経営戦略を策定し、将来にわたり安定的に事業を運営できるよう下記の項目について重点的に取り組みます。重点的な取り組み項目①令和2年度に料金改定を実施し、以降4年間ごとに料金改定を行う②企業債現在高を毎年減少③ストックマネジメント計画を策定し、計画的な施設更新を行う