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本県は、歳入に占める県税収入の割合が比較的大きく、高い財政力指数となっている。しかし、平成20年度と比較すると0.17ポイント減少している。これは算定年度の3ヵ年(平成21~平成23)において、平成20年秋以降の世界的な経済後退により、県税収入が大幅な減収となったことに伴い、分子となる基準財政収入額が大幅に減少したことなどによるものである。
平成23年度の経常収支比率は100%を超え、財政構造の硬直化が進んでいる。平成22年度と比較すると8.0ポイント悪化しているが、これは歳入面で県税収入や臨時財政対策債が大幅減となったことに加え、歳出面で公債費や後期高齢者医療事業費などの補助費等が増となったことなどによるものである。特に公債費は、近年における特例的な県債の大量発行の影響により増加を続けているが、社会資本整備等に充てる通常の県債については、「愛知県第五次行革大綱」に基づき、残高の縮減等に努め、財政の弾力性の確保を図っている。
人口1人当たり人件費・物件費等決算額は、年々減少傾向にあり、平成22年度と比較すると293円の減少となっているが、これは行革大綱に基づく職員定数の削減のほか、住宅手当の見直しなどに伴うものである。なお、平成21年度以降は、地域手当の引下げに加え、連続して本県独自の給与抑制(給料・期末勤勉手当)を行っている。
本県においては、県内の民間給与水準が高い傾向にあるため、都道府県平均よりも高い水準で推移する傾向にある。平成24年度(平成23年度欄)も給料の抑制(-3%)を実施しているが、国家公務員の臨時特例的な給与減額措置が実施されたことにより、国との比較によるラスパイレス指数は前年度より上昇している。なお、国家公務員の臨時特例的な給与減額措置が無いものとした場合のラスパイレス指数(参考値)は100.8であり、前年度より低下している。
人口10万人当たり職員数は年々減少している。職員数の大半を占める教育及び警察部門は国の法令等により配置基準が定められているため、県独自の取組みによる職員数の削減は困難であるが、一般行政部門において累次の行革大綱に基づく取組みにより着実に職員数の削減を行ってきている。今後も、「愛知県第五次行革大綱」の職員定数削減目標(平成22年度から26年度までの5年間で-500人を削減)の達成に向け、適正な定員管理に取り組んでいく。
平成22年度決算と比較して1.5ポイント上昇したが、これは、平成21年度以降、算定年度(平成21~平成23)の3ヵ年において、県税収入の減少等により分母となる標準財政規模が低い水準にとどまる一方、県債の発行の増加により分子となる公債費が増加しているためである。この比率が18%以上となると、起債に際して総務大臣の許可が必要となるため、引き続き同比率の適正化に努める。
平成22年度決算と比較して7.6ポイント低下したが、これは、県債残高は前年度に比べ増加したものの、交付税算入される部分を除いた残高が減少したことや、定年退職と新規採用による職員構成の新陳代謝により退職手当の支給予定額が減少したことなどによるものである。この比率が高い団体は、一般財源規模に比べ、公債費をはじめ将来負担額が大きいことを示しており、財政運営を圧迫する可能性が高くなるため、引き続き同比率の適正化に努める。
平成22年度と比較して2.1ポイントの増加となったが、これは、比率を算定する上で分子となる人件費そのものは住宅手当の見直しなどにより減少したものの、県税収入及び臨時財政対策債が大幅に減となったことにより、分母となる「経常的に収入される一般財源」が大きく減少したことによるものである。なお、分母の大幅減は、他の費目の比率が前年度から上昇していることの共通の要因である。人件費については、今後も「愛知県第五次行革大綱」に基づき、定員・給与等の適正管理を通じ、抑制に努める。
平成22年度と比較して0.2ポイントの増加となったが、これは、分母の大幅減に加え、研究開発拠点「知の拠点」において、重点研究プロジェクトを本格実施したことによる研究委託費の増などに伴い分子が増加したことによるものである。
平成22年度と比較して0.2ポイントの増加となったが、これは、分母の大幅減に加え、児童福祉措置費支弁金の増などにより分子が増加したことによるものである。扶助費の大部分は、生活保護費や児童福祉措置費など、法令等の規定により支出が義務付けられており、縮減が容易でない経費である。
平成22年度と比較してほぼ横ばいとなった。これは、分母が大幅減となったものの、名古屋高速道路公社貸付金の減などにより、分子の減少割合も大きくなったことにより、比率としては前年度並みとなったことによるものである。
平成22年度と比較して2.4ポイントの増加となったが、これは、分母の大幅減に加え、後期高齢者医療事業費の増などにより分子が増加したことによるものである。後期高齢者医療事業費や介護給付費負担金などは年々増加傾向にある。
平成22年度と比較して3.2ポイントの増加となったが、これは、分母の大幅減に加え、満期一括償還県債に係る減債基金への積立ての増などにより分子が増加したことによるものである。公債費は、近年における特例的な県債の大量発行の影響により増加を続けているが、社会資本整備等に充てる通常の県債については、「愛知県第五次行革大綱」に基づき、残高の縮減等に努め、財政の弾力性の確保を図っている。
平成22年度と比較して4.8ポイントの増加となった。これは、後期高齢者医療事業費のほか、介護給付費負担金や障害者自立支援介護・訓練等給付金負担金などの補助費等の増加が大きな要因である。扶助費や扶助費的な補助費等は縮減が容易ではないが、物件費を始めとした経常経費については、今後も抑制に取り組み、簡素で効率的な行政運営に努める。
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