経営の健全性・効率性について
・企業債残高対事業規模比率が平均値を上回っており、経営規模に比べて企業債の規模が大きいことを示している。これは、下水道普及の過程で必要とされる設備投資額に対する財源を主に企業債により調達していたためである。・経常収支比率、経費回収率ともに平均値を下回っている。平成26年度は、通常の収入減、費用増に加えて、会計基準の見直しに伴う各種引当金計上による費用増もあり、大きく数値が低下している。なお、平成28年4月に下水料金の改定を予定しており、収入増に伴う改善が見込まれる。・水洗化率は平均値を下回っている。使用料収入の増加を図るためにも、改善が必要である。・流動比率は、平均値を上回っているが、平成26年度の会計基準の見直しにより、従来まで資本勘定に計上されていた「建設改良等に充てられた企業債」が一部、流動負債に計上されることとなったため、平成26年度に大幅に低下している。
老朽化の状況について
・有形固定資産減価償却率、管渠老朽化率は平均値を上回っている。全国でも早期に下水道整備を始めたこともあり、他団体と比較して老朽化が進行している。また、管渠改善率は平均値を下回っている。・今後10年間の財政計画(平成27年度~36年度)において、維持管理中心の投資を計画しており、老朽化への対応を順次進めていく。
全体総括
・企業債残高対事業規模比率が平均より高く、企業債に依存した投資が行われたといえる。今後、企業債残高の削減による財務の健全化を図っていく必要がある。・老朽化が進行しており、今後、限られた財源の中、施設・管渠の更新を効果的に行う必要がある。【当市の対応状況】・平成28年4月に下水料金の改定を予定。(平均改定率10.24%)・10年間の財政計画(平成27年度~36年度)を策定し、企業債残高、建設改良費の目標値を設定。現在、この計画に基づいて事業運営に取り組んでいる。