収益等の状況について
一般会計繰入金により収益的収支比率は１００％となっているが、繰入金への依存度を示す他会計補助金比率は期間中最高5.6％、最低2.1％であり平均値より大きく下回っている。定員稼働率は類似施設との比較では低いが、売上高人件費比率、売上高ＧＯＰ比率、ＥＢＩＴＤＡ等は類似施設との比較数値は良好となっている。これは、本施設は宿泊以外の日帰り（宴会、食堂、入浴）業務も行っており、その業績によるものと考える。類似施設と比べ良好な指標もあるが、一般会計からの繰入金に依存している運営であるため、利用者増に向けた取り組みを検討実施し、直近３年の繰入額は増加してしまっているため、利用者の増加に資する営業となるよう引き続き経営改善に取り組む。
資産等の状況について
当初建築より３０年以上が経過し、これまで増築や大規模改修を２回行い、それ以外にも必要に応じ修繕等を実施してきた。今後、老朽化した施設や設備への投資を適切に行うことにより、更新投資が過大になることがないよう対応をしていく。
利用の状況について
所在地の定員稼働率は上昇しているものの、当施設では減少している。当施設の利用者は高齢者が多く、利用者の利便性を考慮したサービスを充実させているが、利用団体の会員数の減少や、会そのものの消滅、また、利用回数の減少により利用者が減少している。村としては、地域の活性化のためにも誘客や利用者の増加に向けた取り組みを進めており、そのためにも当施設の必要性は大きいものと考える。
全体総括
収益等の状況は、類似施設と比較して良好な指標であるが、一般会計からの補助金に依存した経営となっていることを踏まえ、稼働率向上となるような提供サービスの検討を行う必要がある。また、老朽化による維持経費の増加の心配や、一定のリニューアルや施設改修は誘客のためにも必要であるので、令和２年度中に経営戦略を策定し、経営基盤強化と財政マネジメントの向上を目指す。そのための施設の調査（建築、構造、電気設備、機械設備）を行うよう計画をしている。また、収益を上げるべく、毎月村長以下職員による定例会でプランなどを話し合いを行っている。村民が憩いの場、交流の場として利用できる村に唯一の施設であるため、事業の廃止は考えられず、村民福祉に寄与している点からも民間譲渡は近々には考えにくい。しかし、現状での営業継続は様々な負担を抱えているため、営業を継続していくための引き続き多方面からの研究をする必要がある。
長野県 >>> 
2021年度