収益等の状況について
収益的収支比率は若干の赤字であるが3年連続で値が上昇しており、また売上高GOP比率やEBITDAの値も3年続けて回復していることから、経営改善の結果が表れている。売上高人件費比率については、類似施設平均値の数値が上昇する中でほぼ横ばいの比率を維持している。なお、当施設の営業期間は4月下旬から11月下旬であり、冬期間は閉鎖となることから、定員稼働率は平均値のおよそ1/2程度の値となっている。
資産等の状況について
施設全体の老朽化が著しいため、建物躯体にかかる設備投資の計画がある。その他の経営指標については該当数値なし。
利用の状況について
登山口近くに立地し登山者の利用が約9割を占める宿泊施設であり、上質な温泉を提供している事や周辺に競合する類似施設が少ない事から、安定した需要がある施設であるが、その立地や利用者の目的から荒天時にはキャンセルも多く、天候等の要因によって利用者数が大幅に変わる施設である。近年の宿泊者数は横ばいで推移している。
全体総括
立地の特殊性から継続して一定の稼働率を保つ施設である。収益面では3年連続で数値が改善しており、今後も継続した経営改善が期待される。一方で施設の老朽化は顕著であり、施設の経年劣化による破損等で緊急的な修繕が必要となる場合もある。トイレ洋式化率が低い点等、改修工事が必要な箇所も散見される。山岳観光を推進する当市の重要な観光拠点のひとつである当施設は、今後も登山者を中心とした利用が見込まれるため、利用者のニーズに対応できる施設として運営していくことが求められており、今後、今まで予約を断っていた繁忙期の単独客の取り込みを図るため、相部屋の提供を検討している。