経営の健全性・効率性について
平成22年度に臨空工業団地処理区(80ha)を統合したことで、大口使用者が増え、これにより⑥汚水処理原価は類似団体平均よりも低く推移しています。また、平成30年度に「高資本費対策に要する経費」が繰出基準から外れたことにより①経常収支比率は前年度より24.67減少しましたが、経営は概ね順調に推移しています。しかし、山間部の処理区では、人口減少が進行していること、また、料金体系が一部の処理区で異なることなど事業運営上の課題もあるため、料金体系の統一化を含めた下水道使用料の収納確保などについて、今後、経営審議会に諮りながら、具体的な検討を進める予定です。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、全国平均や類似団体平均値と比較して高くなっています。処理場などの施設は、早くから供用開始したことが要因として考えられるため、今後、電気、機械設備を中心に、予防保全型の維持管理と、計画的かつ効率的な改築、更新を行います。また、管渠老朽化率は、法定耐用年数を経過した管渠がなく、公共下水道管渠の改築、更生工事を優先して実施しているため、管渠改善率は低い状況となっています。
全体総括
節水型機器の普及、超少子高齢型人口減少社会の進展により、今後、有収水量の伸びは期待できず、下水道使用料収入は減少することが予測されます。一方、増加が見込まれる老朽化した施設の更新や耐震化への投資など、多額の資金が必要になります。下水道事業の健全経営を持続していくために、下水処理場において汚泥消化過程で発生するメタンガスを燃料とした消化ガス発電による購入電力料金の削減や売電事業による収益の確保、適切な施設規模による投資の効率化、国の交付金など更新財源の確保、企業債の有効活用など、長期展望に立った事業経営に取り組みます。