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人口の推移
財政比較分析表(2021年度)
財政力
財政力指数の分析欄
本県は、首都圏に位置し、大規模法人が多いことから、全国的に見て県税収入の割合が高く、財政力指数は0.85と全国平均の0.51の1.7倍、グループ内平均と比較しても1.3倍と、高い財政力を有している。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
公債費や社会保障関係費などが増加していることから、経常経費充当一般財源は増加したものの、臨時財政対策債償還基金費の創設を含む普通交付税の追加交付等に伴う経常一般財源の増により、経常収支比率は前年度から9.8ポイント低下した。なお、普通交付税の追加交付に伴う経常一般財源の増は、令和3年度の特殊要因であるため、今後も引き続き、県債発行の適切な管理、施策・事業の見直し等により、経常経費の抑制に努めていく。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
人件費、物件費及び維持補修費の合計額の人口1人当たりの金額は64,664円とグループ内団体一低いコストとなっている。主な要因として、本県では全国に先駆けて平成9年から行政システム改革に取り組み職員数全体の伸びを抑えてきたためである。また、平成29年度の県費負担教職員の給与負担事務の政令市への移譲による影響も一因である。今後も引き続き、行財政改革に取り組んでいく。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
職員の採用・退職等により職員階層が変動したことにより、前年度から0.3ポイント減少した。職員の給与水準は県内民間企業との均衡を基本としており、県内民間企業の給与水準は全国平均を上回る状況にあるため、本県のラスパイレス指数は高くなる傾向にあるが、今後も引き続き、給与制度全般にわたり厳正な運用に努めていく。
定員管理の状況
人口10万人当たり職員数の分析欄
簡素で効率的な県政の実現を目指し、全国に先駆けて平成9年度から行政改革に取り組み、一般行政部門の人口10万人当たり職員数は全国最少となっている。現在は職員・組織・仕事の質を向上させ、行政組織の総合力を高める「質的向上」に着目した改革を進めており、引き続き業務量に応じた適切な定数管理に努めていく。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
従来から県債の発行抑制に取り組んでおり、実質公債費比率は、9.2%と低い水準にある。また、令和3年度においては、臨時財政対策債償還基金費の創設を含む普通交付税の追加交付等の特殊要因により、標準財政規模が増加したことで、実質公債費比率が大幅に改善した。今後も引き続き、県債発行の適切な管理に努めていく。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
早期健全化基準(400%)を大きく下回っている。県債管理目標を掲げ、県債の発行抑制に努めた結果、交付税措置のない県債現在高が減少したこと、将来負担に充当可能な基金の増などにより、前年度より23.2ポイント減少した。なお、将来負担に充当可能な基金の増は、3年度に交付された普通交付税の後年度精算に備えた積立(751億円)等による一時的な増であるため、今後も引き続き、県債発行の適切な管理に努めるなど、健全化に向けて取り組んでいく。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2021年度)
人件費
人件費の分析欄
平成29年度の県費負担教職員の給与負担事務の政令市への移譲により大幅に人件費が減少しグループ内で最も低い数値となっていた。令和3年度は、教職員の人件費の減に加え、臨時財政対策債償還基金費の創設を含む普通交付税の追加交付等に伴う経常一般財源の増により分母である経常一般財源が増となったことで、前年比4.2ポイントの低下となった。今後も引き続き、人口規模に応じた職員の適正配置に取り組んでいく。
物件費
物件費の分析欄
令和3年度は、臨時財政対策債償還基金費の創設を含む普通交付税の追加交付等により分母である経常一般財源が大幅に増加したことで、前年比0.4ポイントの減少となったものの、依然グループ内平均を上回っている。今後も引き続き、施策・事業の見直しや業務の効率化などに取り組んでいく。
扶助費
扶助費の分析欄
平成30年度から政令市へ難病患者医療費に関する事務を移譲したことの影響などにより減少し、グループ内平均を下回っている。令和3年度は、生活保護扶助費や児童保護措置費等が増加したものの、臨時財政対策債償還基金費の創設を含む普通交付税の追加交付等に伴い分母である経常一般財源も増加したことにより、前年同率となった。県民生活に直接かかわる経費であるため、今後も引き続き、適切に対応していく。
その他
その他の分析欄
平成30年度は国民健康保険事業の財政運営に都道府県が責任主体として加わったことに伴い、当該事業が新たに普通会計外となったことによる繰出金の増などの影響により大幅に数値が上昇。令和3年度は、国民健康保険都道府県財政調整繰出金が増加したが、臨時財政対策債償還基金費の創設を含む普通交付税の追加交付等により分母である経常一般財源が増加したことで、前年比0.5ポイントの低下となった。
補助費等
補助費等の分析欄
平成30年度は、国民健康保険事業の財政運営に都道府県が責任主体として加わったことに伴い、当該事業が新たに普通会計外となった影響などにより数値が低下。令和元年度以降は、幼児教育の無償化への対応等により数値が上昇。令和3年度は、新型コロナウイルス感染症からの診療控えの段階的解消等に伴い、後期高齢者医療定率負担金等が増加したものの、臨時財政対策債償還基金費の創設を含む普通交付税の追加交付等により分母である経常一般財源が増加したことで、前年比3.1ポイントの低下となった。
公債費
公債費の分析欄
県債管理目標として「令和5年度までに県債全体の残高を2兆円台に減少」を掲げて、県債の発行抑制に取り組んでおり、令和3年度も類似団体平均を下回っている。過去に発行した臨時財政対策債の償還などの公債費負担をできるだけ軽減するため、引き続き、県債発行の適切な管理に努めていく。
公債費以外
公債費以外の分析欄
平成29年度に、県費負担教職員の給与負担事務の政令市への移譲により人件費が大幅に減少したため、数値が低下したが、令和元年度は幼児教育の無償化への対応等により数値が上昇した。令和3年度は、社会保障関係費の増に伴い補助費等が増加したものの、臨時財政対策債償還基金費の創設を含む普通交付税の追加交付等により分母である経常一般財源が増加したことで、比率としては大きく低下した。今後も施策・事業の見直しに取り組むなど、健全な財政運営に努めていく。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)
目的別歳出の分析欄
総務費は、令和2年度以降グループ内平均を上回る水準で推移している。令和3年度は、交付税精算分の基金積立などにより増加している。民生費は、グループ内平均を下回って推移している。高齢化に伴う社会保障関係費の増は依然として続いているものの、令和3年度は、新型コロナウイルス感染症への対応に伴う新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金を活用した事業費の大幅減(介護事業者への慰労金の支給終了)等により、前年度比では減少している。商工費は、グループ内平均を下回って推移している。令和3年度は、新型コロナウイルス感染症への対応に伴う事業者への協力金(感染症拡大防止協力金)等の事業費の増により増加している。公債費は、過去に発行した臨時財政対策債の償還により増加傾向にあるものの、県債発行の適正化に取り組んでおり、グループ内平均と比べて低い水準で推移している。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)
性質別歳出の分析欄
歳出決算総額は、住民一人当たり322,893円となっている。人件費は、平成29年度の県費負担教職員の給与負担事務の政令市への移譲から大幅に減少し、グループ内団体と比較して低い水準で推移している。令和3年度は、教職員の人件費の減により減少している。物件費は、グループ内団体と比較して低い水準で推移している。令和3年度は、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の活用事業(軽度・無症状患者向けの宿泊療養施設の運営費等)等の増により増加している。補助費等は、グループ内平均に近い水準で推移している。ただし、令和2年度以降は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策として、入院患者の受入れを行う医療機関の病床確保や設備整備等に対する補助、県の要請により休業又は営業時間を短縮した事業者等に対する協力金の交付等の増により大幅に増加している。普通建設事業費は、道路建設などを県内に抱える3つの政令市が担っていることから、グループ内平均と比べて低い水準で推移している。令和3年度は、県立高校の耐震・老朽化対策、トイレ整備等の工事費等の増により増加している。公債費は、過去に発行した臨時財政対策債の償還により増加傾向にあるが、県債発行の適正化に取り組んでおり、グループ内平均と比べて低い水準で推移している。積立金は、令和2年度以降グループ内平均を上回る水準で推移している。令和3年度は、交付税精算分、臨時財政対策債償還基金費、国庫支出金返納分等の基金積立等の増により増加しているものの、いずれも一時的なものである。
実質収支比率等に係る経年分析(2021年度)
分析欄令和2年度の実質収支額は、新柄コロナウイルス感染症の対応に伴い国から交付された新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金及び新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金に多額の不用額が生じたことによる特殊要因で、過去最大となったものの、令和3年度は、コロナ禍前の令和元年度以前と同程度の規模となっている。一方、令和3年度末の財政調整基金の残高は、3年度に交付された普通交付税の後年度精算分や4年度当初予算で取崩を予定している翌年度活用分として積立を行ったことにより増加したものの、これら特殊要因を除いた実質残高は県の目標残高(標準財政規模5%)に満たないため、今後も計画的な積立に努めていく。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2021年度)
分析欄一般会計及び特別会計の実質収支は黒字である。また、公営事業会計においても、全ての会計で資金不足が生じていないため、連結実質赤字比率は該当がない。今後も引き続き、慎重な財政運営に努めていく。
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実質公債費比率(分子)の構造(2021年度)
分析欄近年の低金利の影響により満期を迎える県債の借り替えに係る適用利率が、借替前に比べ低下し、利子償還額が減少したこと、減債基金積立不足算定額が減少したこと等に伴い、令和3年度の実質公債費比率の分子は減少となっている。過去に発行した多額の県債が償還を迎えているため、引き続き、県債発行の適切な管理に努めていく。
分析欄:減債基金減債基金積立相当額の積立ルールが30年償還で毎年度の積立額を発行額の30分の1として設定しているのに対して、本県では10年債及び20年債の新規発行及び借替債発行において3年の据え置き期間を設定していたため、減債基金残高と減債基金積立相当額に乖離が生じている。なお、本県では、令和3年度より減債基金積立の据え置き期間を3年から1年に変更したことにより、この乖離は今後も縮小していく見込みである。
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将来負担比率(分子)の構造(2021年度)
分析欄将来負担額の大部分を占める一般会計等に係る地方債現在高は、臨時財政対策債の発行額の大幅な増加により、令和3年度は増加した一方、3年度に交付された普通交付税の後年度精算に備えた財政調整基金への積立や臨時財政対策債償還基金費の県債管理基金(一般会計分)への積立等により、充当可能基金が増加したことに伴い、将来負担比率の分子の額は、減少となっている。ただし、充当可能基金の増は、令和3年度の特殊要因であることから、今後も引き続き、健全化に向けて取り組んでいく。
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基金残高に係る経年分析(2021年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)・2年度末残高は、財政調整基金の増(+492億円)、減債基金の減(-269億円)等により、基金全体で元年度末残高より342億円増加した。・3年度末残高は、財政調整基金の増(+809億円)、減債基金の増(+642億円)等により、基金全体で2年度末残高より1,625億円増加した。(今後の方針)・3年度末の基金残高については、下記の通り、交付税精算分、臨時財政対策債償還基金費、国庫支出金返納分等、4年度以降の取崩しが予定されている基金も多く、増加は一時的なものである。・財政調整基金については、突発的に生じる財政需要に対して必要な施策を講じていくなど、将来への備えとして残高の確保に努めていく。また、特定目的基金については、各基金の目的に従って適正な管理・運用を行っていく。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)・2年度中に確保した財源を3年度予算の財源として活用するために積み立てたこと等による増(+492億円)。(2年度)※2年度末残高は1,108億円あるが、翌年度活用分691億円(3年度当初予算時点で取崩しを予定)を除いた実質残高は417億円。・3年度に交付された普通交付税の後年度精算に備えた積立(751億円)等による増(+809億円)。(3年度)※3年度末残高は1,917億円あるが、交付税精算分751億円(4年度~6年度に取崩しを予定)、翌年度活用分546億円(4年度当初予算時点で取崩しを予定)を除いた実質残高は620億円。(今後の方針)・本県では、過去に2,000億円規模の税収減を経験していることから、こうした不測の事態に備えて、県単独で行っている福祉、医療など、県民生活の直結する事業に影響を及ぼさないよう、標準財政規模の5%(4年度:約680億円)を目安とした積立に努めていく。
減債基金
減債基金
(増減理由)・償還財源に充当するための取崩しによる減(-269億円)。(2年度)・3年度に追加交付された普通交付税(臨時財政対策債償還基金費)の一部の積立(392億円)及び県債償還額の平準化に備えた積立(250億円)による増(+642億円)。(3年度)(今後の方針)・普通交付税(臨時財政対策債償還基金費)の一部の積立(392億円)及び県債償還額の平準化に備えた積立(250億円)は4年度~6年度に取崩しを予定。・将来の償還に備え、必要に応じて積み立てていく。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)・地域医療介護総合確保基金:医療及び介護の総合的な確保のための医療機関・公的介護施設の整備、居宅等における医療の提供、医療従事者・介護従事者の確保・公共用施設等基金:公共用施設等について計画の前倒し等整備を加速化するための財源の安定的な確保・国庫支出金返納基金:新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金・新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の国への返納分に係る年度を超えた管理・かながわボランタリー活動推進基金21:公益を目的とする事業に自主的に取り組むボランタリー団体等の活動の推進・後期高齢者医療財政安定化基金:後期高齢者医療の財政の安定化(増減理由)・公共用施設等基金:基金の新設による増(+120億円)・国庫支出金返納基金:基金の新設による増(+115億円)(今後の方針)・公共用施設等基金(120億円)は5年度~10年度、国庫支出金返納基金(115億円)は4年度に取崩しを予定。・地域医療介護総合確保基金:本県が作成した計画に基づき、医療機関・公的介護施設の整備など当該基金を活用し事業を推進していく。・各基金の目的に従い適正な管理・運営を行っていく。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
有形固定資産減価償却率は、平成29年度以降微増しており、類似団体よりも高い水準となっている。これは、昭和40~50年代にかけて行った集中的な施設整備の結果、建設後30年以上経過した県有施設が6割以上を占めているためである。本県では、人口動向や財源確保、維持更新費等を見通したうえで平成29年3月に「神奈川県公共施設等総合管理計画」を策定し、令和4年3月に改定を行った。同計画において、庁舎等施設や道路施設等の個別施設類型ごとに、維持更新費の縮減を図るための具体的な取組みを盛り込んだ個別施設計画を策定することで、長期的な視点を持った効率的な維持管理と利活用・更新に取り組んでいる。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
債務償還比率は、県債の発行抑制の取組により将来負担額が減少している結果、類似団体平均値よりも低い水準となっている。なお、令和3年度は、臨時財政対策債の発行可能額が増加したことに伴い、分母は増となったものの、財政調整基金等の増で充当可能財源が増加したことで分子が減少したため、昨年度と比較すると大幅に下降している。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
県債の発行抑制や将来負担額に充当可能な基金の増により、将来負担比率は減少傾向にあり、類似団体平均値よりも低い水準となっている。一方で、有形固定資産減価償却率は類似団体よりも高く、令和2年度と比較すると微増している。これは、本県では、既存施設を有効に活用するため、施設の長寿命化対策を進め、財政負担を抑えているためである。今後も「神奈川県公共施設等総合管理計画」に基づき、長期的な視点を持った維持・更新に取り組んでいく。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
実質公債費比率及び将来負担比率は、類似団体の平均と比べ低い水準となっている。本県ではこれまで県債の発行抑制に取り組んできており、その効果から実質公債費比率は近年は低い水準で推移している。また、県債の発行抑制に加え、充当可能な基金の増等から将来負担比率についても減少傾向となっている。なお、令和3年度は令和3年12月に地方交付税の追加交付が行われたことで、分母の標準財政規模が増となっているため、将来負担比率、実質公債費比率ともに比率は低くなっている。
施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)
施設情報の分析欄
当該表において、本県で特に有形固定資産減価償却率が高くなっている類型は、道路、学校施設、公営住宅、図書館である。道路施設については、平成28年3月に「神奈川県道路施設長寿命化計画」を策定、令和4年3月に改定し、予防保全型の維持管理を基本としたメンテナンスサイクルによる長寿命化を図り、老朽化に起因する事故を未然に防いで利用者の安全・安心を確保するとともに、中長期的な維持管理・更新に係るトータルコストの縮減及び平準化を目指している。学校施設については、県立高校の約40%、県立特別支援学校の約25%が建設後40年以上経過しており、施設全体の老朽化が進んでいること等を踏まえ、平成28年度~令和9年度を期間とする「県立学校施設再整備計画」を策定し、老朽化対策による快適な教育環境の整備と施設の長寿命化に取り組んでいるところである。公営住宅については、建設後概ね50年が経過する住宅の建替えを推進してきたが、令和10年度までに、建替えが必要な住宅が約2万8千戸、全体の約62%に急増すること等を踏まえ、令和元年度~10年度を期間とする「神奈川県県営住宅健康団地推進計画」を策定し、法定耐用年限である建設後70年までに建て替えることとしている。図書館については、県立図書館は昭和29年の開館後、大規模な改修を行っていなかったため、施設・設備の老朽化が進んでいたこと等を踏まえ、平成28年に「県立図書館の再整備に向けた基本的な考え方」を取りまとめ、県民サービスの低下を招かないよう、開館しながらの工事実施を基本とした再整備(整備期間7年程度を予定)を行っている。
施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)
施設情報の分析欄
当該表において、本県の有形固定資産減価償却率が高くなっている類型は保健所である。これは既存施設の長寿命化対策を進め、有効に活用することで、財政負担を抑えているためである。体育館・プール及び陸上競技場・野球場・球技場については、近年、老朽化が進んだスポーツ施設の改修工事を進めており、県立スポーツセンターの大規模改修等の環境再整備に取り組んだ結果、令和2年度に有形固定資産減価償却率が大きく減少した。
財務書類に関する情報①(2021年度)
1.資産・負債の状況
【一般会計等】・前年度と比較して、資産が100億円増加し、負債は570億円増加した。・負債のうち県債が731億円増加しているが、その主な原因は、臨時財政対策債の発行が増加したためである。【全体】・前年度と比較して、資産が115億円減少し、負債は462億円増加した。資産は一般会計等と異なり前年度から減少しているが、これは令和2年度では新型コロナウイルス感染症に伴う診療控えにより一時的に増加した国民健康保険事業会計の現金預金が、令和3年度に診療控えが徐々に解消したことに伴い減少したことによる。・また、一般会計等と比較して、資産は水道施設のインフラ資産や公営事業の現金預金等を含むため6,853億円多く、負債も水道事業の企業債や未払金等を含むため3,586億円多い。【連結】・前年度と比較して、資産は259億円減少し、負債は304億円増加した。・また、一般会計等と比較して、資産は連結対象団体が保有する事業資産やインフラ資産等を含むため1兆1,388億円多く、負債も企業債等を含むため6,597億円多い。
2.行政コストの状況
【一般会計等】・前年度と比較して、純経常行政コストが5,068億円増加している。経常費用のうち物件費等が4,324億円増加しているが、その要因は新型コロナウイルス感染症への対応に伴う業務費用(事業者への協力金等)が増加したためである。【全体】・前年度末と比較して、純経常行政コストは5,486億円増加している。・また、一般会計等と比較して7,054億円多い。・これは、一般会計等に比べ、経常収益が水道事業の使用料・手数料等の計上により578億円多いが、一方、経常費用も国民健康保険事業会計の補助金及び負担金等を計上していることから7,632億円多いためである。【連結】・前年度と比較して、純経常行政コストは5,376億円増加している。・また、一般会計等と比較して6,999億円多い。・これは、一般会計等に比べ、経常収益が「全体」の増要因に加え、連結対象団体の業務収益等を計上しているため2,170億円多いが、一方で経常費用も連結対象団体の人件費や物件費等を計上していることから9,168億円多いためである。
3.純資産変動の状況
【一般会計等】・前年度と比較して、純資産残高は469億円減少した。・これは、純行政コスト24,220億円に対して、財源(税収や国庫補助金等対価性のない収入)が2兆3,740億円となっており、行政コストが財源を上回ったため等である。【全体】・前年度と比較して、純資産残高は577億円減少した。・また、一般会計等と比較して、本年度差額は120億円マイナスの600億円減となった。・これは、純行政コストが国民健康保険事業会計の補助金等が移転費用に含まれること等から3兆1,272億円となった一方で、同会計の補助金や税収等が含まれることから財源が3兆673億円となっており、行政コストが財源を上回ったため等である。【連結】・前年度と比較して、純資産残高は563億円減少した。・また、一般会計等と比較して、本年度差額は103億円マイナスの582億円減となった。・これは、純行政コストが連結対象団体の人件費や事業収益等が含まれるため3兆1,303億円となったが、一方で連結対象団体の税収等が含まれることから財源が3兆720億円となっており、行政コストが財源を上回ったため等である。
4.資金収支の状況
【一般会計等】・税収などの収入で通常の業務活動に係る支出が賄われており、業務活動収支はプラスとなっている。また、インフラの整備などを進めたため、投資活動収支はマイナス、臨時財政対策債等の発行により県債収入を増やしたため、財務活動収支はプラスとなっている。以上から、税収等(業務活動収支のプラス)により、公共資産の整備を進めていると言える。【全体】・全体では、一般会計等と同様、業務活動収支がプラス、投資活動収支はマイナス、財務活動収支はプラスとなっていることから、業務活動収支のプラスにより、公共施設の整備などの投資活動を進めていると言える。
財務書類に関する情報②(2021年度)
1.資産の状況
・住民一人当たり資産額及び歳入額対資産比率は、類似団体平均値を下回っている。・歳入額対資産比率は、前年度と比較すると減少しているが、これは税収入等が増加したことにより、業務収入が前年度より増加したためである。有形固定資産減価償却率は、前年度と比較すると微増しており、類似団体よりも高い水準となっている。これは、昭和40年代から50年代にかけて行った集中的な施設整備の結果、建設後30年以上経過した県有施設が6割以上を占めているためである。
2.資産と負債の比率
・純資産比率は、類似団体平均値を下回っている。これは、資産形成に直接的に結びつかない臨時財政対策債が多く計上されていることにより、負債の規模が大きくなり、その結果、純資産が小さくなっていることによる。・将来世代負担比率は、類似団体平均値と同水準となっている。
3.行政コストの状況
・純行政コストは、新型コロナウイルス感染症への対応に伴う物件費等の増加に伴い、前年度よりも大きく増加したものの、住民一人当たり行政コストについては、類似団体平均値を下回っている。
4.負債の状況
・負債額は、臨時財政対策債の残高の増加により、固定負債が増加したため、前年度より増加した。また、住民一人当たり負債額は、類似団体平均値を下回っている。・基礎的財政収支は、業務支出が大幅に増加したことにより、業務活動収支が前年度より大幅に悪化したため、前年度より大幅に減少しており、類似団体平均を下回っている。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は、新型コロナウイルス感染症への対応に伴う物件費等の増加に伴い、経常費用が増加したため、前年度より減少したものの、類似団体平均値と同水準となっている。
類似団体【B】
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