経営の健全性・効率性について
①.経常収支比率比率は105.47%であり、類似団体平均105.91%、全国平均108.23%と比較しともに下回っているものの、100%を超えているため財政的な健全性は高い。③.流動比率比率は41.4%であり、類似団体平均66.90%、全国平均57.41%と比較しともに下回っている。1年以内に現金化できる資産で1年以内に支払わなければならない負債を賄えていないことから、支払能力を高め将来的には100%を目指す必要がある。④.企業債残高対事業規模比率比率は618.03%であり、類似団体平均643.19%、全国平均763.62%と比較しともに下回っており、比較分析では健全性は高い。⑤.経費回収率比率は84.06%であり、類似団体平均101.54%及び全国平均98.53%と比較しともに下回っており厳しい状況にある。今後、使用料収入の増加は見込みづらく、また、汚水処理原価の増加が見込まれることから、現在の水準を保つことは難しい。⑥.汚水処理原価汚水処理原価は120.8円/m3であり、類似団体平均116.15円/m3を上回っているものの全国平均139.70円/m3は下回っている。今後、更新事業を控えており増加はやむを得ないと考える。⑧.水洗化率水洗化率を上げることにより、下水道使用料の増加が見込まれる。
老朽化の状況について
①.有形固定資産減価償却比率比率は3.24%であり、類似団体平均22.87%、全国平均36.85%と比較し、ともに極端に低くなっている。これは、地方公営企業法適用移行後初年度の決算のためである。③.管渠改善率当市の下水道管渠は、埋設後40年を経過したものが約1割、埋設後30年を経過したものが約2割、残りの7割が30年未満のものである。平成27年度の管渠改善率は、類似団体平均に近いものの、全国平均と比較すると若干下回っている。今後、法定耐用年数を経過する管渠が急激に増加することが予想されるため、管路施設管理計画を策定し、投資を計画的に行う必要がある。
全体総括
経営の健全性・効率性については、流動比率、経費回収率、汚水処理原価は、他と比較し特に下回っている。下水道施設が維持管理の時代をむかえ、今後、更新事業等投資による経費がかさみ、各比率の悪化が懸念される。平成29年度から始まる中長期経営計画を踏まえ、経営状況を把握し比率の改善にむけた検討を継続的に行う必要がある。そして、下水道サービスの水準を低下させることなく、安定的な事業経営に努めていく。