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平成28年度単年度の財政力指数では、法人事業税や地方消費税の増により、基準財政収入額は前年度を上回って算定された一方、公債費の増などにより基準財政需要額は基準財政収入額の伸びを上回って増加したため、対前年度比で0.01ポイント減少(平成27:0.65→平成28:0.64)した。平成28年度単年度では前年度よりも減少したものの、3か年平均の指数では、今回算定から除かれる平成25:0.58を0.06ポイント上回ったことから、対前年度比0.02ポイント増加の0.62となった。
平成28年度は、経常経費に充当する一般財源の額について補助費等や公債費などが増加した一方で、経常一般財源等総額について臨時財政対策債や地方譲与税が減少し、前年度から2.4ポイント悪化した。平成25年度・26年度は税収の伸びなどから改善したが、27年度は普通交付税や臨時財政対策債の大幅な減少により悪化に転じた。引き続き、経常的な歳出の削減を行うとともに、県税の徴収率向上や広告料収入などの増額確保に取り組み、財政の弾力性確保に努める。
都道府県に属する多くの事務事業・権限が移譲されている政令指定都市が本県にはないこともあり、グループ内平均を上回った状況が続いている。平成28年度は、教職員の減により人件費が減少した一方で、国補正予算による地域住民生活等緊急支援のための交付金事業が平成27年度をもって終了したことにより、物件費が大幅に減少したことで、前年度比841円の減となった。平成25年度は人件費の減などにより減少したが、平成26年度・27年度は増加している。引き続き経費の削減に取り組んでいく。
ラスパイレス指数の比較では国より0.9ポイント高であるが、その主な要因は、国との昇給期や職員構成の違いによるものである。なお、給与水準の比較指標として、ラスパイレス指数は基本給のみを比較した指数であるが、基本給に諸手当を加えた平均給与月額では、群馬県は国をおよそ9.6%下回っている。今後も引き続き適正な給与水準の維持に努めていく。
グループ内には政令指定都市を有する府県が多数含まれていることもあり、グループ内順位は14位となっているが、事務事業の見直しや事務の簡素効率化、市町村への権限移譲の推進など不断の行政改革に取り組み、効率的で機能的な執行体制を構築してきた。その結果、政令指定都市を有する道府県及び東京都を除く全国31県の中では、群馬県の一般行政部門の職員数は少ない方から2番目となっている。今後も、引き続き既存事業や仕事の仕方を見直し、適正な定員管理に努めていく。
平成28年度を単年度でみると、前年度と比べ元利償還金は増加したが、交付税に算入された元利償還金も増加したため、分子は5億円の減少となった。一方で、標準財政規模が減少したため、分母が42億円の減少となった結果、前年度に比べ実質公債費率は0.02ポイント減少した。平成28年度の単年度の比率を平成25年度と比較しても減少しているため、平成28年度の実質公債費比率(平成26~28年度の3か年平均)は、前年度(12.1%)と比べ、0.4ポイント減少した。しかし、満期一括償還の県債の減債基金積立額の増加等により、近年は公債費は増加傾向にあり、今後も増加していく見込みであるため、引き続き財政の健全化を図る。
平成28年度は、県債残高が増加したことから将来負担額は33億円の増となった。一方、財政調整基金残高の減少等に伴い、将来負担額から控除される充当可能基金の金額が51億円減少したことなどにより分子は前年度から122億円増加した。また、標準財政規模が23億円減少したことなどから、分母は前年度と比べ42億円減少したことにより、将来負担比率は前年度から5.0ポイント増加した。本県はこれまで新規県債の発行を抑制するなどしてきたため、将来負担額が比較的低い水準にあり、グループ内順位が5位となっている。
経常収支比率に占める人件費の割合は、グループ内団体の平均とほぼ同水準だが、前年度を0.6ポイント上回る41.6%となった。これは人件費に充当する一般財源等総額はほぼ前年度と変わらなかったものの、臨時財政対策債等の減少により分母である経常一般財源等総額が減少したためである。平成24年度以降減少傾向にあったが、平成28年度は増加に転じており、引き続き、業務や組織の見直しによる適正な定員管理に取り組み、人件費の抑制を図る。
事務事業の見直し等による経費節減の取り組みなどにより、平成23年度から減少傾向で推移しているが、平成28年度は分母である経常一般財源等総額が減少したため、経常収支比率に占める物件費の割合は0.1ポイント増加している。引き続き、徹底した事業の見直しを行うなど、経費節減に努める。
障害児通所支援県費負担の増や国指定の特定医療患者に係る給付の増により、扶助費は増加するとともに、分母である経常一般財源等総額が減少したため、経常収支比率に占める割合は前年度に比べ0.2ポイント増加している。近年、生活保護費の増などにより、増加傾向にあるが、引き続き各種制度の適正な運営に努める。
維持補修費や貸付金であり、過去5年はほぼ横ばいで推移しているが、平成28年度は、制度融資等の貸付金が減少したため、経常収支比率に占めるその他の割合は0.1ポイント減少した。
後期高齢者医療負担金や介護給付費負担金などの社会保障関連経費の増などにより補助費等に充当する一般財源等は増加するとともに、分母である経常一般財源等総額が減少したため、経常収支比率に占める補助費等の割合は0.9ポイント増加している。平成24年度以降減少傾向にあったが、平成27年度以降は増加に転じたため、県単補助金等についてさらに整理統合を図るなど、引き続き事業の見直しを行っていく。
近年の臨時財政対策債の発行増等に伴い、公債費が前年度より増加(1.2%)するとともに、分母である経常一般財源等総額が減少したため、経常収支比率に占める割合は前年度に比べ0.7ポイント増加している。臨時財政対策費の償還費の増により、近年増加傾向にあるが、その他の県債残高は着実に減少しており、引き続き適正な県債管理に努める。
社会保障関連経費の増などにより補助費等に充当する一般財源等が増加するとともに、分母である経常一般財源等総額が減少したため、経常収支比率に占める割合は1.7ポイント増加した。各種経常的経費については、引き続き節減に努める。
将来負担比率については、住宅供給公社や農業公社に対する損失補償が少ないこと、これまで新規県債の発行を抑制するなどしてきたため、比較的低い水準にあり、グループ内順位が4位となっている。将来負担比率が年々減少しており、実質公債費比率も長期的に減少すると思われるが、満期一括償還地方債について、発行額の1/30を減債基金に積み立てており、市場公募による県債発行を毎年実施していることから、年度割相当額も毎年増加傾向にあり、今後も公債費が増加していく見込みであるため、引き続き財政の健全化を図る。
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