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平成27年度単年度の財政力指数では、消費税率引き上げに伴う社会保障の充実や臨時財政対策債の償還費の増による公債費の増加などにより基準財政需要額が前年度を上回って算定された一方で、法人事業税の増や地方消費税率引き上げの平年化により、基準財政収入額が前年度を大幅に上回って算定されたため、対前年度比で0.06ポイント増加(平成26:0.59→平成27:0.65)した。この結果、3か年平均の指数では、対前年度比0.03ポイント増加の0.60となり、税収の伸びなどから基準財政収入額が増加しており、財政力指数は平成23年度から増加傾向にある。
経常経費に充当する一般財源の額は、補助費、公債費などが増加した一方で、県税の増以上に普通交付税や臨時財政対策債が大幅に減少したため、経常一般財源等総額は減少となり、前年度から2.1ポイント悪化した。平成24年度は補助費等の増加で悪化したが、平成25年度・26年度は税収の伸びなどから改善した。引き続き、経常的な歳出の削減を行うとともに、県税の徴収率向上や広告料収入などの増額確保に取り組み、財政の弾力性確保に努める。
都道府県に属する多くの事務事業・権限が移譲されている政令指定都市が本県にはないこともあり、グループ内平均を上回った状況が続いている。平成27年度は、職員給与などの減により人件費が減少した一方で、平成26年度の国補正予算による地域住民生活等緊急支援のための交付金事業の実施などにより物件費が大幅に増加したことで、前年度比1,189円の増となった。平成24年度及び平成25年度は人件費の減などにより減少したが、平成26年度以降は増加している。引き続き経費の削減に取り組んでいく。
ラスパイレス指数の比較では国より1.2ポイント高であるが、その主な要因としては、国との昇給期や職員構成の違いによるもののほか、国において平成27年度から実施している給与制度の総合的見直しを本県では一年見送り、平成28年度から実施したことなどが挙げられる。なお、給与水準の比較指標として、ラスパイレス指数は基本給のみを比較した指数であるが、基本給に諸手当を加えた平均給与月額では、群馬県は国をおよそ9.1%下回っている。今後も引き続き適正な給与水準の維持に努めていく。
グループ内には政令指定都市を有する府県が多数含まれていることもあり、グループ内順位は12位となっているが、事務事業の見直しや事務の簡素効率化、市町村への権限移譲の推進など不断の行政改革に取り組み、適正な定員管理に努めてきた。その結果、政令指定都市を有する道府県及び東京都を除く全国31県の中では、群馬県の一般行政部門の職員数は少ない方から2番目となっている。今後も、引き続き仕事の仕方の見直し等に取り組み、適正な定員管理を行う。
平成27年度を単年度でみると、前年度と比べ臨時財政対策債の増等により元利償還金は増加したが、交付税に算入された元利償還金も増加したため、分子は7億円の減少となった。一方で、標準財政規模が大幅に増加したため、分母が158億円の増加となった結果、前年度に比べ実質公債費率は0.68ポイント減少した。平成27年度の単年度の比率を平成24年度と比較しても、0.26ポイント減少しているため、平成27年度の実質公債費比率(平成25~27年度の3か年平均)は、前年度(12.2%)と比べ、0.1ポイント減少した。しかし、満期一括償還の県債の減債基金積立額の増加等により、近年は増加傾向にあり、今後も公債費が増加していく見込みであるため、引き続き財政の健全化を図る。
平成27年度は、臨時財政対策債現在高が増加したことなどにより将来負担額は46億円の増となった。一方、臨時財政対策債残高の増加等に伴い、将来負担額から控除される交付税算入見込額が84億円増加したことなどにより分子は前年度から30億円減少した。また、標準財政規模が184億円増加したことなどから、分母は前年度と比べ157億円増加したことにより、将来負担比率は前年度から7.6ポイント減少した。本県は住宅供給公社や農業公社に対する損失補償が少ないこと、また、これまで新規県債の発行を抑制するなどしてきたため、将来負担額が比較的低い水準にあり、グループ内順位が4位となっている。
経常収支比率に占める人件費の割合は、グループ内団体の平均とほぼ同水準で、前年度と同じ41.0%となった。これは人件費に充当する一般財源等総額が減少した一方で、普通交付税や臨時財政対策債の減少により分母である経常一般財源等総額が減少したためである。平成24年度以降減少傾向にあるが、引き続き、業務や組織の見直しによる適正な定員管理に取り組み、人件費の抑制を図る。
事務事業の見直し等による経費節減の取り組みなどにより、平成23年度から減少傾向で推移しているが、平成27年度は県庁ネットワークシステムの構築等の経費が増加したとともに、分母である経常一般財源等総額が減少したため、経常収支比率に占める物件費の割合は0.1ポイント増加している。引き続き、徹底した事業の見直しを行うなど、経費節減に努める。
児童養護施設措置負担の増や、障害児通所支援県費負担の増により、扶助費は増加するとともに、分母である経常一般財源等総額が減少したため、経常収支比率に占める割合は前年度に比べ0.1ポイント増加している。近年、生活保護費の増などにより、増加傾向にあるが、引き続き各種制度の適正な運営に努める。
維持補修費や貸付金であり、過去5年はほぼ横ばいで推移しているが、平成27年度は、分母である経常一般財源等総額が減少したため、経常収支比率に占めるその他の割合は0.1ポイント増加した。
保育給付費等負担金や国民健康保険基盤安定負担金などの社会保障関連経費の増などにより補助費等に充当する一般財源等は増加するとともに、分母である経常一般財源等総額が減少したため、経常収支比率に占める補助費等の割合は1.1ポイント増加している。平成24年度以降減少傾向にあったが、平成27年度は増加に転じたため、県単補助金等についてさらに整理統合を図るなど、引き続き事業の見直しを行っていく。
近年の臨時財政対策債の発行増等に伴い、公債費が前年度より増加(2.2%)するとともに、分母である経常一般財源等総額が減少したため、経常収支比率に占める割合は前年度に比べ0.7ポイント増加している。臨時財政対策費の償還費の増により、近年増加傾向にあるが、その他の県債残高は着実に減少しており、引き続き適正な県債管理に努める。
社会保障関連経費の増などにより補助費等に充当する一般財源等は増加するとともに、分母である経常一般財源等総額が減少したため、経常収支比率に占める割合は1.4ポイント増加した。各種経常的経費については、引き続き節減に努める。
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