経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は平成24年度を除き、100%を上回っているが、浪江町水道事業の財源は東京電力の賠償金で賄われており健全性が保たれておらず先が不透明な状態である。また、原発事故の影響により町内居住者、町内事業者が著しく減少しており、料金収入が見込めないのが現状である。②累積欠損金比率~⑧有収率に関しても上記同様。現状全施設を稼動させているため今後管路の見直し、施設廃止など全体的な水道事業の規模縮小を行い身の丈にあった経営を行わなければならない。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率については、資産取得等が増加傾向にあるため類似団体平均値を一部を除きやや下回る結果になっている。②管路経年化率③管路更新率については、管路調査を行い被害のある水道管を中心に修繕、更新を行っているので類似団体平均値に比べ低い結果になっている。また現状町内に石綿管が多く布設されているため、早急に更新していく必要がある。
全体総括
原子力発電所の事故により避難指示区域となっていたことで給水収益が減少しており、賠償金での経営を余儀なくされている。また、H29年3月末に避難指示解除となったが帰還人口は事故以前の居住人口より大幅に少なくなっており給水収益ではとても経営を賄えないのが現状である。このような状況の中で安定した水道水の供給をするにあたり老朽化した施設、管路の更新は行わなければならない。今後長期的な水道事業計画を策定し、自分たちの規模にあった水道事業を見極めていく必要がある。