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近年の状況として、県費負担教職員に係る権限移譲のあった平成29年度を除き、基準財政需要額以上に基準財政収入額が増加する傾向が続いている。平成30年度においては個人市民税や固定資産税等の増加により基準財政収入額が増加したこと等によって、単年度の財政力指数は前年度から0.01ポイント増加、3か年平均では増減なしとなった。今後も、仙台市役所経営プランに基づく収入率の向上や、税源涵養の取組みを進めていく。
平成27年度は地方税をはじめとした一般財源の増により回復した。平成28年度は人件費・扶助費等が増加したほか、地方消費税交付金等の一般財源の減により悪化した。平成29年度は県費負担教職員の移譲に伴う歳入・歳出総額の増加が悪化の方向に働いたものの、地方税をはじめとした一般財源の増により回復した。平成30年度は地方税をはじめとした一般財源の増により、1.1ポイント回復して97.4%となった。今後は人口減少や本格的な少子高齢化を見据え、地域経済活性化策による税源涵養、公共施設の老朽化対策に要する事業費の平準化やコスト縮減など、歳入歳出両面で取り組みを講じていく。
平成27年度は物件費・維持補修費が減少したことにより、前年度と比べ人口1人当たり決算額は436円の微減となった。平成28年度は人件費・物件費・維持補修費のいずれも増加し、人口1人当たり決算額は4,498円増加した。平成29年度は物件費が減少したものの、県費負担教職員の移譲に伴い人件費が大幅に増加し、人口1人当たり決算額は37,751円増加した。平成30年度は物件費が増加したこと等により、人口1人当たり決算額は122円の微増となった。今後は職員の超過勤務の縮減に取り組むとともに、民間資金やPFI手法などのノウハウを幅広く活用し、効率的な公共施設の整備や公共サービスの提供を行っていく。
給与水準については、人事委員会勧告に基づく給与改定により、地域民間給与との均衡は図られているが、類似団体の中では高い水準となっている。これは、国が平成27年4月1日付で給与制度の総合的見直しを実施し俸給表の水準を引き下げ、現給保障の期間を3年間としたのに対し、本市においては同見直しを翌年平成28年4月1日付で実施し、現給保障の期間を5年間としたことに加え、本市の地域手当の支給率が据え置かれ、国と同程度の給料表の平均的な引下げを行うことができなかったことが要因と考えられる。平成30年度からは、55歳を超える職員について標準の成績の場合の昇給停止を実施している。
人員の削減を着実に進めてきたことにより、東日本大震災の対応のため職員数が増加した特殊事情がありつつも、本市の数値は類似団体と同水準で推移している。平成29年度当初は、県費負担教職員の権限移譲にともない職員数が大幅に増加し、その後も同水準を維持している。将来にわたって行政サービスを確実に提供し、新たな行政需要に対しても的確に対応していくため、業務量に応じた必要な人員を確保するとともに、業務効率化や既存体制の見直し等により、定員の抑制を図る。
満期一括償還の市場公募債の発行増により、元利償還金が減少傾向にあるほか、県費負担教職員の権限移譲に伴う標準財政規模の増加といった要因の影響で、実質公債費比率は減少。単年度で0.024ポイント、3ヵ年平均で1.0ポイントの減となった。
平成30年度においては、基準財政需要額算入見込額や基金等の充当可能な特定財源の増加等により、将来負担比率は前年度から15.6ポイント減少し、引き続き類似団体平均を下回った。今後も市債(通常債)残高の縮減など行財政改革を進め、財政の健全化に努める。
人件費に係る経常収支比率は類似団体平均より高い傾向が続いている。これは、使用料や退職手当債など人件費に充当している特定財源が他都市に比べて少なく、一般財源で賄われる歳出額の割合が高いことが原因と考えられる。平成30年度は、退職手当の減等に伴い、前年度比0.7ポイントの増となった。今後も適正な給与水準のあり方の検討や職員数の削減に努める。
物件費に係る経常収支比率は類似団体平均より高い傾向が続いている。これは、ごみ収集業務や学校給食調理業務で民営化が進んでいることなどが原因と考えられる。平成30年度は物件費に係る歳出額が増加したものの、地方税をはじめとした一般財源の増加などにより0.2ポイントの減となり、類似団体平均との差も2.2ポイントに縮小している。
扶助費に係る経常収支比率は、平成30年度は類似団体平均を3.5ポイント下回る12.3%となっている。これは、他都市に比べて保護率や高齢化率が低い傾向にあることなどが要因と考えられる。しかし、近年は保育施設等の運営など子育て支援に要する経費が増加傾向であることなどから、上昇傾向にある。本格的な少子高齢化の到来によりさらなる上昇も見込まれるが、持続可能な財政運営に努める。
その他に係る経常収支比率は類似団体平均並みの推移となっている。その他の主な経費は維持補修費や繰出金であるが、平成30年度は前年同規模で推移したことから、横ばいの10.9%となった。
補助費に係る経常収支比率は類似団体平均よりも低い傾向が続いている。これは、他都市に比べて高齢化率が低い傾向にあることなどが要因と考えられる。平成30年度は補助費等に係る歳出額の減などにより、僅かに回復して6.9%となった。
公債費に係る経常収支比率について、平成30年度は昨年度より0.3ポイント減少し、類似団体と比べて0.3ポイント高い18.9%となった。なお、臨時財政対策債の発行等による市債残高の増加に伴い、いまだに公債費負担が高い傾向が残っているものの、平成26年度以降最も低い数値となっている。今後とも、公共投資の厳選・重点化を行い、臨時財政対策債等を除いた市債残高の適切な管理に努める。
公債費以外の経費に係る経常収支比率は、類似団体平均と比べて人件費や物件費は高くなっているものの、扶助費や補助費が低くなっていることから、平均に近い割合で推移している。平成30年度は扶助費等が増加したものの、地方税をはじめとした一般財源の増加などにより0.8ポイントの減となり78.5%となった。
(増減理由)収支差対策としての財政調整基金の取崩や復興事業の進捗により復興関係2基金の取崩を行ったこと等により残高が減少。(今後の方針)毎年度の財政状況及び事業量等により変動するが、全体的には復興事業の進捗に応じた復興関係2基金の減少により残高の減少が見込まれるところ。今後の財政運営や事業の進捗に支障が生じないよう適切な管理に努めていく。また、基金の見える化についても、引き続きホームページ等を活用した公表に取り組んでいく。
(増減理由)収支差対策として25億円の取崩を行ったことにより残高が減少。(今後の方針)今後の財政運営に支障が生じないよう適切な管理に努めていく。
(増減理由)市債償還のための取崩額が将来の償還に備えた積立額を上回ったことにより残高が減少。(今後の方針)将来の市債償還に支障が生じないよう引き続き適切な管理に努めていく。
(基金の使途)高速鉄道の建設・運営及び関連事業、東日本大震災からの復興に関する事業、公共施設の長寿命化及び計画的な更新など(合計10基金)。(増減理由)復興事業の進捗により復興関係2基金の取崩を行ったこと等により残高が減少。(今後の方針)復興関係2基金については復興事業の進捗に応じ活用を図るとともに、その他の基金についても各種事業の進捗に支障が生じないよう適切な管理に努めていく
有形固定資産減価償却率は、昨年度より0.2ポイント上昇したが、類似団体平均を下回り、ほぼ平年並みに推移している。今後も「仙台市公共施設総合マネジメントプラン」に基づき、安心して利用できる公共施設を将来にわたり持続的に提供していくため、引き続き効率的・効果的な都市経営に資する公共施設マネジメントに取り組んでいく。
債務償還比率は昨年度から92.1%減少したものの、類似団体平均を上回っている。今後も健全な行政運営を進め、将来負担額の大半を占める市債について、残高の縮減に努める。
将来負担比率については、公営企業債等繰入見込額の減少等による将来負担額の減少、また基金の増加等による充当可能財源の増加によって、徐々に比率が減少しているところ、平成30年度は加えて臨時財政対策債償還費の増加に伴う基準財政需要額の増加により、比率が減少しており、有形固定資産減価償却率とともに類似団体平均を下回って推移している。今後も「仙台市公共施設総合マネジメントプラン」に基づき、安心して利用できる公共施設を将来にわたり持続的に提供していくため、引き続き効率的・効果的な都市経営に資する公共施設マネジメントに取り組んでいく。
実質公債費比率については、比率算定における分母となる標準財政規模が増加傾向にあることから比率が徐々に減少している。将来負担比率については、公営企業債等繰入見込額の減少等による将来負担額の減少、また基金の増加等による充当可能財源の増加、加えて平成30年度は臨時財政対策債償還費の増加に伴う基準財政需要額の増加により、実質公債費比率と同様、徐々に比率が減少している。健全化判断比率としてはいずれも年度が進むごとに改善が進んでおり、類似団体内平均のトレンドとおおむね一致した推移となっている。
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