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近年の状況としては、基準財政需要額が臨時財政対策債振替により圧縮されていることから、0.85ポイント前後で推移している。平成24年度は基準財政需要額以上に基準財政収入額の減少が高かったことから0.84ポイントとなったが、平成27年度は市税収入の増加等により基準財政収入額が増加したことなどにより、前年度から0.02ポイントの増加となっている。今後とも行財政改革推進プラン2016に基づき、収納率向上や定員の適正管理に努め、効率的な行財政運営を図る。
平成23年度は震災に伴う課税免除や減免による市税の減収分として手当されていた震災復興特別交付税が臨時的経費に区分されたことにより101.6%となり、類似団体平均から大きく増加した。平成24年度は市税収入の回復基調や人件費・扶助費の減少などにより96.5%まで回復したが、平成25年度は扶助費・公債費の増、平成26年度は公債費が減少したものの人件費・扶助費の増により悪化した。平成27年度は地方税をはじめとした一般財源の増により前年度比2.0ポイントの減少となり96.2%となった。
平成23年度は震災対応に伴う人件費の増加に加え、災害住宅応急修理などの震災対応事業の実施に伴う物件費の増加により大きく増加した。平成25年度は震災復興事業の進捗による物件費の大幅な減少により人口1人あたり決算額も9,310円減少したが、平成26年度は人件費・物件費ともに増加となり、人口1人あたり決算額は2,149円増加した。平成27年度は人件費の増加はあったものの、物件費・維持補修費が減少したことにより、前年度と比べ人口1人あたり決算額は436円の微減となった。今後は職員の超過勤務の縮減に取り組むとともに、民間資金やPFI手法などのノウハウを幅広く活用し、効率的な公共施設の整備や公共サービスの提供を行っていく。
昨年度と比べラスパイレス指数が1.0ポイント上昇しているが、これは、国が平成27年4月1日付で給与制度の総合的見直しを実施し、俸給表の水準を引き下げたのに対し、本市においては同見直しを翌年平成28年4月1日付で実施していることが最も大きな原因の一つと考えられる。給与水準については、人事委員会勧告に基づく給与改定により、地域民間給与との均衡は図られている。
平成24年度当初では「行財政改革プラン2010」に基づく人員削減に努めたものの、災害対応のため職員数が増加した特殊事情がある。ただし、平成24年度は職員層の増加率以上の人口増が見られたことから、人口千人当たりの職員数は減少し、引き続き本市の数値は類似団体を下回り、以降平成25年度から平成27年度まで同様の水準を示している。
市債の安定的な調達を図るべく、銀行等からの元金均等償還による借入から満期一括償還である市場公募債からの借入へのシフトにより平成26年度と同様、元利償還金が減少したため、平成27年度の実質公債費比率は単年度における比率が9.0%と前年度比0.5ポイントの減少となり、3か年平均においても1.0ポイントの減少となった。
平成27年度は、退職手当負担見込額の減等により将来負担額が減少した一方、基金の増加等により充当可能財源は増加しているため、将来負担額は前年度より10.4ポイント減少し、前年度までと同様に類似団体平均を下回った。今後も義務的経費の削減を中心とする行財政改革を進め、財政の健全化に努める。
人件費に係る経常収支比率は、定数の適正化に努めてきた結果、類似団体平均より低い比率で推移してきた。平成23年度は震災のため経常一般財源総額が激減し、職員数が増加した特殊事情があったものの、平成24年度以降は市税収入が回復基調となり人件費も減少したことから、経常収支比率が減少したが、平成26年度は震災復興に係る他都市からの派遣職員の措置分を採用したこと及び、臨時的職員保育士の採用が困難となり、正職員保育士の採用を増やしたことなどから、前年度より0.5ポイント上昇した。平成27年度は復興事業の進捗や行財政改革プランに基づく各種委託・民営化、バス乗務員の嘱託化等により職員数を削減したことに伴い、全年度比0.2ポイントの減となった。今後も適正な給与水準のあり方の検討や職員数の削減に努める。
物件費に係る経常収支比率は、平成23年度は税収減に伴う経常一般財源総額の減少という特殊事情に加え、災害住宅応急修理等の災害関連経費の増加などにより、類似団体平均を4.7ポイント上回る16.9%となった。平成24年度以降は市税収入が回復基調となり減少が見られたが、平成25年度は戸籍電算化処理システム開発運用経費等の増加、平成26年度は予防接種経費等の増加などにより悪化した。平成27年度は地方税をはじめとした一般財源の増により、前年度を0.8ポイント下回る16.6%となった。
扶助費に係る経常収支比率は、平成27年度には類似団体平均を4.0ポイント下回る12.3%となっている。これは、他都市に比べて保護率や高齢化率が低い傾向にあることなどが要因と考えられる。しかし、保育施設等の運営など子育て支援に要する経費が増加傾向であることなどから、上昇傾向が続いている。本格的な少子高齢化の到来によりさらなる上昇も見込まれるが、持続可能な財政運営に努める。
その他に係る経常収支比率は類似団体平均並みの推移となっている。その他の主な経費は維持補修費や繰出金であるが、平成27年度は国民健康保険事業特別会計が増加したことなどに伴い、前年度比0.4ポイントの増加となった。
補助費に係る経常収支比率は類似団体よりも低い傾向が続いているが、平成23年度は税収減に伴い経常一般財源総額が減少したという特殊要因により9.3%となった。平成24年度はガス事業や自動車運送事業等への補助の減少により8.2%となり、翌年も同水準となったが、平成26年度には一般過年度還付金の増加などにより8.7%となった。平成27年度は一般過年度還付金の減少などにより、前年度比0.3ポイントの減少となった。
公債費に係る経常収支比率について、平成27年度は0.6ポイント減少し、類似団体平均と比べて0.8ポイント高い22.8%となった。臨時財政対策債の発行等による市債残高の増加に伴い、いまだ公債費負担が高い傾向が続いているものの、平成23年度以降で最も低い数値であり、類似団体平均との差は確実に縮まりつつある。今後とも、「仙台市行財政改革推進プラン2016」に基づき公共投資の厳選・重点化を行い、臨時財政対策債等を除いた市債残高の縮減に努める。
公債費以外の経費に係る経常収支比率は、平成23年度は税収減に伴う一般財源総額の減少という特殊事情があるものの、平成24年度以降は市税収入の回復基調もあり、類似団体平均に近い70%前半で推移している。平成27年度は類似団体平均と同様の73.4%となった。
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