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2011年度
2010年度
人口の推移
財政比較分析表(2021年度)
財政力
財政力指数の分析欄
令和3年度は、指数算定上の入れ替わりとなる平成30年度と比較し、基準財政需要額が増加した一方で基準財政収入額が減少したため、財政力指数は前年度から0.03ポイント低下し、0.60となった。宮城県地方税滞納整理機構等の取組により、地方税の徴収率は高水準で推移しているが(令和1:98.8%→令和2:98.6%→令和3:99.1%)、復旧・復興事業の進展に伴い、復興需要は今後減少することが見込まれることから、歳入確保・歳出削減策について検討していく必要がある。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
令和3年度は、分母の要素となる普通交付税や臨時財政対策債の増加と県税の増収等により、前年度より7.3ポイント低下し、89.0%となった。2年連続でグループ内平均を下回ったものの、経常収支比率の低下は経常一般財源の一時的な増加によるものであり、依然として財政の硬直化が継続しているため、経常的な経費の計画的な抑制や県税収入等の一般財源の確保に努めていく必要がある。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
平成29年度以降は、応急救助費等の東日本大震災に対応する物件費の減少に加え、県費負担教職員の給与負担の政令市への移譲等に伴う人件費の減少により減少傾向であったが、新型コロナウイルス感染症対策費の増加等により増加傾向に転じた。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
平成29年度以降、人事委員会勧告に基づき、本県における公民較差解消のため国の給料月額に一定率を上乗せする水準調整を実施しているが、概ね国と同水準で推移している。直近の令和3年度は、前年度と変わらず100.1で、国よりも若干高い水準となった。依然としてグループ内平均を下回る状況だが、今後も人事委員会勧告を踏まえ、国及び他都道府県の動向を分析して適切に対応する。
定員管理の状況
人口10万人当たり職員数の分析欄
本県数値がグループ内平均よりも高いのは、東日本大震災からの復旧・復興事業に対応するため、平成23年度以降、任期付職員を採用するなどして職員数が増加していることが主な要因である。平成29年度以降の本県数値の推移は、ほぼ前年並みで推移しているが、令和3年度は、児童相談所の体制強化や新型コロナウイルス感染症対策のため、前年度と比べ増加となった。今後も、東日本大震災及び東日本台風からの復旧・復興業務量等を勘案しながら適正かつ合理的な定員管理に努めていく。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
元利償還金の額の減少や積立不足額を考慮して算定した額の減少等により、減少傾向にある。依然として、グループ内平均を上回っており、今後も県債発行の抑制や公債費の平準化に努め、適正な水準となるよう配慮していく。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
令和3年度は、地方債現在高の増加以上に、将来的に算入される交付税などの充当可能財源が増えたこと等による分子の減少に加えて、標準財政規模の増加等に伴う分母の増加により、前年度から12.2ポイント改善し、146.9%となった。平成29年度以降、グループ内平均を下回って推移しており、引き続き将来負担に配慮した財政運営に継続して努めていく必要がある。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2021年度)
人件費
人件費の分析欄
東日本大震災に関連する人件費の増加により、平成23年度以降の比率はグループ内平均を上回っている。令和3年度は、人事委員会勧告に基づく勤勉手当の減や退職者数の減により退職手当が減少したことから、前年度から3.7ポイント減少している。なお、復興事業の進捗により、震災関連の人件費の比率は今後も減少すると見込まれる。
物件費
物件費の分析欄
令和3年度は前年度からほぼ横ばいで推移しているが、一貫してグループ内平均を上回る比率で推移しており、グループ内順位も低い状況である。指標が高止まりしている主な要因は、システムや公共施設等の維持管理費などであることから、それらの効率的な予算執行に努めていく。
扶助費
扶助費の分析欄
各年度ともグループ内平均とほぼ同水準の比率であることから、本県の社会保障関係の需要が全国的なトレンドと同様の傾向で推移していることが分かる。今後も引き続き社会保障関係経費が増加していくことを想定し、各種制度の適切な運用に努めていく。
その他
その他の分析欄
国民健康保険の都道府県単位化に伴い、平成30年度から国民健康保険特別会計への繰出が発生し、指標が大きく増加した。今後は、東日本大震災の復旧・復興事業により整備した施設の維持補修費の増加が見込まれるため、経費の必要性について引き続き検討を行い、適切な財政運営に努めていく。
補助費等
補助費等の分析欄
補助費等は、平成29年度以降、各年度ともグループ内平均を下回る比率で推移している。なお、令和3年度は全国的な傾向である経常一般財源の増加により前年度から1.4%減少したが、今後は高齢化の影響により社会保障関係経費の増加が見込まれることから、各種制度の適切な運用に努めていく。
公債費
公債費の分析欄
償還計画に基づく元利償還金の計上による変動が見られ、令和3年度はグループ内平均を2.2ポイント下回った。これまで新発債を伴う投資的経費の抑制を図ることで、長期的には公債費は減少傾向になると見込んでいたが、頻発化・激甚化する自然災害への対応や国土強靱化対策に伴う新発債の増加によって、今後は同水準で推移すると見込まれる。今後も公債費の平準化や金利負担の軽減に努めていく。
公債費以外
公債費以外の分析欄
令和3年度は、人件費の減少等により前年度から5.2ポイント減少したが、依然グループ内平均を上回る状況が続いている。今後は高齢化の影響により社会保障関係経費が増加する見込みであることから、引き続き経常的経費の計画的な抑制や安定的な一般財源の確保に一層努めていく必要がある。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)
目的別歳出の分析欄
東日本大震災からの復旧・復興事業の影響により、多くの費目において、住民1人あたりのコストはグループ内平均を上回って推移している。特に、インフラ整備などのハード事業の占める割合が大きい農林水産業費、土木費や災害復旧費において、グループ内平均を大きく上回っている。一方、復旧・復興の進展の表れとして、災害復旧費において令和3年度は前年度より減少しており、この傾向は続くものと見込まれる。また、令和3年度は新型コロナウイルス感染症対策事業などの増加により、衛生費及び商工費の増加が継続しているほか、後年度の地方交付税の精算に備えた積立金の影響により、総務費が増加した。今後は、復旧・復興の進展に伴い生じる新たな行政課題や増加を続ける社会保障関係経費等にも対応していかなければならないことから、財源確保対策や事業の十分な精査を通じて適切な財政運営に努めていく。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)
性質別歳出の分析欄
東日本大震災からの復旧・復興事業の影響により、投資的経費において住民1人あたりのコストがグループ内平均を大きくを上回って推移しており、インフラ整備等のハード整備が収束するまでの間は高い水準で推移していくと見込まれる。一方、復旧・復興の進展の表れとして、災害復旧事業費が平成29年度以降減少しており、この傾向は続くものと見込まれる。今後は、復旧・復興の進展に伴い生じる新たな行政課題や増加を続ける社会保障関係経費等にも対応していかなければならないことから、財源確保対策や事業の十分な精査を通じて適切な財政運営に努めていく。
実質収支比率等に係る経年分析(2021年度)
分析欄財政調整基金残高は、令和3年度は前年度から0.26ポイント減少したものの、直近5年間で概ね4~5%の間で推移している。実質収支額は、震災対応事業に多額の歳出不用が生じている影響で肥大しており、震災事業が収束するまでこの傾向は継続する見通しである。さらに令和3年度は新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金に多額の不用が生じている。なお、この歳出不用の大部分は翌年度以降国庫返還しなければならないものである。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2021年度)
分析欄本県の連結実質赤字比率について、各年度を通じて全会計とも赤字は生じていない。一般会計では、前年度より0.39ポイント低下しているものの引き続き高い水準にあるが、これは震災対応事業に多額の歳出不用が生じている影響で肥大していることに加え、令和3年度は新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金に多額の不用が生じたためであり、この大部分は翌年度以降国庫返還しなければならないものである。公営事業会計では、国民健康保険特別会計が、市町村の国民健康保険特別会計へ交付する保険給付費等交付金が増加したことから、前年度より1.01ポイント低下している。公営企業会計では、水道用水供給事業会計が企業債残高の減少や流動資産の増加により、前年度より0.11ポイント上昇している。
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実質公債費比率(分子)の構造(2021年度)
分析欄実質公債費比率(分子)の構成要素に占める割合が大きな元利償還金は、償還計画に基づく償還により、各年度を通じて700億円台で推移しており、算入公債費等も700億円程度で推移している。令和3年度は、定時償還債での新発債の増加等により措置期間中の満期一括地方債が相対的に減少し、減債基金不足比率が低下したことなどにより、実質公債費比率の分子が減少している。今後も県債の発行抑制や公債費の平準化に努め、適正な水準となるよう配慮していく。
分析欄:減債基金減債基金積立相当額の積立ルールが30年償還で毎年度積立額を発行額の30分の1で設定しているのに対して、本県は30年償還(5年据置)で毎年度積立額を25分の1で設定しているため、減債基金残高と減債基金積立相当額に乖離が生じている。
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将来負担比率(分子)の構造(2021年度)
分析欄将来負担比率(分子)の構成要素に占める割合が大きな地方債の現在高が、これまで取り組んできた県債の発行抑制の効果もあり、ほぼ横ばいで推移している。令和3年度は、臨時財政対策債の発行額の増等により地方債現在高は増加しているが、基準財政需要額算入見込額などの充当可能財源が増加することにより、将来負担比率の分子は改善されている。今後も継続して将来負担に配慮した財政運営に努めていく必要がある。
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基金残高に係る経年分析(2021年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)財政調整基金や減債基金は、ほぼ横ばいであり、その他特定目的基金では東日本大震災からの復旧・復興事業の進捗に伴い「地域整備推進基金」を147億円、「東日本大震災復興交付金基金」を18億円、「東日本大震災復興基金」を8億円それぞれ取崩した一方、後年度の地方交付税の精算に備えて「地域整備推進基金」へ431億円を積立てた結果、基金全体では305億円の増加となった。(今後の方針)東日本大震災からの復旧・復興事業の進捗に伴い「地域整備推進基金」や「東日本大震災復興交付金基金」、「東日本大震災復興基金」等の東日本大震災関連の基金残高は、減少していく見込みである。また、県有施設の老朽化等の将来の財政負担に備え、県庁舎等の長寿命化対策に要する経費として「県庁舎等整備基金」等に積立を行い、引き続き残高の確保に努めていく。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)令和3年度当初予算では、150億円の取崩を見込んでいたが、感染症の影響が続く中で、景気の持ち直しを反映した県税収入などの歳入変動や歳出抑制等により、取崩が143億円となり、令和2年度決算剰余金等を138億円積み立てたことにより、前年度残高から5億円の減少となった。(今後の方針)みやぎ財政運営戦略(第3期)において、復興需要の収束により税収入が次第に減少していくことを見据え、大規模災害や国の政策変更があった際の安定的な財政運営の観点に加え、被災地ニーズの変化への柔軟な対応のため、一定の残高を確保する必要がある、としている。このため、歳出予算の節減や歳入増の取組の着実な推進と決算剰余金や年度末の執行残額を活用し、減債基金と合わせて、標準財政規模の10%程度を目標に、引き続き残高の確保に努める。
減債基金
減債基金
(増減理由)預金利子等の果実76百万円の積立及び県債償還のための76百万円の取崩により、ほぼ横ばいで推移している。(今後の方針)適切な運用・管理を行い、引き続き残高の確保に努める。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)・地域整備推進基金:県内各地域における県勢発展の基盤となる公共施設等の整備その他の地域の振興に資する施策の円滑な推進・富県宮城推進基金:富県宮城の実現に向けた県経済の成長を図るための産業振興に関する施策及び大規模な地震による被害の最小化に関する施策の推進(増減理由)・地域整備推進基金、東日本大震災復興交付金基金、東日本大震災復興基金:東日本大震災からの復旧・復興事業の進捗に伴い「地域整備推進基金」を147億円、「東日本大震災復興交付金基金」を18億円、「東日本大震災復興基金」を8億円それぞれ取崩した一方、後年度の地方交付税の精算に備えて「地域整備推進基金」へ431億円を積立てた結果、その他特定目的基金全体では309億円の増加となった。(今後の方針)・東日本大震災復興基金等の震災関連の基金:復旧・復興事業の進捗に伴い残高は減少していく見込みである。・県庁舎等整備基金:将来の財政負担に備え、県庁舎等の長寿命化対策に要する経費として積み立てを行い、引き続き残高の確保に努める。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
グループ内の他府県に比較し、有形固定資産減価償却率は低く維持されており、老朽化が極端に進んでいる状態ではないと見ることができる。要因の一つとしては、東日本大震災で被災した施設等を復旧・建替等していることが考えられる。なお、本県では、平成28年度に策定した宮城県公共施設等総合管理方針に基づき、施設新築に当たり将来の人口構造の変化等を踏まえた、長期的・総合的な観点から検討を行うとともに、既存施設については、長寿命化や施設の積極的な統廃合による施設総量の適正化を検討しており、財政負担軽減に努めている。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
債務償還比率は、令和3年度において例年よりも大きな減少となった。この要因としては、将来負担に備えた基金への積立に伴う充当可能基金の増加等による分子の減少に加え、地方交付税の追加交付等による経常一般財源の増加及び臨時財政対策債発行可能額の増加等による分母の増加が考えられる。今後人口減少により歳入の減少が見込まれることから、経常的な歳出の抑制と債務償還可能年数に配慮した地方債の発行を意識し、財政運営に努めていく必要がある。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
将来負担比率は過去5年間一貫して類似団体を下回る水準で推移している。主な要因は、地方債を発行する場合に可能な限り交付税措置のある地方債を発行することで将来的な負担の低減を図っているためである。また、有形固定資産減価償却率も、類似団体と比べて低い水準を維持しており、その主な要因は東日本大震災で被災した施設等の復旧・建替が考えられる。ただし、復旧・復興事業の完了等に伴い投資的経費の規模が縮小し、今後は有形固定資産減価償却率の上昇が見込まれるため、「宮城県公共施設等総合管理方針」に基づき、施設の長寿命化や施設の積極的な統廃合による施設総量の適正化等を進めることで、将来負担比率と有形固定資産減価償却率の上昇を抑えつつ適切な財政運営に努めていく必要がある。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
将来負担比率は過去5年間一貫して類似団体を下回る水準で推移している。主な要因は、地方債を発行する場合に可能な限り交付税措置のある地方債を発行することで将来的な負担の低減を図っているためである。一方で実質公債費比率は、H29年度以降低下を続けているが、類似団体平均を上回っている状況にあり、主要因は過去の地方債発行に伴う償還経費の変動である。将来負担比率の低下に応じ、今後の傾向としては低下していくものと見込まれるが、引き続き公債費負担の平準化に努めた上で、適正な水準となるよう配慮していく。
施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)
施設情報の分析欄
・類似団体と比較し、道路、橋りょう・トンネル、港湾・漁港、学校施設の有形固定資産減価償却率が特に低くなっており、東日本大震災で被災した施設等を移転・建替等したことによるものと考えられる。・一方で、公営住宅の有形固定資産減価償却率が特に高く、東日本大震災以前からある公営住宅の老朽化が進んでいる状況にあるが、「宮城県県営住宅ストック総合活用計画(宮城県公営住宅等長寿命化計画)」に基づき、既存ストックの適切な維持保全や改善等による耐久性や住宅性能水準の向上により、県営住宅の長期的活用を図るとともに、耐用年限までの期間が短い住宅や老朽化の著しい住宅などについては、入居者の安心・安全を確保するための適切な維持管理を実施することとし、将来的には用途廃止なども視野に入れる。・橋りょう・トンネルの有形固定資産減価償却率が前年度より低くなっているが、橋りょう等の改修工事が完了したことによるものと考えられる。
施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)
施設情報の分析欄
・類似団体と比較し、保健所、試験研究機関及び庁舎の有形固定資産減価償却率が特に低くなっており、東日本大震災で被災した施設等を移転・建替等したことによるものと考えられる。
財務書類に関する情報①(2021年度)
1.資産・負債の状況
・一般会計等において、資産総額は2,540,144百万円で、うち有形固定資産が1,815,155百万円と71.5%を占めている。・復興事業が完了しインフラ資産の増加ペースが落ち着いたことなどにより、有形固定資産の前年度末からの増加額は14,893百万円となり、R2年度における増加額(21,160百万円)を下回った。負債総額は1,878,977百万円で、主に地方債の増加により、前年度末から9,284百万円増加している。
2.行政コストの状況
・一般会計等において、純行政コストは851,229百万円、そこから臨時損失及び利益を除いた純経常行政コストは816,842百万円と、前年度から43,460百万円増加している。・純経常行政コストの主な増加要因は、新型コロナウイルス感染症対策に係る補助金等の増加(38,529百万円)となっている。・純経常行政コストの内訳は、経常費用842,757百万円(前年度比+43,555百万円)、経常収益25,915百万円(前年度比+95百万円)となっており、経常費用のうち人件費等の業務費用は369,650百万円(前年度比+5,231百万円)、補助金や社会保障給付等の移転費用は473,107百万円(前年度比+38,324百万円)となっている。
3.純資産変動の状況
・一般会計等において、税収等と国県等補助金をあわせた財源852,017百万円が純行政コスト851,229百万円を上回ったことにより、本年度差額がプラス789百万円となっている。そこから純資産変動額を加えた年度末純資産残高は661,167百万円となり、前年度末から5,305百万円増加している。・財源は前年度831,556百万円に比べ20,461百万円増加しており、主な要因としては、国県等補助金が新型コロナウイルス感染症対策に係る国庫補助金の増加などにより前年度末から24,074百万円増加しているためである。純行政コストの増加要因も財源の増加要因も、ともに新型コロナウイルス感染症対策に係る補助金関係が大きなウェイトを占めることから、新型コロナウイルス感染症対策については、国から十分な財源措置がなされていることが考えられる。
4.資金収支の状況
・一般会計等において、業務活動収支は新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金などの臨時収入が前年度に比べ48,692百万円増加したものの、新型コロナウイルス感染症対策に係る補助金等支出が前年度に比べ44,839百万円増加したことなどにより、プラス5,621百万円と前年度末に比べ7,432百万円減少した。・投資活動収支は公共施設等整備費支出が前年度に比べ30,168百万円減少した一方で、基金積立金支出が前年度に比べ45,340百万円増加し、さらに、基金取崩収入が前年度に比べ21,451百万円減少したことなどから、マイナス64,565百万円と前年度末に比べ39,817百万円減少した。・財務活動収支は地方債等償還支出の減少などにより、プラス21,465百万円と前年度末から5,537百万円増加している。・上記3種類の収支から、R3年度は国庫補助金や地方債発行による収入が経常的な業務や地方債償還に係る支出を上回っているが、これらの収入は将来的な返還や償還を要するものでもあるため、その原資を計画的に積み立てている形となっている
財務書類に関する情報②(2021年度)
1.資産の状況
・住民一人当たり資産額について、類似団体平均より高くなっているのは、復興事業による資産形成が進んだためと考えられる。・歳入額対資産比率について、当県は復興関係の歳入減少と新型コロナ対策のための歳入増加が相殺し歳入総額が大きく変わらなかったが、類似団体平均は下がっていることから、他団体では新型コロナ対策のための歳入増加が歳入額対資産比率の低下に影響しているのではないかと推測される。有形固定資産減価償却率について、類似団体平均より11.2%低くなっているのは、復興事業による資産形成が進んだためと考えられる。・本県では、平成28年度に策定した宮城県公共施設等総合管理方針に基づき、施設新築に当たり将来の人口構造の変化等を踏まえた、長期・総合的な観点から検討を行うとともに、既存施設の長寿命化や施設の積極的な統廃合による施設総量の適正化を検討しており、財政負担軽減に努めている。
2.資産と負債の比率
・純資産比率について、例年、類似団体平均より高い値で推移しているのは、東日本大震災以降の施設整備や基金造成等の影響により、地方債発行などの負債額増加が抑制されているためと考えられる。・将来世代負担比率について、類似団体平均より低くなっているのは、国等補助金や税収等の財源を活用し、地方債発行が抑制されているためと考えられる。・地方債については可能な限り交付税措置のある地方債を発行することで、後年度の財源確保を図っている。
3.行政コストの状況
・住民一人当たり行政コストについて、当県は震災復興や東日本台風の復旧事業関係の支出により類似団体よりも高い傾向にあったと考えられるが、R2年度以降は事業支出減少と新型コロナ対策のための支出増加が相殺し、類似団体に比べて純行政コストの増加ペースが小さくなっていることが考えられる。
4.負債の状況
・住民一人当たり負債額について、類似団体平均よりやや高くなっているものの、乖離幅は年々縮小傾向にあり、平均的な値といえる。・基礎的財政収支について、類似団体平均を下回るマイナス6,945百万円となっているのは、公共施設等整備費支出が他団体より高水準である可能性が考えられる。ただし、復興事業の落ち着きなどから、R2年度よりも数値は改善(+18,388百万円)している。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率について、類似団体平均を下回っているのは、経常的な事業に係る費用の財源を税収や国県等補助金で賄っている割合が大きいためと考えられる。・類似団体平均との乖離が小さくなってきているのは、新型コロナ対策により他団体においても税収や国県等補助金の割合が高まってきているためと推測される。・復興事業の完了により資産が増加しており、維持補修費や減価償却費の増加が見込まれることから、引き続き経常費用の縮減及び使用料・手数料の見直し等による経常収益確保に努める必要があると考えている。
類似団体【B】
宮城県
福島県
茨城県
栃木県
群馬県
埼玉県
千葉県
神奈川県
長野県
岐阜県
静岡県
愛知県
三重県
滋賀県
京都府
大阪府
兵庫県
岡山県
広島県
福岡県