経営の健全性・効率性について
平成25年度は、通年と比べて経営分析の変動が大きくなっていますが、これは数値の捉え方の相違によるものです。平成24年10月に平均改定率16.1%増とする下水道使用料の改定を行ったことにより、使用料単価は全国平均に近づきました。その結果、平成26年度の経費回収率は93.41%と全国平均88.44%を4.97%上回っています。また、施設修繕や経費節減に努めたほか、平成25年度の使用料単価が152円と150円を上回ったことから分流式下水道等に要する経費を基準内繰入として計上したため、平成26年度の汚水処理原価は167.12円となり、全国平均とは約20円の開きはあるものの改善傾向にあります。これまでの経営改善に向けた取り組みが成果を上げつつあり、収益的収支比率の改善に繋がっています。なお、水洗化率は平成22年度から91%以上を継続しており、平成26年度には92.79%となっていますが、更なる経営の健全性・効率性を高めるためには、水洗化率の向上に努める必要があり、下水道整備地域における接続推進を図ることが重要と考えています。
老朽化の状況について
流域下水道の下水処理場を使用しているため、本市では主に下水道管やマンホールの維持管理を行っています。これまで、小規模な修繕は実施してきたものの、大きな修繕はありません。昭和54年の下水道建設開始から30年以上が経過していますので、今後は下水道管の内部調査等を基に腐食や亀裂などによる地下水流入を防止するための補修工事やマンホールの蓋交換など、開発者から帰属を受けた管路の老朽化が著しいことから計画的な長寿命化対策を講じることが必要な時期となっています。
全体総括
平成26年度の各指標の数値は全国平均に近づいていますが、更なる経営努力が必要です。本市では、下水道建設開始から30年以上が経過しており、将来にわたって安心して下水道を使用していただくには、施設の長寿命化対策を講じるなどの維持管理が重要となってきています。住民に安定した公共下水道サービスを提供するために、「健全な下水道事業の運営を図り、将来にわたる安定的な下水道経営」を基本に、下水道使用料と汚水処理原価とのバランスを取りながら今後とも健全化に努めていく必要があります。