経営の健全性・効率性について
左記のとおり、経営の健全性・効率性については全国的にも悪い指標となっております。原因としては区域内人口が少なく下水道使用料が極めて少額なためです。現在、特環区域の供用開始から4年が経過しており、一部の起債償還が始まっている状況のため、収入に対して費用が大きくなり汚水処理原価が高く、経費回収率が低い状況となっております。また、起債償還が開始して間もない状況のため、企業債残高対事業規模比率も高い状況となっております。上記より、経営の健全性・効率性は悪い指標となっておりますが、下水道事業計画変更により特環下水道整備は令和2年度で整備終了予定となっており、その後区域拡張を予定しておりません。よって水洗化人口も大幅な増加見込みがなく、それに伴い下水道使用料収入も大幅な増加は見込めない状況となっております。そのため、今後も一般会計繰入金に依存する状況がしばらくは続く見込みですが、公共下水道事業の運営状況や一般会計の運営状況を見つつ料金改定等の財源確保の対策を行う必要があります。処理場施設の利用状況については、公共下水道事業の処理場により処理を行っており、両事業合わせての利用率が施設利用率は約87%となっており、適切な数字ではありますが、近年不明水の流入の疑いがある箇所が増加しており、管渠調査を行う必要性があると考えております。
老朽化の状況について
下水道管渠の標準耐用年数は50年となっており、当町の特環下水道事業は供用開始から4年となっている事から、管渠の老朽化については問題はありませんが、現在、特環下水道区域の汚水を処理している公共下水道事業の処理場は供用開始から20年経過しているため、処理場設備が更新時期を迎えております。現在ストックマネジメント計画を策定中であり、当計画に基づく実施設計及び更新工事を令和2年度より開始予定としております。
全体総括
これからは本格的に起債償還が開始され、それに伴い費用が増加しますが、収入の大幅な増加見込みはありませんので、経営状況が悪くなる見込みです。そのため、一般会計繰入金の依存率も大きくなると考えられます。今後は、経費の見直しをして、少しでも一般会計繰入金を少なくする努力を行う必要があります。財政状況によりますが、料金改定も視野に入れつつ運営を行う必要があります。老朽化については、特環下水道区域内では問題ありませんが、汚水流入先である公共下水道事業の処理場では老朽化が進んでいる状況ですので、計画的に処理場設備更新を行う必要があります。