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地方財政ダッシュボード

宮城県大和町の財政状況(2021年度)

🏠大和町

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度📅2010年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2021年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数は前年度から0.01ポイント減少しているものの,依然として1.00超(1.05)となっている。平成30年度から令和2年度までは普通交付税の不交付団体であったが,令和3年度は交付団体となった。平成29年度からの財政力指数の急上昇は町税,とりわけ法人町民税について,町内企業の業績を反映して増収傾向となっていることが主な要因であるが,単年度決算でみると法人町民税は経済情勢に大きく左右されるため,歳入については現年度税収等のみならず,基金と起債などのバランスを意識して,中長期的な視点で財政運営を図っていく必要がある。

経常収支比率の分析欄

経常収支率は前年度より0.6ポイント減少し91.0%となり,類似の99団体中87位となっている。経常収支比率は,経常経費充当一般財源(分子)を経常的一般財源(分母)で除して算出されるが,令和3年度では,分母に含まれる普通交付税が4年ぶりに交付(約163百万円)されたことが影響している。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人口1人当たり人件費・物件費等決算額は前年度より1,254円増加し,158,873円となり,類似の95団体中80位となっている。類似団体より増加している要因として,物件費等のうち,施設維持費と除融雪費に関する維持補修費が前年度比125.5%となっていることが主な要因である。今後も適正な施設管理及び経費の削減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

ラスパイレス指数は前年度と同値96.0となり,全国市平均及び全国町村平均を下回っている。今後も人事院勧告に準拠し,適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

人口1,000人当たりの職員数は前年度から0.05ポイント増加し6.93人となり,類似99団体中65位となっている。人口1,000人当たりの職員数は全国平均及び宮城県平均を下回った状態が続いているが,退職職員の増加等に対応するため職員採用を進めていることが増加傾向の要因となっている。今後も職員平均年齢の推移や将来の人口動向を考慮したうえで,適正な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率は前年度より0.2ポイント増加し1.0%となり,類似の99団体中7位となっている。これは,算定式の分子となる元利償還金の増によるものである。近年,元利償還金は償還終了により減少してきたが,不交付団体であった令和元年度に歳入不足(町税の減収)を理由に減収補てん債還を借り入れ,その元金償還が令和3年度から始まったことによる増加である。他方,算定式の分母となる普通交付税額と臨時財政対策債発行可能額が4年ぶりに計上(計290,249千円皆増)され,結果的に実質公債費比率の上昇が0.2ポイントに留まっているものである。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率は将来負担額を充当可能財源等が上回り算定されなかった。各年度の地方税の増減に伴う減収補てん債の発行,公共施設の老朽化に伴う更新及び自然災害の発生等により地方債の発行額が増加傾向にある。引き続き,地方債の適正な発行と財政健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2021年度)

人件費の分析欄

人件費は前年度から0.8ポイント減少し19.6%となり,類似の99団体中28位となっている。分子となる人件費等については職員数増と会計年度任用職員増の影響で前年度比11百万円増となっているが,他方,分母の経常経費充当一般財源については普通交付税が4年ぶりに交付され,前年度比163百万円増となっており,結果的に0.8ポイント減少した。会計年度任用職員制度及び職員の定員管理について,今後も適正な運用管理に努める。

物件費の分析欄

物件費は前年度より4.3ポイント増加し24.6%となり,類似の99団体中98位となっている。これは物件費に対する特定財源の減少によるものであり,年度によって変動が生じるため,令和3年度の数値が継続するものではないが,全国平均及び宮城県平均を大きく上回り,物件費に係る経常収支比率も上昇傾向であるため,事業見直しと経費削減に努めていく。

扶助費の分析欄

扶助費は前年度より4.6ポイント減少し7.6%となり,類似の99団体中30位となっている。子育て支援,高齢者福祉に関する扶助費は今後も増加することが見込まれているが,障害福祉については対象者一人当たりの経費が大きいことから,対象者数の増減により年度間の増減差が大きくなる傾向にある。今後も適正な事業運用に努める。

その他の分析欄

その他は前年度より2.5ポイント増加し16.5%となり,類似の99団体中92位となっている。要因としては,その他の内訳である維持補修費(主に除排雪)に係る経常経費充当一般財源が前年度から61,046千円増加(対前年度比116.2%)したことによるものである。除排雪については,天候に左右されることもあることから事業の適正化を図るとともに,その他の維持補修費として分類される施設の維持管理も適切に行い,維持補修費の抑制に努める。

補助費等の分析欄

補助費等は前年度より2.9ポイント減少し14.4%となり,類似の99団体中64位となっている。要因としては,補助費等に係る経常経費充当一般財源が前年度から160,546千円減少(対前年度比86.6%)していることが挙げられる。前年度より改善しているとはいえ,全国平均及び宮城県平均を上回っていることから,事業見直しと経費削減に努めていく。

公債費の分析欄

公債費は前年度より0.9ポイント増加し8.3%となり,類似の99団体中9位となっている。要因としては,普通交付税の不交付団体であった令和元年度に,町税の減収を理由として減収補てん債を借入れたが,その元金の償還が令和3年度から始まったことによるものである。今後も地方債の適正な発行と財政健全化に努める。

公債費以外の分析欄

公債費以外は前年度より1.5ポイント減少し82.7%となり,類似の99団体中98位となっている。要因としては,公債費以外の各経費に係る経常経費充当一般財源が前年度から149,604千円増加(対前年度比102.6%)しているものの,経常収支比率算出上分母となる経常一般財源等の総額が205,747千円増加(対前年度比103.2%)しており,算出上減少したものであるが,全国平均や宮城県平均よりも低いことから,今後は事業の見直しや経費節減等に努めていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

歳出決算総額は前年度から2,343,682千円減少し,14,230,033千円(対前年度比85.9%)で,人口は197人減少し28,130人となっている。総務費は前年度から104,405円減少し62,624円(対前年度比37.5%)となった。これは前年度に新型コロナウイルス感染症関連の特別定額給付金給付事業を実施したことによるものである。民生費は前年度から20,649円増加し157,243円(対前値度比115.1%)となった。これは住民税非課税世帯等臨時特別給付金や子育て世帯等臨時特別支援給付金等の増によるものである。衛生費は前年度から7,469円減少し52,496円(対前年度比87.5%)となった。これは前年度に災害廃棄物処理事業を実施したことによるものである。農林水産業費は,前年度から4,073円増加し15,500円(対前年度比135.6%)となった。これは主食用米作付農家支援金事業の実施によるものである。商工費は前年度から4,256円増加し18,818円(対前年度比129.2%)となった。これは新型コロナウイルス感染症関連の協力金や企業立地奨励金の対象増によるものである。教育費は前年度から19,468円増加し87,154円(対前年度比128.8%)となった。これは吉岡小学校の校舎建設事業に備えて校舎建設基金へ積み立て(6億円)を実施したことによるものである。公債費は前年度から3,041円増加し21,419円(対前年度比116.5%)となった。これは普通交付税が不交付であった令和元年度に町税の減収を理由として借り入れた減収補てん債(9億8千万円)の元金償還が始まったことによるものである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は前年度から2,343,682千円減少し,14,230,033千円(対前年度比85.9%)で,人口は197人減少し28,130人となっている。性質別経費の構成項目のうち,人件費については,全国平均及び宮城県平均を大きく下回っていることから,引き続き人事院勧告に準拠した財政運営に努める。物件費は,前年度から3,317円減少し89,657円(対前年度比96.4%)となっているが,平成28年度から増加傾向が続いており,事業の見直しまたは平準化などを念頭に適切な財政運営に努める。維持補修費は,例年,全国平均を上回っている。これは,除排雪経費が降雪によって左右されること,各種施設の老朽化等に伴う維持管理経費が生じていることが挙げられる。今後も施設の長寿命化や統廃合等を考慮しながら適切な財政運営に努めていく。補助費等については,新型コロナウイルス関連の補助事業の減により大きく減少している。普通建設事業費は,子育て支援住宅整備(追加整備)に係る経費が計上されているものの,全体的な前年度からの上昇幅はそれほど大きくなく,普通建設事業全体で事業の平準化を図っていることが功を奏していると思われる。しかしながら,施設の長寿命化等に伴う普通建設事業が後年度に控えていることから,基金への積立て等により財源の平準化に努める。積立金は,今後予定されいている学校校舎の改修事業に関する目的基金への積立てを行ったことに伴い増加している。

実質収支比率等に係る経年分析(2021年度)

分析欄

財政調整基金残高は平成30年度を境に減少している。これは令和元年度は災害対応の財源に充てたほか,平成30年度から令和2年度まで普通交付税の不交付団体であったため,当該年度の財源不足を補うために取崩し額が積立額を上回ったものである。この先,施設の老朽化対策等に係る取崩しも想定されるため,今後も計画的に基金を運用していく必要がある。実質収支額は,税収等の上振れ分について決算剰余金として翌年度の財政調整基金へ積み立てるのではなく,令和4年度以降の吉岡小学校建設工事等の大規模事業のために繰入れを予定している特定目的基金(校舎建設基金,まちづくり基金)へ令和3年度中に積極的に積立てを行うなどの年度間財源調整により4.47%(前年度比5.88ポイント減)となり、実質単年度収支は,財政調整基金取り崩し額が増加したことにより前年度から減少している。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2021年度)

分析欄

すべての会計において黒字となっており,特に一般会計と水道事業会計の黒字額が大きくなっている。平成30年度まで町内企業の業績が好調であり,法人町民税が伸びていたが,法人町民税については国の税制改正等による減収のほか,経済の動向に左右され年度ごとの増減幅が大きくなるため,注視していく必要がある。引き続き各会計で赤字が発生しないよう健全な財政運営に努めていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

分子構造について,年々減少していた元利償還金が令和3年度に82百万円増加した。これは普通交付税の不交付であった令和元年度に町税の減収を理由として借り入れた減収補てん債(約9憶8千万円)の元金償還が始まったことによるものである。引き続き,地方債の適正な発行と財政健全化に努めていく。

将来負担比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

地方債の発行抑制に努めていたこともあり,元利償還金額は年々減少してきたが,普通交付税の不交付団体であった令和元年度において地方税の減少に伴う減収補てん債の借入を余儀なくされたことから,一般会計等に係る地方債の現在高が令和元年度に一時的に増加し,その後は適正に償還している。今後も地方債の適正な発行と財政健全化に努めていくこととするが,普通交付税の算定にあたり不確定要素の多い法人町民税が算定基準となっていることから,今後も不交付(または少額交付)に伴う減収補てん債の借入を余儀なくされる可能性があるため,地方債現在高のみならず,基金の運用についてもしっかり管理していく必要がある。

基金残高に係る経年分析(2021年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金はそれほど増加していないが,令和2年度と3年度については,令和4年度から始まる大規模な普通建設事業(小学校改築事業)に備えて特定目的基金への積立てを行ったことにより基金全体額が増加している。(今後の方針)当町は平成30年度から普通交付税の不交付団体(または少額交付団体)であり,今後もその傾向が予想されることから,年度間の財源調整の命綱である財政調整基金については標準財政規模の35%程度を確保することとし,地方税の増収が見込まれる年度では今後見込まれる公共施設等の維持・修繕及び長寿命化等に対応するために目的基金への積立てをするとともに,地方債の発行と調整しつつ,適正な基金管理に努める。

財政調整基金

(増減理由)令和3年度は前年度比60百万円増の2,740百万円で,標準財政規模の34.2%を確保した。(今後の方針)当町は平成30年度から普通交付税の不交付団体(または少額交付団体)であり,今後もその傾向が予想されることから,年度間の財源調整の命綱である財政調整基金については標準財政規模の35%程度を確保することとし,地方税の増収が見込まれる年度では今後見込まれる公共施設等の維持・修繕及び長寿命化等に対応するために目的基金への積立てをするとともに,地方債の発行と調整しつつ,適正な基金管理に努める。

減債基金

(増減理由)平成29年度から令和元年度まで,41百万円で推移している。(今後の方針)財政調整基金の動向を注視しながら,財政健全化に努める。

その他特定目的基金

(基金の使途)令和3年度は主に次の基金について事業を行っている。1)大和町特定防衛施設周辺整備調整交付金事業基金・・・あんしん子育て医療費助成事業(90,000千円),学校ICT環境整備事業(4,200千円)2)大和町長寿社会対策基金・・・敬老事業(10,000千円)3)大和町ふるさと応援基金・・・保育所遊具設置工事他(15,109千円)4)森林環境譲与税基金・・・・・林道整備他(5,446千円)(増減理由)令和3年度は,前年度比759百万円増の3,656百万円となった。増額の主な要因は,学校校舎の改修事業に備えて学校校舎建設基金に積立てを行ったこと,にぎわい創出事業などの地域活性化事業などに備えてまちづくり基金への積立てを行ったことによる。(今後の方針)財政調整基金の動向に注視しながら,施設の長寿命化等に伴う普通建設事業が控えていることから,目的基金への積立てを行うことにより財源の平準化に努める。また,基金の目的が類似するものについては,廃止・統合を行い,より弾力的な運用が図られるよう進めていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

本町の保有する資産全体として,全体の約60%が償却されている状態にある。特に大規模な公共施設である庁舎は平成22年,出張所は平成28年に移転新築をしており,比較的新しいことが全体の償却率を押し下げていると考えられ,その他資産の老朽化は進行が著しく,現状への対策として公共施設等総合管理計画(平成28策定。令和5年3月改訂)に基づき,改修や統廃合等を計画的に進めていくことが重要である。

債務償還比率の分析欄

全国・県平均を大きく下回っている。これは長期にわたり地方債の新規発行を抑制してきたほか,法人住民税の増収を背景とした経常一般財源等の増加が関係している。平成30~令和2年度まで普通交付税の不交付団体,令和3年度も少額交付となったが,法人住民税の税収は経済情勢により大きく変動し,年度によっては歳入不足から多額の減収補てん債の発行を余儀なくされることがあり,今後もこの傾向が続くものと思われることから注意が必要である。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は生じていないものの,有形固定資産減価償却率を押し下げている庁舎及び出張所以外の資産については老朽化が進んでいることから,公共施設等総合管理計画に基づき,除却や長寿命化の検討をしつつ,施設の適切な管理が必要である。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は生じておらず,実質公債費比率も近年大きく減少しており,類似団体と比較しても良好な状態であるといえる。これは,近年,元利償還金の額が減少(地方債残高が減少)していることが起因している。なお,黒川地域行政事務組合への負担金等は近年増加しているものの,普通会計の元利償還金額の減少が大きいことにより,実質公債費比率は減少傾向である。ただし,令和元年度に借入れた減収補てん債の元金償還が令和3年度から始まることや施設の長寿命化等の普通建設事業が増加見込みとなっており,今後の実質公債費比率は微増傾向で推移するものと思われる。

施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

道路の有形固定資産減価償却率は全国平均より下回っているものの県平均よりも高い数値となっており,橋りょう・トンネルの有形固定資産減価償却率は全国・県平均よりも低い数値となっている。資産を一人あたりとしてみた場合に,道路,橋りょう・トンネルは全国平均及び県平均よりも大幅に高い数値となっており,人口に比して多いということになるが,これは維持管理や更新等にかかる費用が平均的な自治体よりも大きくなることを意味することから,単一年度に負担が集中することがないよう計画的な老朽化対策が必要である。公営住宅に関しては,有形固定原価償却率は全国平均より低い数値となっているが,これは近年,町の施策として進めている子育て支援住宅整備によるものである。既存の公営住宅については他自治体同様に老朽化が進んでいることから,引き続き公営住宅の長寿命化計画に基づき大規模改修等実施していく。一方,児童館では,有形固定原価償却率が平成30で大幅に減少している。これは,児童館の建替えにより数値を押し下げているものと考えられるが,一人あたりの資産としてみた場合に学校の統廃合により使用しなくなった中学校校舎を児童館として使用している経過により,全国平均及び県平均を大幅に上回る数値となっており,施設更新時期の到来に向けて,児童館の規模と適正配置について事前に検討しておく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

一般廃棄物処理施設については広域行政事務組合での事務処理となり,減価償却率が低く,適正に維持管理がなされている。体育館・プール,保健センター・保健所,市民会館について,一人あたりの面積が平均を上回っており,十分な面積を確保している一方,有形固定資産減価償却率において増加傾向にある。これは他自治体と比較して施設の維持にかかる経費負担が大きいことを示しており,大規模修繕事業等の実施の際は特定の年度に集中することも予想されることから,今後は計画的に老朽化対策を実施し,財政負担の平準化を図る必要がある。福祉施設は,有形固定資産減価償却率が全国平均・県平均を上回っているが,一人あたりの面積が平均を大きく下回っていることもあり,適宜,施設の長寿命化を実施していく。庁舎では,平成22年の本庁舎及び平成28年の出張所の移転で比較的新しいこともあり,有形固定資産減価償却率が大幅に低くなっている。個別施設計画に基づく維持管理を実施し,今後も適正に管理するものとする。

財務書類に関する情報①(2021年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

【一般会計等】資産総額47,312百万円のうち固定資産が92.7%(43,842百万円)を占め、流動資産は3,470百万円で前年度比489百万円減少していますが、これはコロナ対策等の緊急的な支出について財政調整基金の取崩しにより対応したことによるものです。負債総額は6,014百万円で、全体の75.3%(4,530百万円)を地方債が占めています。普通交付税の不交付団体(または少額交付)となっている当町は、その要因となる法人町民税の年度間の増減差が激しいという特徴を持っており、中長期的な財政見通しを踏まえて財源確保と調整を実施する必要があります。固定資産については将来、大規模改修等の支出を伴うものであることから、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設等適正管理に努めます。【全体会計】資産総額61,179百万円のうち固定資産が92.2%(56,425百万円)を占めています。負債総額は13,194百万円で内訳は固定負債11,795百万円、流動負債1,399百万円となり、負債については地方債が67.7%(8,934百万円)を占めています。【連結会計】資産総額67,202百万円のうち固定資産が92.3%(62,038百万円)を占め、流動資産は5,164百万円です。負債総額は15,581百万円で内訳は固定負債13,874百万円、流動負債1,706百万円となり、負債については地方債が64.0%(9,968百万円)を占めています。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

【一般会計等】純経常行政コストは12,995百万円で、前年度比2,210百万円の減となっています。これはコロナ対策として令和2年度に実施した特別定額給付金給付事業(一人10万円支給。国庫補助事業)の皆減が影響しており、移転費用のうち補助金等が3,684百万円(前年度比△2,118百万円)と大幅に減少しています。なお、コロナだけでなく物価高騰などの影響でコスト上昇が避けられない状況の中、費用対効果を意識した事業検証を行い、既存事業の統廃合などをもって持続可能な財政運営を進めていきます。【全体会計】純経常行政コストは17,323百万円で、純行政コストは17,316百万円です。経常費用のうち移転費用は10,210百万円(前年度比△1,741百万円)となり、経常収益は1,659百万円(前年度比+80百万円)です。移転費用の減少の要因はコロナ対策に伴う各種助成事業が減少したこと(特別定額給付金事業などの減)によるものです。【連結会計】純経常行政コストは19,883百万円、純行政コストは19,900百万円です。経常費用のうち、業務費用は9,966百万円(前年度比△414百万円)、移転費用11,638百万円(前年度比△2,625百万円)、経常収益は1,720百万円(前年度比△1,505百万円)です。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

【一般会計等】財源(12,898百万円)が純行政コスト(12,988百万円)を下回り、本年度差額は△90百万円となり、純資産残高は147百万円増加しました。財源のうち法人町民税は経済状況に大きく左右されるため、今後もその動向を注視し、中長期的な財政運営により財政調整基金をはじめとする基金の積立てと取崩し、及び計画的な地方債の活用で年度間の財源確保対策を講じていきます。【全体会計】財源(17,292百万円)が純行政コスト(17,316百万円)を下回り、本年度差額は△24百万円となり、純資産残高は225百万円増加しました。【連結会計】財源(19,312百万円)が純行政コスト(19,900百万円)を下回り、本年度差額は△588百万円となり、純資産残高は271百万円減少しました。一部事務組合と広域連合については経費負担割合等に応じた率に比例按分し、当町の負担分のみ連結する比例連結です。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

【一般会計等】業務活動収支は1,145百万円となり、支出11,888百万円(前年度比△2,140百万円)については、前年度比でコロナ対応の補助金等の支出を含む移転費用支出の減少したことが影響しています。投資活動収支は△1,350百万円(前年度比△396百万円)で、小学校校舎建設事業等に備えて特定目的基金への積立金が230百万円増加しましたが重点施策で継続実施している子育て支援住宅整備や橋りょう整備等の公共施設等整備費が前年度比で大きく減少しました。財務活動収支は△281百万円(前年度比△84百万円)で減少しましたが、これは不交付団体であった令和元年度に法人町民税の減収に伴う減収補てん債を借入れ、その元金の償還が始まったことによるものです。【全体会計】業務活動収支は1,726百万円となり、支出16,736百万円(前年度比△1,949百万円)に対して収入18,463百万円(前年度比△1,730百万円)です。投資活動収支は△1,744百万円、財務活動収支は△513百万円です。これらの増減理由は一般会計等の要因によるものです。【連結会計】業務活動収支は2,029百万円となり、支出18,739百万円(前年度比△3,175百万円)に対して収入20,768百万円(前年度比△2,874百万円)です。投資活動収支は△1,816百万円、財務活動収支は△766百万円です。これらの増減理由は一般会計等の要因によるものです。

財務書類に関する情報②(2021年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

①住民一人当たりの資産額は168.2万円(前年度比△0.5万円)で、類似団体平均を16.5万円上回っています。これは基金積立額が多いためと思われますが、固定資産については将来の修繕や更新等に要する財政負担も大きくなることから、公共施設等総合管理計画に基づき施設の集約化・複合化を進め、保有量の適正化に取り組む必要があります。②歳入額対資産比率は3.10年(前年度比0.44年)と増加し、類似団体平均を若干下回っています。これは分母となる歳入決算額についてコロナ関連の国・県補助金等の収入減(令和2年度に実施した特別定額給付金事業)が大きく影響しています。コロナ関連の歳入歳出を除き、中長期的な視点でみると歳入の根幹である町民税、特に当町にとっては普通交付税の有無を左右する法人町民税については経済の動向に注視し、翌年度以降の財政運営を検討していく必要があります。③有形固定資産減価償却率は59.9%(前年度比+1.8%)で、類似団体より1.8ポイント下回っています。公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を進め、保有量の適正化に取り組む必要があります。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

④純資産比率は87.3%(前年度比+1.2%)で、類似団体を13.0ポイント上回っています。類似団体よりも地方債残高(負債)が少ないことが要因と考えられます。⑤将来世代負担比率は6.1%で前年度と同値となり、類似団体より8.6ポイント下回っています。現状の資産は過去および現役世代の負担でまかなえており、公債に頼らず資産形成できていると言えますが、投資的経費に関する受益の世代間負担の公平性を考えると、特定の投資的経費については積極的に地方債を活用し、世代間の公平性を保つ必要があるとも考えられます。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

⑥住民一人当たりの行政コストは46.2万円(前年度比△6.7万円)で、類似団体平均を8.9万円上回っています。コロナ関連の給付金等事業の影響により前年度比で大きく減少していますが、コロナ関連支出を除けば、類似団体よりも面積が広いため管理するインフラ施設や教育施設などが多いこと、また、あんしん子育て医療助成事業(医療費無料)などの町独自の社会保障関連サービスがあることが要因と考えられることから、もう少し行政活動の効率化(事業の精査)を図る余地があるものと思われます。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

⑦住民一人あたりの負債額は21.4万円(前年度比△2.0万円)となり、類似団体平均を大きく下回っています(△17.5万円)。長期にわたって公債発行に頼らない財政運営を進めてきたことによるものですが、今後は公共施設の老朽化対策事業の増加に伴い、世代間負担の公平性を保つために地方債の活用を検討する必要があります。⑧基礎的財政収支は642百万円(前年度比+442百万円)で、類似団体を下回っていますが、町独自の子育て支援住宅整備や大規模な国庫補助事業などの投資活動支出の年度間の増減が大きく影響しています。また、業務活動収支のうち町税収入の法人税については景気に左右されることから、年度間で大きな増減が生じるため、中長期的な視点で基金や地方債などで調整し、財政運営を図っていくことが重要と考えられます。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は3.3%(前年度比+0.8)で、類似団体平均を0.7ポイント下回っています。これはデフレ経済下において利用者の負担軽減の観点から料金改定(値上げ等の負担増)を実施してこなかったことなどが要因と考えられますが、受益者が負担をしてまで受けたいサービスが無かったり、必要以上に過度なサービスを提供している可能性もあるので、サービスの在り方と料金設定について十分検討していく必要があります。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,