経営の健全性・効率性について
①経常収支比率:水洗化率は65%程度で、使用料収入の低迷により、施設の修繕費や維持管理費及び企業債支払利息等が賄えておらず、一般会計からの繰入金に依存している状況となっています。②累積欠損金比率:一般会計から繰入金により、類似団体と比較すると低くなっています。③流動比率:流動負債は、主に建設改良に充てられた企業債の元金償還等となっているものの、使用料収入で賄うことができず、一般会計からの繰入金に依存している状況となっています。④企業債残高対事業規模比率:類似団体の約2倍となっており、施設整備に投資した経費に対して、使用料収入で賄うことができず、一般会計からの繰入金に依存している状況となっています。⑤経費回収率:水洗化率が65%程度であることに加え、使用料改定(消費税による改定を除く。)も平成17年から行っていないため、使用料収入も低迷しており、類似団体と同程度となっています。⑥汚水処理原価:汚泥処理は脱水までで焼却処理を行っていないため、類似団体と比較して、原価は安くなっています。⑦施設利用率:供用開始から10年以上が経過し、類似団体の水準を超えていますが、水洗化率が65%と低いため、利用率も60%程度となっています。⑧水洗化率:65%程度となっており、類似団体と比較すると低い状況となっています。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率:事業の開始時期が平成13年で、現在のところ更新が必要となる資産はありませんが、耐用年数を考慮し、今後の更新計画を策定する必要があります。②管路老朽化率、③管渠改善率:事業の開始時期が平成13年で、現在のところ更新が必要となる管渠はありませんが、耐用年数(50年)を考慮し、今後の更新計画を策定する必要があります。
全体総括
下水道施設の整備は平成26年度にほぼ完了しましたが、水洗化率は上昇傾向となっているものの、依然として65%で低迷しています。これは事業計画に基づいて建設した汚水処理場等が処理能力の65%程度しか活用されず、35%が余剰能力となっている状態です。下水道は、市民生活に欠くことのできない施設であり、下水道事業の健全で安定的な経営を図るうえで、水洗化率の向上が最優先課題となっています。また、今後は人口減少による汚水処理人口の低迷が懸念されます。限りある財源を効率的に投資するため、下水道が整備されていない山間部等(非人口密集地域)については、合併処理浄化槽の整備を推進していきます。