経営の健全性・効率性について
熊本地震からの復旧・復興は徐々に進んでいるものの、未だ道半ばである。平成28年度以降の分析数値は、地震の影響で一部異常値があると考えられることから、今後の推移を注視する必要がある。なお、各表の分析は次のとおりである。③平成29年度の流動比率の変動は、未払消費税の計上による流動負債の増額によるもの。④企業債残高対給水収益比率は災害復旧事業に伴う企業債借入によるもの。⑤平成28年度の料金回収率の減少は一時料金を徴収できない時期があったことや、給水人口の減少によるもの。⑥平成28年度の給水原価の上昇は災害復旧費用の増加や、有収水量の減少によるもの。現在、アセットマネジメントの策定を行っており、その結果を経営戦略、並びに水道ビジョンのフォローアップにつなげていく。
老朽化の状況について
現在、熊本地震により被災した施設の大部分は、復旧にあわせて更新を行っている。しかし、未だ耐用年数を超えた施設が数多く見受けられるため、経営に与える影響等を考慮しながら、計画的な整備を行っていく。
全体総括
当初、平成30年度中に終わらせる計画であった災害復旧事業は、平成31年度までずれ込む見込である。地震の影響による給水人口・収益の減少、災害復旧事業に伴う企業債、並びに有形固定資産の増加が見込まれる中、平成32年度までに、今後の事業経営の中長期的な方向性を示す経営戦略の策定を目指す。