経営の健全性について
・「事業の状況」については、「①経常収支比率」はH27年度に100%を超えており、また、「②営業収支比率」についても安定して推移するなど、経営の健全性を維持しながら、地域の生活交通の確保を図っております。・「③流動比率」については、H26年度の会計制度見直しにより減少しH27年度は公営企業平均値を下回っておりますが、財政健全化法における資金不足は生じておらず、引き続き経営の安定性の確保に努めてまいります。・「④累積欠損金比率」については、H26年度の会計制度の見直しに伴い一時的に上昇したものの、資本剰余金の処分により対応し、公営企業平均値を大きく下回っております。引き続き、経営の健全化に向けた取組により累積欠損金の解消に努めてまいります。・「独立採算の状況」については、「⑤利用者1回当たり他会計負担額」及び「⑦他会計負担比率」ともに公営企業平均値を下回っており、平成27年度には県独自の繰入金がゼロとなるなど、経営の健全性の確保を図っております。また、「⑥利用者1回当たり運行経費」については、高速事業及び貸切事業を含むため公営企業平均値よりも高い数値となっておりますが、引き続き利用者の利便性向上を図りながら、運行コストの縮減に努めてまいります。・「資産及び負債の状況」については、「⑧企業債残高対料金収入比率」において、計画的な車両更新の取組等により公営企業平均値を上回っておりますが、H28年度に策定した「交通局施設等の維持管理・更新計画」等に基づく計画的な投資により、運行に必要な施設等の確保に取り組んでまいります。
経営の効率性について
・不採算路線を含む路線の維持・確保への取組等により、「①走行キロ当たりの収入」及び「④乗車効率」は平均値よりも低い数値となっておりますが、一方で、これまでの経営健全化策の着実な実施により「②走行キロ当たりの運送原価」及び「③走行キロ当たりの人件費」については、民間事業者平均値を下回っており、民間事業者と比較しても低いコストでの効率的・効果的な運行を実施しております。・今後とも、利用者の動向・ニーズを分析しながら利便性の向上を図り、収益増に努めてまいります。
全体総括
・交通事業を取り巻く環境は、少子高齢化や人口減少等社会情勢の変化を背景として、引き続き厳しい状況にありますが、中期経営計画の着実な実施により、上記のとおり「経営の健全性」及び「経営の効率性」を維持しつつ、地域生活交通の確保に取り組んでおります。・今後とも平成29年度に策定を予定している経営戦略に基づき、都市間輸送の強化等の増収・増客策の実施や、安全性の一層の確保と輸送品質のさらなる向上に努めるとともに、本格的な高齢社会の進展をふまえ、免許返納者パスや高齢者パスなどの利用促進策の実施等により、経営の健全性を維持しつつ、地域に必要な生活交通の確保及び本県の観光振興への貢献に努めてまいります。