宇部市:交通事業

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経営比較分析表(2017年度)

経営の健全性について

平成29年度は、経常収支比率及び営業収支比率が共に前年度と比較して改善している。これは、「宇部市地域公共交通網形成計画」及びこれを具体化する「宇部市地域公共交通再編実施計画」に基づく路線再編に伴う減便や路線縮小による人件費の減少及び車両数の適正化による減価償却費の減少が主な要因である。しかしながら、慢性的な運転士不足により受注体制が整わないことから貸切自動車収入が減少している。今後、多くの運転士の定年退職が控える中、運転士不足が深刻化し、より一層厳しい経営環境となることが予想されることから、更なる減便や路線廃止といった利用者への影響が懸念される。したがって、経営の健全化のため、大型二種免許取得費用助成制度等を活用した採用を進める一方で、新たに短時間勤務等、多様な就労形態による採用を進め、運転士の確保に向けて最優先に取り組む必要がある。

経営の効率性について

走行キロ当たりの運送原価については、民間事業者に比べ低い水準を維持しているものの、走行キロ当たりの人件費については、民間事業者よりも高い水準で推移しており、引き続き給与の適正化等を推進する必要がある。また、走行キロ当たりの収入については、民間事業者と比較すると非常に低く、乗車効率も他団体に比べて低くなっている。したがって、引き続き「宇部市地域公共交通網形成計画」及びこれを具体化する「宇部市地域公共交通再編実施計画」に基づく路線再編を着実に進め、利便性の向上を図りながら、乗車効率の改善及び収入の確保を図る必要がある。

全体総括

人口減少、少子高齢化の進展により、今後も輸送人員の減少が見込まれる中、「使いやすく、持続可能な地域公共交通網」を形成するため、引き続き「宇部市地域公共交通網形成計画」及びこれを具体化する「宇部市地域公共交通再編実施計画」に基づく路線再編を着実に進め、事業規模の適正化を図る必要がある。また、給与の適正化等による人件費の抑制及び事務の効率化による固定費の削減、運転士の労働環境の改善策などを反映した経営戦略を平成30年度に作成し、事業の健全化に向けた事業運営を展開していく必要がある。

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