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景気回復を受けて、平成25年度以降は法人関係税等が増収となっており、基準財政収入額が増加していることから財政力指数は改善傾向にある。平成28年度をみると、財政力指数は対前年比で改善し0.51755となっている。平成25年11月に策定した「岡山県行財政経営指針」に続いて平成29年3月に策定した「岡山県行財政経営指針【平成29年3月版】」に基づき歳入確保に努めており、県税収入率の上昇など効果も表れていることから、引き続き歳入確保に向けた取り組みを継続する。
分母となる「経常的な歳入の一般財源」については、平成25年度は地方税等の増収及び臨時財政対策債の増加により、全体で約156億円の増となった。平成26年度以降は臨時財政対策債が減少しており、全体では、平成26年度が約23億円の増、平成27年度が約28億円の増にとどまり、平成28年度については、約63億円の減となっている。分子となる「経常的な歳出に充当した一般財源」については、社会保障関係費を中心とする補助費等の増加傾向により、平成28年度は約80億円の増となった。これにより、平成28年度の経常収支比率は対前年度比で3.2%上昇し、96.4%となった。今後も歳出削減等の取組を継続し、持続可能な財政運営に努める。
人口1人当たり人件費については、岡山県行財政構造改革大綱2008に基づく定員削減等により、抑制に努めていたところであるが、当該改革に基づく給与カットが終了した平成25年度以降増加傾向となっている。平成26年度以降は岡山県人事委員会勧告に基づき月例給等の引上げ改定を行っており、平成26年度と平成28年度で前年度よりも増加している。また、人口1人当たり物件費については、前年度と同水準であり、岡山県行財政経営指針【平成29年3月版】に基づき、内部管理経費の削減を図っている。人口1人当たり人件費・物件費等決算額は類似団体平均を上回る水準となっており、職員数の適正化や適切な給与決定、及び経費の縮減に努める。
平成24年度は給与改定・臨時特例法による国家公務員給与の減額措置のため、本県だけでなく、グループ平均をみても、ラスパイレス指数は高くなっている。平成28年度の指数は、前年度と同水準となっている。今後も、国や他の地方公共団体、民間との均衡原則等に基づき適切な給与決定を行う。
岡山県行財政構造改革大綱2008に基づき、最も効率的・効果的に事務事業を行うことが出来るスリムな組織体制を構築するため、平成20年の総定員に対して、平成27年4月までに1,233人の削減を目標として取り組んでおり、平成26年度で実質的には目標を達成した。平成28年度は、第4次分権一括法に基づき、小・中学校における教職員の給与負担を政令指定都市へ移譲することから、人口10万人当たり職員数は大きく減少している。今後も引き続き職員数の適正化に努める。
平成28年度は前年度と比較して0.7%と大きく下落している。岡山県行財政経営指針【平成29年3月版】においては、実質公債費比率が全国平均値を下回ることを目標としており、目標どおりの水準となっている。近年、改善傾向にあり、要因としては、臨時財政対策債を除く地方債に係る公債費が減少していることが挙げられる。また、臨時財政対策債の償還が増えてきていることから、算入公債費等が増加傾向となっていることも要因となっている。今後も岡山県行財政経営指針【平成29年3月版】において目標としている臨時財政対策債を除く実質プライマリーバランスの黒字の維持に努める。
近年は改善傾向にあった将来負担比率は、平成28年度は前年度と比較して2.5%悪化している。要因としては、法改正により設立法人以外の者に対する貸付金に係る負担見込額を将来負担額に算入することになったことなどが挙げられる。岡山県行財政経営指針【平成29年3月版】において、将来負担比率が全国平均値を下回ることを目標としており、今後も継続して地方債残高の縮減を図るとともに、歳入確保に向けた取り組みを継続する。
行財政構造改革大綱2008に基づき、職員数の削減、諸手当・旅費の見直し、臨時的任用職員の削減等に取り組んできた。職員数については、平成20年の総定員に対して、平成27年4月までに1,233人の削減を目標として取り組んでおり、平成26年度で実質的には目標を達成したところである。平成28年度は、1.1ポイント上昇しており、その要因として前年度の幹部職員定年退職の徹底により退職者数が増え、退職手当の増により人件費が増加したことなどが挙げられる。今後も職員数の最適化を図るとともに、適切な給与決定を行う。
内部管理経費の削減を図る一方、業務の効率化を進める中で、民間への外部委託等化を図っているところであるが、類似団体平均と比較すると高い水準となっている。岡山県行財政経営指針【平成29年3月版】の基本理念の一つである「コスト意識」の視点を持ち、今後も継続的に業務の見直しを行い、経費の削減を図る。
類似団体平均と比較すると低いものの、社会保障関係費については、高齢化等の進展により医療や介護に係る費用が増加傾向にあり、今後も増加が見込まれている。平成28年度は、0.3ポイント上昇しており、その要因として、難病医療費の増加などが挙げられる。国の動向も注視しつつ、岡山県行財政経営指針【平成29年3月版】に基づき、健康寿命の延伸や在宅医療の推進などにより、医療費の適正化を図り、社会保障関係費の適切な水準を維持する必要がある。
公共施設の老朽化に伴い、維持補修費が増大しつつある。岡山県行財政経営指針【平成29年3月版】に基づき、今後も増加が見込まれる維持修繕費・更新費の最小化・平準化を図るため、各種マネジメント手法を導入し、計画的な維持修繕や施設の長寿命化等、長期的な視点から適切な管理に取り組んでいく。
補助費等について、平成19年度から独立行政法人となった岡山県立大学、岡山県精神科医療センターに対する運営費補助金については、総額を抑制しており、特に岡山県立大学の運営費補助については、行財政改革の取組により、平成26年度以降、対前年度比2%程度を毎年減額することとしているが、依然として金額は大きい。また、高齢化の進展に伴う医療や介護に係る社会保障関係費の増に加え、平成26年度以降は、高等学校等就学支援金の制度変更及び学年進行の影響等により、平成27年度は前年度比で1.1%、平成28年度は1.2%上昇している。
行財政改革の中で地方債発行抑制に取り組んできた結果、臨時財政対策債に係る公債費は増加傾向にあるものの、それ以外の公債費については、減少傾向にある。また、平成30年2月の推計によると、平成27年度以降は、増加傾向にある臨時財政対策債を含めた県債残高全体でみても、緩やかな減少となる見込みであり、今後も岡山県行財政経営指針【平成29年3月版】に基づき、地方債残高の縮減に努め、公債費の適正化を図ることとしている。
高齢化の進展に伴う医療や介護に係る社会保障関係費の増、及び高等学校等就学支援金の制度変更及び学年進行の影響等により、補助費等の比率が大きく上昇している。また、公共施設の老朽化に伴う維持補修費も増大しつつある。それらの影響に加え、平成28年度については、前年度の幹部職員定年退職の徹底により人件費が増加し、公債費以外の比率が2.8ポイント上昇した。岡山県行財政経営指針【平成29年3月版】に基づき、引き続き持続可能な財政運営に向け取り組んでいく。
将来負担比率、実質公債費比率ともに、改善傾向にある。平成27年度は充当可能基金残高が減少したため、将来負担比率の改善率が鈍化し、グループ内平均値を上回っている。また、実質公債費比率は、グループ内平均値と比べ、改善しており、その主な要因としては、近年同水準で推移している元利償還金のうち、臨時財政対策債の償還に係る割合が増えていることが挙げられる。平成29年2月の推計によると、臨時財政対策債の残高は増加を続ける見込みだが、その他の県債残高は減少見込みであることから、県債全体では緩やかに減少していく見込みである。今後も岡山県行財政経営指針に基づき、地方債残高の縮減に努め、公債費の適正化を図るとともに、充当可能基金残高の増加を図ることとしている。
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