経営の健全性・効率性について
継続的に収益的収支比率が100%を下回っているが、これは現在、下水道整備を進めているため、施設整備にかかる投資の影響が大きな要因である。企業債務残高対策事業規模比率についても施設整備の影響によるため、経営の健全性面では、良くない状況が続いている。経費回収率が、全国平均より下回っており、現在の使用料では、使用料で回収すべき経費が賄われいないこと示しており料金改定の必要があることがわかる。汚水処理原価は、全国平均と比べて低くなっているため、汚水処理に係るコストが低くなっていおり、効率的な処理が出来ている。水洗化率も右肩上がりで上昇しており、9割以上が下水道に接続しており、下水道整備の効果が上がっている。
老朽化の状況について
管路の老朽化は、平成26年度より大きく伸びている。これは、下水道管渠の重要幹線の耐震化に着手し、耐震化に伴う管更生費の影響である。耐震化事業は概ね10年間で完成する予定でいる。昭和52年から下水道事業に着手しており、布設から30年が経過した管が増えている。老朽管を対象に長寿命化計画を策定し、カメラ調査を行い、老朽化箇所を順次改修している。今後も、管路の適正な維持管理として、老朽化対策費を継続して計上していく必要がある。
全体総括
経営の健全性は、下水道整備中であるため、施設整備費の割合が高く、経営の健全化は困難である。下水道整備は、環境保全を目的に町の政策事業であるため、施設整備は、国庫補助金や地方債、一般会計繰入金等を財源としている。施設整備の投資費を除く、維持管理にかかる経費は、基本として受益者の負担とするのが、適切と考えられる。今後、未普及対策としての面整備計画と施設の維持管理を踏まえた経営計画を策定し、収支比の改善に努めて行く必要がある。処理場の耐震化や設備更新に伴い汚水処理原価が上がる場合は、料金改定を視野に入れた経営計画を検討する必要がある。