収益等の状況について
①収益的収支比率は、新型コロナウィルスの感染拡大の影響による収益の減少の補填のため、他会計からの繰入れを行い83.6%となった。②の他会計補助金比率は①の繰入れによるもの、また、③の駐車台数1台当たりの他会計補助金額は63円となっている。(R3年の平均値は数値誤り)④売上高GOP比率及び⑤EBITDA額については、コロナ禍以前(~R01)と比べると低い数値となっているが、前年度比では改善の傾向。
資産等の状況について
⑦令和3年度の施設敷地の土地単価は、駅前近接の固定資産税の路線価で52,440円/㎡、相続税路線価で60,000円/㎡である。ある程度の正形地であるが、敷地及び施設は隣接する駅前ビルパレオ等の隣接施設と一体的に利用されている状況から、単独での他用途への転換は現実的ではないものと考える。⑧設備投資見込額は、駐車床面デッキプレートの修繕などで10,000千円が見込まれる。計画的に修繕を実施し、修繕費用の平準化を図る。
利用の状況について
⑪稼動率は、新型コロナウイルスの影響で減少傾向が続いているが、類似施設の平均値を上回る値で推移している。これは、駅周辺施設の利用者の時間利用に加え、隣接する駅前ビルパレオ、ホテル、店舗などの入居者、関係者などの定期利用による収入が全体の約50%以上を占めており、安定的な収入源となっていることが要因と考えられる。
全体総括
収入は「駐車場使用料」、支出は「施設管理費用、起債償還金」と、限定的な収支構造であり、このうち「施設管理費用」は人件費に係る支出が多くを占める状況である。一方、利用状況は施設の立地上の優位性により、安定的な使用料収入の確保は見込まれるが、上田駅や駅前ビル周辺施設の利用者は、ある程度の長い時間の駐車となっていることから、回転率を上げる方法での稼動率アップは見込めない。新型コロナの感染拡大により、新幹線利用者が減少している状況もあるため、駐車場利用者数は未だ減少傾向にある。今後、コロナ禍の状況を注視するとともに、引き続き人件費を含めた経常的な経費の削減と、計画的な修繕実施による費用の平準化を図り、収益の回復に努めたい。