収益等の状況について
収益的収支比率は100%を大きく下回っていますが、これは支出における地方債償還金の割合が大きいことが影響しています。ただし、平成29年度以降、償還金額が大幅に減少し、平成31年度に償還が終了することから、今後は黒字に転化する見込みです。赤字分については、同一会計となっている市営駐車場の黒字分を充てているため、一般会計からの繰入れは行っていません。売上高GOP比率及びEBITDAの数値は、共に類似施設の平均値を越え、高い数値で安定しています。しかし、今後老朽化が進む施設であることから、大規模な更新投資を行う必要が発生する可能性があるため、更なるコスト削減を進めながら、財源の確保を行っていきます。
資産等の状況について
建設に係る地方債については、平成31年度に償還が終了する予定です。設備投資は計画的に実施しており、平成30年度で予定している投資は全て完了します。それ以降の設備投資についても、向こう10年間の計画を策定していますが、現時点では当面の間、大規模な更新予定はありません。ただし、状況を見極めながら、更新計画の見直しを行い施設管理をしていくこととします。併せて更新投資に充てる財源についても計画的に確保していきます。平成30年度に経営戦略を策定する予定であり、その中で有形固定資産についてもしっかりと把握し、資産の適切な管理を行える体制を整えます。
利用の状況について
稼働率は、類似施設の平均値と比べ高い数値で推移しており、利用者からの需要が高い施設です。中心市街地の商業施設が集まる場所に位置することから、年間を通して利用者が多く、周辺商業施設のセール時や中心市街地でのイベント開催時には、稼動率が500%近くになる日があります。そのため、利用者の効用減少と収益機会の喪失、交通渋滞の発生等を回避するため、同地域にある他の市営駐車場と連携して効率的な駐車場の提供を行う他、交通政策の観点から市街地への車の流入を抑制する施策等を同時に進めていく必要があります。
全体総括
現状において、支出に占める地方債償還金の割合が大きくなっています。ただし、償還は計画的に進んでおり、施設は利用者の需要が高く収益性も高いことから、平成29年度以降は黒字に転じる見込みです。また、平成30年度に予定している経営戦略策定の中で、資産を正確に把握し、更新投資計画を立て、事業の安定性と経営基盤の強化を図っていきます。経営戦略策定の際には、本市の交通政策の展望として「過度な自動車依存からの転換」や「安全で歩きやすい街づくり」の実現を踏まえ、収益性のみに捉われない経営計画を策定します。将来的には、普通財産化し貸付、または民間への譲渡も視野に検討を行うものです。