経営の健全性・効率性について
経常収支比率は100%を上回っており、一般財源の余裕度が高いように見える。また、累計欠損比率も近年は0%で推移していて、料金回収率も近年上昇傾向にあり平成29年度は類似団体平均値を上回っている。しかし、料金回収率は100%に届かず、漏水等により有収率も減少している。そのため、実際は一般会計からの繰入金に頼る赤字経営であり、給水に係る費用を料金収入で賄えていない状態である。企業債残高対給水収益比率は過去5年間でみると減少傾向にあるものの、下水道整備に伴い更新した配水管の工事費に充てた企業債償還額が残っており、依然として他の類似団体の平均と比べると高い数値となっている。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率については全国平均、類似団体平均と比較すればまだ低いが年々増加傾向にある。平成29年度は管路更新率が類似団体平均値と比べると高いものの、過去5年間でみるとまだ類似団体に比べ更新率が低く管路の老朽化対策が急務である。給水収益の減少により、更新工事に充てられる予算が少なくなっているなかで、老朽化に備え計画的な更新をおこなう必要がある。
全体総括
人口減少に伴い、給水収益は減少傾向であり、今後も料金の増収は見込めない。また、今後老朽化した施設・設備の更新投資の増加も考えられるため、費用の増加が見込まれる。今後、長期的な視点での事業収支計画に基づき経営の健全化を図る必要がある。