経営の健全性・効率性について
単年度での収支を示す収益的収支比率が100%に満たず、赤字となっています。経営の改善に向け、料金収入を向上させるための取り組みが必要です。当町の経営状況を類似団体の平均値と比較すると、汚水1㎥を処理するために必要な経費を示す汚水処理原価は平成26年度時点で約188.7円と、類似団体の平均値である約184.8円とほぼ同水準です。また、それ以前の年度においても平均より低い水準で推移しており、経費については概ね適正な効率で経営ができていると考えられます。しかし、使用料の水準を示す汚水1㎥あたりの使用料単価は平成26年度時点で約133.7円に留まっています。そのため、使用料単価の汚水処理原価に対する比率を示す経費回収率も70.85%と、類似団体の平均値73.57%より低い水準となっており、料金水準の適切性に課題があると考えられます。つまり、経費は適正な水準にあるが、使用料単価が水準より低く、経費を回収できていないことが赤字の原因と分析できます。よって、健全な経営を実現するためには、経費を回収できる水準まで使用料単価を改善していくことが必要と考えられます。
老朽化の状況について
平成3年度より施設整備を開始しておりますが、老朽化状況については現時点で調査等が未実施となっております。今後は調査を含めた維持管理計画の作成について検討を進めます。
全体総括
単年度収支における赤字を解消するため、接続勧奨の推進と料金改定の両面から使用料収入の改善に向けた取り組みを進めます。当町は水洗化率が類似団体平均より低い水準にあり、下水道が利用できるようになったものの、未だ下水道に接続していない住民が多いと分析されます。下水道が利用できる区域の住民に対し、従来より実施してきた戸別訪問による接続勧奨をさらに推進することで、水洗化率、使用料収入の向上を図ります。同時に、料金の見直しについても検討を進めます。見直しにあたっては、近隣自治体や類似団体と比較し、使用者の負担増に配慮しながら、適正な水準の使用料収入に近づけることを目標とします。