経営の健全性・効率性について
本市では、平成28年4月1日から地方公営企業法を適用しました。前年度と比較して費用が減少したことから、経常収支比率は前年度対比プラス2.35ポイントとなり、引き続き100%以上を維持しています。また、経費回収率も前年度と同様に100%以上を維持し、汚水処理原価が回収できている状態です。しかし、流動資産と比べて多額な償還額の影響によって、流動比率は100%を大きく下回っています。また、企業債残高対事業規模比率は前年度と比較して企業債残高の減少、収益の増加によって良化したものの、類似団体と比べて依然高い数値であり、課題となっています。そのため、一般会計からの補助金への依存が強いことから、厳しい経営状況が続くと予想されます。
老朽化の状況について
下水道施設の管渠は、30年以上経過すると破損の危険性が高くなるといわれていますが、本市の下水道施設は昭和48年度から整備を行っているため、適正な維持管理や改築が必要となります。有形固定資産減価償却率は類似団体と比較して数値が低く、また、管渠老朽化率は0%であり、資産の老朽化度合いは良好といえます。老朽化対策としては、前年度に計画していた長寿命化計画を発展させたストックマネジメントに基づき施設を管理し、長期的な改築時期及び費用の平準化を図ります。
全体総括
本市の下水道事業は経営の健全性が改善傾向であるものの、将来的に厳しい経営状況が続くと考えられます。令和元年度には下水道使用料の改定を実施し、健全な経営を目指しています。公共下水道の水洗化率向上のため、広報活動や未接続世帯への個別訪問等を行い、公共下水道への接続促進を図ります。