経営の健全性・効率性について
本市では、平成28年4月1日から地方公営企業法を適用しました。経常収支比率は前年度とほぼ横ばいで、100%以上を維持しています。また、経費回収率は100%超となり、汚水処理原価が回収できている状態です。しかし、企業債残高が多く、高額な償還額の影響によって、流動比率は100%を大きく下回っています。また、企業債残高対事業規模比率は前年度と比較して企業債残高の減少、収益の増加によって良化したものの、類似団体と比べて依然高い数値であり、課題となっています。そのため、一般会計からの補助金への依存が強いことから、厳しい経営状況が続くと予想されます。
老朽化の状況について
下水道施設の管渠は、30年以上経過すると破損の危険性が高くなるといわれていますが、本市の下水道施設は昭和48年度から整備を行っているため、適正な維持管理や改築が必要となります。有形固定資産減価償却率は類似団体と比較して数値が低く、また、管渠老朽化率は0%であり、資産の老朽化度合は良好といえます。老朽化対策としては、長寿命化計画に基づく施設の延命措置を実施し、将来的な改築時期及び費用の平準化を図ります。
全体総括
本市の下水道事業は経営の健全性が改善傾向であるものの、将来的に厳しい経営状況が続くと考えられます。平成28年度に下水道使用料の改定を実施し、改定後は経費回収率が100%を上回りました。更に平成32年度からも改定を実施する予定であり、健全な経営を目指します。また、公共下水道の水洗化率向上のため、広報活動や未接続世帯への個別訪問等を行い、公共下水道への接続促進を図ります。