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平成27年度の財政力指数は、前年度と同数の0.87となった。平成27年度単年度で見ると、各費目ごとの増減はあるものの、基準財政収入額では、地方消費税率の引き上げの影響が平年度化したことによる地方消費税交付金の算定額の増等により増加となった。基準財政需要額は、減税補填債償還費等の減要因があるものの、人口減少等特別対策事業費の創設等により需要額においても増となった。結果、単年度の財政力指数は、基準財政需要額の増よりも、基準財政収入額の増が上回ったため、前年度を0.015上回る0.885となった。今後とも継続して税等の徴収率向上対策を中心とする歳入確保に努めていく。
経常一般財源は、法人市民税や固定資産税などの減により市税全体がマイナスとなったものの、地方消費税交付金が大幅増となったことなどにより5億8,464万円、2.2%の増となった。経常経費充当一般財源においては、物件費や扶助費、補助費等などの増により、3億7,219万円、1.4%の増となった。結果、経常収支比率は、経常経費充当一般財源の増を、経常一般財源の増が上回ったことにより、前年度比0.8ポイント改善し96.7%となった。今後も、青梅市行財政改革推進プランにもとづく、市税収納率の向上対策や事業の見直しを推進し、経常収支比率の改善に努めていく。
人件費は、定年退職手当などにより増加。また、物件費は、住民記録や税務処理などの基幹系業務システムの更新に係る経費や社会保障・税番号制度に関連するステム経費等の増加により2,069円の増となった。全国平均、東京都平均、類似団体との対比では、すべて平均を下回っている。今後も、青梅市行財政改革推進プランにもとづく、適正な定員管理や市施設の管理委託等について、仕様の見直しを行うなど、経費削減の努力を継続していく。
東京都に準じた給与構造の総合的見直しにより、平成26年度は2.4%減の100.4となったものの、平成27年度は、国との制度相違(現給保障の未実施)に伴い、0.2ポイントの増となった。今後も、民間の給与実態を反映した東京都人事院勧告に沿った見直しを実施していく。
普通会計部門職員が3名減となり、職員数は全国平均、東京都および類似団体平均のいずれも下回る数値となっている。今後も、より効果的・効率的な市政運営に努め、組織・機構の見直し等との整合性を図りつつ、指定管理者制度や外部委託、再任用制度を積極的に活用し、定員管理の適正化に努めていく。
元利償還金や病院事業・下水道事業の公営企業債の元利償還金に対する繰入金が減少。また、土地開発公社の償還が進んだことによる債務負担行為にもとづく支出額についても減少したことから、対前年比0.1ポイント減となった。今後、中心市街地活性化計画に掲げられた施設整備などが開始された場合は、多額の地方債発行が見込まれるため、事業の緊急性・費用対効果などを十分検証し、「経常的歳入に見合った財政規模」の実現を目指した財政構造の構築を推進する。
地方債現在高や職員の新陳代謝による退職手当支給予定額の減などにより、将来負担額が減少となった。充当可能財源等においても、充当可能基金などの減により減少となったものの、充当可能税源等が将来負担額を上回ったため、将来負担比率は算定されなかった。なお、比率を算定した場合、対前年0.2ポイント減の-1.3%であった。今後、中心市街地活性化計画に掲げられた施設整備などが開始された場合は、多額の地方債発行が見込まれるため、将来の過度な負担を抑制するよう、新規事業については、必要性などを厳しく見極め、既存事業の見直し・再構築を進めるなど、財政の健全化に努めていく。
職員給などの減などにより人件費充当一般財源が減となり、前年度と比較して0.7ポイント減の23.2%となった。類似団体の平均より低い水準にあり、都内の平均も下回る結果となった。引き続き、行財政改革推進プラン等に基づき、人件費関係経費全体について削減に努めていく。
物件費は、住民記録や税務処理などの基幹系業務システムの更新にかかる経費などの増加により、充当一般財源が増となり、前年度比で0.1ポイント増加し18.4%となった。都内平均をはじめ、類似団体・全国平均を上回っているため、今後も事務事業の見直しに努め、物件費の抑制に努めていく。
扶助費にかかる経常収支比率が、類似団体中最下位であり、全国および東京都の平均を上回っている。子ども子育て支援新制度による公定価格の上昇により民間保育所運営経費や障害福祉サービスの利用者増に伴う自立支援給付費の増などにより、扶助費充当一般財源が増となったためである。今後も少子高齢化に伴う扶助費の増加が見込まれるため、受益者負担の適正化や市単独事業の見直しなどにより、扶助費の圧縮に努めていく。
その他にかかる経常収支比率は、類似団体比較では低い水準にあり、全国および東京都平均を下回る結果となった。国民健康保険会計や介護保険会計等特別会計への繰出金は増加傾向にあり、経常経費の圧縮が難しい状況ではあるが、独立採算の原則に立った、公営事業会計の財政健全化を図り、普通会計の財政負担を軽減していく必要がある。
補助費等にかかる経常収支比率は、消防事務を東京都に委託していることや西多摩衛生組合等の一部事務組合に対する負担金、また、市が設置している病院への負担金等の増により、0.2ポイント悪化し、14.6%となった。類似団体、東京都平均、全国平均のいずれも上回っているため、「補助金等の見直し指針」にもとづき、費用対効果等を検証し、各種団体等への補助金、交付金の見直しを進めることにより、数値の改善に努めていく。
公債費にかかる経常収支比率が類似団体のみならず、全国平均より低くなっているのは、過去、投資的経費の一部について収益事業(競艇事業)からの繰入金によって、起債によることなく整備を進めてきたことによるものである。しかしながら、近年は、普通建設事業の抑制により建設地方債の新規発行は減少しているものの、臨時財政対策債を発行せざるを得ない状況であり、年々公債費は増加し経常収支比率は悪化傾向にある。今後も市債の新規発行は、将来の財政負担を考慮し、元金償還額を上回らないよう市債残高の縮減に取り組むとともに、地方債に依存しない財政運営に努めることにより公債費の抑制を図っていく。
公債費以外の経常収支比率について、類似団体、東京都平均、全国平均のいずれも上回っているのは、扶助費や補助費等にかかる経常収支比率が、類似団体等の平均よりも大幅に高くなっていることによるものである。今後も行財政改革推進プランに基づき、事業の廃止や縮減、統合を進め、「経常的歳入に見合った財政規模」の実現に取り組んでいく。
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