経営の健全性・効率性について
浅間上水道事業の経営の健全性については、②累積欠損金がなく、④企業債残高もありません。ただし平成27年度経常収支比率は91.35%で100%を切っていますが、これは26・27年度で設備更新を行い、経常費用が増加(簡易課税・消費税雑支出・税率改正)しているためです。③流動比率の平成26年度以降の大幅な低下の理由については、新会計制度移行により流動負債が増加したためです。しかしながら非常に健全性の高い水道事業と言えます。効率性については、給水区域内は全て別荘地のため、⑦施設利用率や⑧有収率が、類似団体と比較して低く効率性はあまり良くありません。⑥給水原価については、修繕費や動力費(ポンプ電気料)が増加傾向のため、年々上昇しており、それに伴い⑤料金回収率も低下傾向になっています。水道料金については、日本一高い水道料金となっていますが、上記の理由により、水道を利用する時期がほぼ夏季に限定され、年間を通じての収益が見込めないので、この水道事業を維持するためには、やむを得ないと考えます。
老朽化の状況について
事業開始が昭和40年代であり、すべての管路が法定耐用年数を迎え、②管路経年化率は100%となってしまいました。管路の修繕や維持管理を適切に行っていたため、定期的な管路の更新は今まで実施していませんでしたが、平成28年度に新水道ビジョン策定等に取り組んでおり、アセットマネジメントの導入により計画的な管路の布設替えを実施したいと考えています。※①の有形固定資産減価償却率の平成26年度の著しい増加については、新会計制度移行に伴う、みなし償却の移行処理によるもの。
全体総括
経営の健全性は非常に高いですが、管路の老朽化対策が今後の課題となります。一般会計からの繰入や、企業債残高もないため、給水収益の範囲内にはなりますが、平成28年度中に策定予定の新水道ビジョン及びアセットマネジメントを基に、施設・設備の更新や管路の布設替えを上手に行っていきたいと考えます。水道料金については、今後、経営戦略を策定する中で、実効性のある中長期的な事業経営計画を立てて、なるべく値上げしないようにして行きたいと考えています。