経営の健全性・効率性について
※令和2年度より地方公営企業法適用に移行。①経常収支比率は、前年度同様100%を上回っているが、今後も維持管理費用の効率化等を図り、収支の均衡を保つ必要がある。なお、前年度比で16ポイント上昇しているのは、特別損失に係る長期前受金の収益化を行った影響によるものである。③流動比率は、災害復旧工事関係の未払金が増加したこと等により、前年度比で12ポイント低下したが、100%を超えており、必要な支払資金は確保している。④企業債残高対事業規模比率は、類似団体に比して200ポイント程度大きいが、企業債償還に充当する使用料収入が少ないことが主な要因である。今後、使用料の単価改定等による収益増を検討するとともに、ストックマネジメント計画等に基づく適切な施設整備を行うことにより、比率の減少を図っていく。⑥汚水処理原価は、本県は他県に比して事業規模が小さく、年間処理水量が少ないため、平均値と比べ高水準となっているが、単価低減のため、今後、維持管理等の経費節減を図っていく必要がある。⑦施設使用率は、概ね類似団体平均値と同水準であり、過大な施設規模とはなっていないものと考えられる。⑧水洗化率は、概ね類似団体平均値と乖離が少ないが、引き続き水洗化率向上の取組を継続する必要がある。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、公営企業会計に移行し2年目となり、減価償却が進んだことから、前年度比3.7ポイント上昇したものの、類似団体に比しても数値が低く、法定耐用年数に近い資産が少ない状況にある。②管渠老朽化率、③管渠改善率については、実績なし。
全体総括
分析可能な各指標については、企業債残高対事業規模比率、汚水処理原価率が類似団体平均値と比べて高水準となっており、これらの低減に向けて、一層の費用縮減に加え、事業の広域化・共同化や接続率向上等による収益確保などの対策を検討していく必要がある。一方、その他の指標については、類似団体平均値とほぼ同水準である。令和2年度より公営企業会計を適用し、「経営戦略」を策定して計画的な経営に取り組んでいるが、今後も、収益確保や費用縮減の他、施設の老朽化状況などを適正に把握し、更新時期を適切に見極め支出の平準化を図るなど、一層経営の効率化に努め、持続的且つ安定的なサービスの提供を行うこととする。