経営の健全性・効率性について
本市工業用水道事業は、経常収支比率(①)、料金回収率(⑤)ともに100%を超えており、給水にかかる費用が給水収益によって適切に賄われている状況です。今後も、健全な経営を行うために、費用対効果を見極めた支出や経費削減を続け、更新投資等に充てる財源の確保に努めます。短期債務に対する支払能力を表す流動比率(③)については、100%を上回っており、短期的な支払能力については問題ありません。今後も流動資産の増加に努め、支払能力を維持する経営を行っていきます。企業債残高対給水収益比率(④)については、平成26年度で企業債を完済しているため残高はありません。引き続き、適切な投資規模による料金水準を保てるように努めます。給水原価(⑥)は、類似団体と比較して若干高い状況にありますが、適正な維持管理と効果的な費用等の支出を行い、投資の効率化を図ることを目指します。施設利用率(⑦)は、平均的に75%程度で利用されており、効率よく適正な規模であると思われます。収益性を表す契約率(⑧)は、5年間の平均が80%を超える比率となっており、また、類似団体の平均を上回っていることからも適正な施設規模と思われます。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率(①)は、償却対象資産の減価償却がどの程度進んでいるのかを示すものであり、本市工業用水道事業における比率は、類似団体とほぼ同様の数値となっております。今後、当該値の上昇が見込まれますので、管路や施設の更新といった投資を、計画的に行っていく必要があります。管路経年化率(②)及び管路更新率(③)については、法定耐用年数を経過した管路がないため、当該値は0%になります。
全体総括
当市工業用水道事業は、経常収支比率が100%以上であり、累積欠損金が無く、料金回収率も142%程度ありますので、経営の健全性・効率化の点からは、現状の工業用水道料金で十分運営出来る状況となっております。今後見込まれる老朽化した管路や施設の更新については、適切な時期に計画的に実施し、健全な経営が継続できるように努めます。