地域において担っている役割
県内唯一の精神科基幹病院として,(イ)精神科救急・急性期医療の提供(ロ)自立生活支援事業の実施(ハ)児童・思春期医療の提供(ニ)慢性重症者に向けた医療体制の整備等に取組み,県民に必要な医療・情報を提供するという役割を担っている。また,県の精神科救急システムについて,平成31年1月から365日24時間体制に移行し,その中心的な役割を果たしている。
経営の健全性・効率性について
令和3年度決算の経常収支比率は100%を超えているが,平均値を下回っている。一方,医業収支比率は平均値を上回っている。前年度は新型コロナウイルスの影響により病床利用率が低下したが,令和3年度は改善した。引き続き,経常収支比率・医業収支比率を向上させ,経営の安定化を図るために患者の確保及び費用の削減に,より一層努める必要がある。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は,令和3年度に一部建物等の修繕が完了したことにより,前年と比べて減少したと考えられる。しかし,病院の建設から40年以上が経過し建物全体の老朽化が進んでおり,建替までに必要最低限の修繕工事のみを行って現状維持している状況である。器械備品についても減価償却率が平均値を下回っているが,耐用年数を過ぎた機器も多く存在するので,更新について,計画的に費用対効果を意識しながら検討する必要がある。1床当たりの有形固定資産の金額は平均値を大きく下回っている。
全体総括
新型コロナウイルスの影響を受けた前年に比べ,病床利用率が上昇し,経常収支比率,医業収支比率とも改善した。引き続き,患者を確保し収益の増加につなげていくとともに費用を削減していく必要がある。また,建物・器械備品等の有形固定資産の老朽化が進んでいることから,診療に支障がないように最低限の修繕・更新を費用の削減と両立して行っていく必要がある。