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東日本大震災の復興事業の影響もあり、地方税や地方譲与税が増加したことによる基準財政収入額の増加等により、財政力指数は改善傾向にある。宮城県地方税滞納整理機構等の取組により、地方税の徴収率は増加傾向にあるが(平成27:98.3%→平成28:98.5%)、復旧・復興事業の進展に伴い、復興需要は今後減少することが見込まれることから、歳入確保策について検討していく必要がある。
平成24年度はグループ内平均を下回っていたが、平成25年度、平成26年度は臨時財政対策債発行額が減少した一方、公債費の増加等が影響し、それぞれ3.0ポイント、2.5ポイント上昇し、グループ内平均を上回った。平成27年度は税収の増加等により2.3ポイント改善しグループ内平均と同一となり、平成28年度は臨時財政対策債は減少したものの、税収の増加や公債費の減等により、わずかながら改善した。しかしながら、未だ95%を超過し、財政の硬直化が継続しており、経常的経費の抑制や安定的な一般財源の確保に一層努めていく必要がある。
人口1人当たり人件費・物件費等決算額がグループ内平均を大きく上回っているのは、東日本大震災に対応した物件費が主因であり、がれき処理に要する経費である災害等廃棄物処理事業費や応急救助費等の大幅な増加によるものである。復旧・復興の進展により、物件費の大宗を占めていた災害廃棄物処理事業費は平成25年度をピークに減少に転じ、平成27年度には皆減となり、応急救助費の減少も続いていることから、平成25年度から平成28年度にかけて減少している。
平成24年度の高指数は、国の給料削減の終了、県の一般職員よりも平均給料が低い特定業務等従事任期付職員の増加等の影響で解消された。平成27年度は、人事委員会勧告に基づき、民間較差解消のため国の給料月額に一定率を上乗せする水準調整の実施等により数値が上昇した。平成28年度も平成27年度同様に水準調整を実施したほか、退職と採用による職員構成の変動等により0.1ポイント上昇した。依然、グループ内平均を下回る状況だが、今後も人事委員会勧告を踏まえ、国及び他都道府県の動向を分析して適切に対応する。
「宮城県新定員管理計画」(平成23~平成26年度)により職員数削減の目標を設定していたが、膨大な復旧・復興事業を推進するため、職員数の削減は行なわず、その削減予定分であった人員を復旧・復興業務に充てた。その後、新たに定めた「宮城県定員管理計画【再生期】」(平成27~平成29年度)では、職員数の現状維持を目標としたところである。なお、平成28年度における職員数減の主な要因は、政令市への権限委譲に伴う県費負担教職員数の減員に伴うものである。今後も適正かつ合理的な定員の管理に努めていく。
平成24年度はグループ内平均を上回っていたが、平成25年度に定時償還に係る元利償還金の減少等により0.8ポイント減少し、グループ内平均と同一となった。平成26年度も標準財政規模の拡大等により基準財政需要額が増加したため改善が図られたが、平成27年度、平成28年度は満期一括償還地方債の元金償還金の増加等の影響によりそれぞれ0.4ポイント上昇した。今後も県債発行の抑制や公債費の平準化に努め、適正な水準となるよう配慮していく。
平成25年度まではグループ内平均を上回る水準であったが、平成26年度は、地方債現在高の減や支給水準の引き下げによる退職手当額の減等により、前年度から54.2ポイント減少となりグループ内平均を下回るまで改善した。平成27年度、平成28年度は、地方債現在高の減や対象者数の減による退職手当額の減等により前年度からそれぞれ15.4ポイント、1.9ポイント減少した。今後も継続して将来負担に配慮した財政運営に努めていく必要がある。
人件費は、東日本大震災の復旧・復興に関連する人件費の増加の影響により、平成23年度以降の比率はグループ内平均を常に上回っており、グループ内でも低い順位となっている。平成28年度は人事委員会勧告に基づく民間較差解消のための勤勉手当支給月数の増加等によりわずかに増加したものの、平成24年度以降は減少傾向にあり、復旧・復興事業の進捗により、震災関連の人件費の比率は今後も減少すると見込まれる。
物件費は、平成24年度以降、一貫してグループ内平均を上回る比率で推移しており、グループ内順位も低い状況である。その主な経費はシステムや公共施設等の維持管理費などであることから、それらの効率的な予算執行に努めていく。
扶助費は、各年度ともグループ内平均とほぼ同水準の比率であることから、本県の社会保障関係の需要が全国的なトレンドと同様の傾向で推移していることがわかる。今後も引き続き社会保障関係経費が増加していくことを想定し、各種制度の適切な運用に努めていく。
その他の経費は維持補修費と貸付金である。平成24年度以降は、東日本大震災の復旧・復興に要する経費執行のため、その他の経費は抑制傾向にあったが、平成27年度にはグループ内平均と同水準となった。平成28年度は微増となりグループ内平均を上回った。その要因は維持補修費の増加であるが、その必要性の検討を引き続き行い、適切な財政運営に努めていく。
補助費等は、平成24年度以降、各年度ともグループ内平均を下回っているが、増加傾向にある。その主たる要因は社会保障関係経費の増大であり、高齢化に伴う国民健康保険事業や介護保険事業に係る被保険者数の増加等が影響している。今後も引き続き社会保障関係経費が増加していくことを想定し、各種制度の適切な運用に努めていく。
公債費は、平成24年度以降、償還計画に基づく元利償還金の計上による変動がみられるものの、常にグループ内平均を下回る比率で推移している。これまで新発債を伴う投資的経費の抑制を図っていることから、この取組を継続していけば、長期的には公債費は減少傾向になると見込まれる。さらに今後も公債費の平準化や金利負担の軽減に努めていく。
公債費以外の経費は、平成27年度は人件費での比率の減少が起因し比率の改善が見られるものの、それ以外の年度については補助費等が毎年度悪化しているため、公債費以外の経費全体としても悪化している。経常的経費の計画的な抑制や安定的な一般財源の確保に一層努めていく必要がある。
将来負担比率は平成25年度までは類似団体と比較して高い水準にあったが,その後,類似団体を下回る水準まで低下した。低下の主な要因としては,地方債の新規発行を抑制していることである。実質公債費比率は平成25年度及び平成26年度は類似団体と比較して同程度または低くなっているが,それ以外の年度は類似団体を上回っている。このことの主な要因は元利償還金の増加である。将来負担比率の低下に応じ今後の傾向としては低下していくものと見込まれる。今後も公債費負担の平準化に努めた上で、適正な水準となるよう配慮していく。
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