経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は100%を下回っており、昨年と比べても低下しているため、不足分を一般会計からの繰入金によって補填している状況にある。企業債残高対事業規模比率は昨年よりやや減少しているが、今年は類似団体の約8倍であり、事業規模を大きく上回る企業債残高である。経費回収率は類似団体とほぼ同様の値であり、汚水処理費が減少したことで昨年と比較すると増加しているものの、100%以下となっているため経費を使用料で賄えていない現状である。処理区域内は世帯数の減少と高齢世帯の増加により、大幅な料金収入の増加が見込めない状況にあるため、使用料や汚水処理費等の見直しを検討していくことも必要と考えられる。施設利用率、水洗化率はともに類似団体を大きく下回っており、施設が過大なスペックとなっている。今後は、規模の縮小や近隣施設との共同処理等も検討していく必要があると考えられる。
老朽化の状況について
供用開始から10年以上が経過しており、平成29年度にストックマネジメント計画を策定し、各施設の長寿命化を図っている。施設改築等の財源の確保や経営に与える影響等を踏まえた分析を行った上で、施設の改築や点検・調査等を進めていく。管渠については耐用年数が50年のため、現状では更新しない予定である。
全体総括
多額の企業債残高により収入の大部分を一般会計からの繰入金が占めていることや施設の維持管理費の増加等によって、非常に厳しい経営状態であるため、使用料や汚水処理費等の見直しを検討していくことが必要だと考えられる。現状を把握し、将来の見込み等を踏まえた上で、経営改善に向けた取り組みを行っていく。施設の老朽化による改築については、ストックマネジメント計画に基づきながら計画的に更新し、電気・機械設備等の長寿命化を図っていく。