経営の健全性について
①経常収支比率運賃収入や市の補助金などの収益で、人件費や燃料費、支払利息などの費用をどの程度賄えているかを示す指標です。いずれの年度も100%を超えており、黒字で推移しています。②営業収支比率運賃収入など営業活動から生じる収益で、人件費や燃料費などの営業費用をどの程度賄えているかを示す指標です。概ね80%前後の数値となっており、公営企業平均値を下回って推移しています。③流動比率短期的な債務を支払うための現金などがどの程度あるかを示す指標です。年々数値が上昇し、平成27年度は200%を超え良好な状況です。④累積欠損金比率事業の規模に対する累積欠損金の状況を示す指標です。市営バスは平成27年度に累積欠損金が消失したため0%となりました。⑤利用者1回当たり他会計負担額利用者がバスを1回利用するに当たり、市本体がどれだけ負担しているかを示す指標です。51円から61円の範囲で推移しており、公営企業平均値を大きく上回る数値となっています。⑥利用者1回当たり運行経費利用者がバスを1回利用するに当たり、費用がどれだけかかっているかを示す指標です。平成26年度には増加に転じ、平成27年度は209.2円です。公営企業平均値を上回っている状況です。⑦他会計負担比率市本体の負担によって費用がどの程度賄われているかを示す指標です。平成27年度は28.8%です。公営企業平均値を大幅に上回って推移しています。⑧企業債残高対料金収入比率運賃収入に対する、資産購入のために調達した企業債の残高の割合です。近年、老朽化したバス車両などの更新を行っているため、数値が年々上昇しています。⑨有形固定資産減価償却率償却対象有形固定資産の減価償却がどの程度進んでいるかを示す指標です。新たに資産を購入すると数値が下がるため、今後のバス車両の更新により数値が減少していくことが見込まれます。
経営の効率性について
①走行キロ当たりの収入バスの運行1キロ当たりでどれだけの収入をあげているかを表しています。400円程度で推移しており、民間事業者平均値より高い数値となっています。②走行キロ当たりの運送原価バスの運行1キロ当たりでどれだけの経費がかかっているかを表しています。375円から405円の範囲で推移しており、民間事業者平均値より高い数値となっています。③走行キロ当たりの人件費バスの運行1キロ当たりでどれだけの人件費がかかっているかを表しています。230円から247円の範囲で推移しており、民間事業者平均値より高い数値となっています。④乗車効率バスの定員に対しどの程度乗車しているかを示す指標です。概ね10%弱で推移しており、公営企業平均値を大幅に下回る数値となっています。
全体総括
市営バスは、昭和7年の創業以来、公共交通としての役割を果たしていますが、バス利用者及び運賃収入が年々減少しています。市から補助金の交付(約4億円)を受けて黒字で推移していますが、運賃収入のみでは人件費や燃料費などの物件費を賄うことができない状況です。また、過去の流動比率がマイナスであった時期に、資金不足状態の解消を優先して新規のバス車両の更新を抑えた結果、現在は車齢20年以上の老朽化したバスが半数を占める状況となっており、早急に設備の更新を進める必要があります。今後は、乗客の皆様が利用しやすいバスダイヤを編成することやサービス向上に努めることで、バス利用者及び運賃収入の減少傾向に歯止めをかけるとともに、広告事業などの運賃収入以外の収入の増収に努めます。また、一部業務を委託することや中古バス車両を購入するなど、更なる経費節減にも努めます。平成30年度を目途に経営戦略を策定する予定ですが、より一層の経営改善に取り組み、将来にわたって市営バスの運行サービスを安定して提供できるように努めてまいります。