経営の健全性・効率性について
経営の健全性・効率性については類似団体平均より悪い指標となっております。これは特環区域が極めて限定的で、区域内人口が少なく、収入も少ない事に起因するものです。現状としては、起債元金の償還が始まり、収入に対して費用が大きくなったため汚水処理原価が高く、経費回収率が低い状況となっております。また、起債償還が開始して間もない状況のため、企業債残高対事業規模比率も高い状況となっており、経営の健全性・効率性は悪い指標となっております。今後について、管渠整備は令和2年度で整備完了しております。よって整備に係る費用の発生はありませんが、水洗化人口もこれ以上増加する見込みがなく、それに伴い下水道使用料収入も大幅な増加は見込めない状況となっております。そのため、今後も一般会計繰入金に依存する状況がしばらく続く見込みです。このため公共下水道事業の運営状況や一般会計の運営状況を見つつ料金改定等の財源確保の対策を行う必要があります。処理場施設の利用状況については、公共下水道事業の処理場により処理を行っており、両事業合わせての利用率が施設利用率は80%を超えており、適切な数字ではありますが、近年不明水の流入の疑いがある箇所が増加しており、管渠調査を行う必要性があると考えております。
老朽化の状況について
特定環境保全公共下水道の老朽化に関しては、汚水処理場は公共下水道の施設に接続しているため、対象となるのは管渠のみとなります。管渠は平成28年度より建設が始まり、標準耐用年数が50年のため、当面は老朽化の問題はありません。
全体総括
これからは本格的に起債償還が開始され、それに伴い費用が増加しますが、収入の大幅な増加は見込めなく、経営状況の改善は厳しい状況が続きます。そのため、一般会計繰入金の依存率も大きくなると考えられます。今後は、経費の見直しをして、少しでも一般会計繰入金を少なくする努力を行い、財政状況によりますが、料金改定も視野に入れつつ運営を行う必要があります。また、事業規模が極めて小さい事から、下水道事業特別会計の法適化を行う際に、公共下水道事業との統合も検討いたします。