経営の健全性・効率性について
①収益と費用の比率を表す。ほぼ100%となっており、前年比11.6ポイントほど改善されて良好と言えるが、やはり類似団体より低いので更なる経営改善努力が必要。②欠損金の有無を表す。昨年比大幅に減少した大きな理由は、資本金に整理していた資産の内、一般会計等の補助金で賄われたものについては、資本剰余金に整理したことにより、他未処分利益剰余金変動額がゼロになった事による。結果、類似団体より低く良好な状態だが欠損金が生じないようさらに努力が必要。③1年以内に支払うべき債務に対する支払い能力を表す。全国平均、類似団体と比較しても高水準を維持しているので良好と言える。④企業債残高の規模を表す。新規の借り入れもなく順調に償還を進めている。⑤料金水準等が適切かどうか等がわかる。前年比12ポイント以上改善しており、一般会計からの基準外繰出しもないため健全な料金水準と判断できる。⑥収益にあがった水量1㎥あたりどれだけの費用がかかているのかを表す。全国平均、類似団体よりも高い数値なので、利用者へのサービスを低下させず、更なる経費削減等をして改善しなければならない。⑦施設の規模が適正であるか、また効率的か等が判断できる。類似団体を上回り全国平均並みに運用しているので適正であると言える。⑧購入又は浄水し配水している水道水が、収益に反映されている割合を表す。依然目標とする数値の90%に満たないので更なる原因究明への努力が必要。
老朽化の状況について
①文字通り固定資産の減価償却がどの程度進んでいるかを表す。平成26年度のみなし償却廃止に伴い償却率が高くなっている。②の管路経年比率及び③の管路更新比率も関連してくるので合わせて分析する。①の減価償却率は高いが、②の管路経年率は低い、この関係は管路の更新時期(耐用年数満期)の固定資産は無いが、多くの固定資産の減価償却は進んでいるので、今後、耐用年数満期を迎える固定資産が急激に増加する事が予想される。これを考慮に入れて更新計画を立てなければならない。③の管路更新率も同様である。
全体総括
経営比較分析の結果、本村の水道事業経営は概ね良好な状態にあると判断できます。しかし、人口減少や給水量の減少で収益は上がらず、依然経営は厳しいという現状です。利用者への負担がこれ以上大きくならぬよう、有収率を向上させる努力が必要です。また、施設更新については一般会計と連携しながら推進していきます。