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景気拡大に伴う県税収入の増加により基準財政収入額が年々増加し、近年、財政力指数は上昇傾向にある。平成27年度にEグループからDグループに移った。これまで行財政改革プランに基づき県税の徴収対策の強化等による歳入の確保や県単補助金の見直し等による歳出削減を実施してきているが、今後も引き続き歳入・歳出両面の見直しを継続して進めるとともに、産業振興施策に重点的に取り組むことにより、安定的な税源涵養を図っていく。○基準財政収入額84,219百万円(平成25)→113,021百万円(平成29)
景気拡大に伴う県税収入の増加により、経常一般財源は一定程度確保されているものの、人件費等の義務的経費の増や社会保障関連の補助費等の増により、経常収支比率はグループ内平均より高い水準となった。今後も社会保障関連経費については増大が見込まれることから、県税の徴収対策の強化や新たな財源の確保、県単補助金の見直し等に取り組むことで、歳出と歳入のバランスがとれた持続力のある財政基盤の確立を目指していく。
平均給与月額(一般行政)は全国と比べて低い水準にあるが、島しょ県である本県の特性に起因して、人口あたり教育部門職員数が多いこと等により、人口1人当たり経費は全国平均を上回っており、グループ内でも高い水準に位置している。なかでも、本県の重点施策の一つである観光関連施策の推進により、物件費(委託料)が高い水準で推移している。今後も、定員や給与の適正化を進めるとともに、本県が描く将来像の実現と本県固有の課題解決に向けた行政運営を行っていく。○平均給与月額(一般行政)(総務省平成29年地方公務員給与実態調査)沖縄県365,808円(全都道府県最下位)全国平均410,823円
平成27年度からの給与制度の総合的見直しの実施やこれまでの給与適正化の取組み等に伴い、平成29年4月1日現在のラスパイレス指数は98.8となった。平成28年と同値となっており、都道府県平均では1.4ポイント、類似団体平均では0.4ポイント下回っている。今後とも、人事委員会の勧告及び国並びに他の都道府県の状況等を踏まえた適正な給与管理に努める。
平成25年度までは、新沖縄定員管理適正化計画(計画期間:平成15年度~24年度)に基づき、目標(470人純減)を上回る673人の削減を実施したが、国の法令等により配置基準が定められている教育部門と警察部門の増加や一般行政部門の行政需要の増加により職員数が増加している。今後は、知事部においては、平成29年度に策定した沖縄県職員定員管理基本方針に基づき行政需要及び財政状況を見極め適切に対応し、知事部以外においても、当該方針を参考のうえ、適切な定員管理に努める。
沖縄振興特別措置法等に基づく補助率の特例措置(高率補助)により事業費に対する県負担が小さく、県債発行額が抑制されているため、実質公債費比率の分子である元利償還金が抑えられている。また、景気拡大に伴う県税収入の増加により、実質公債費比率の分母である標準財政規模は増加傾向にあり、その結果、実質公債費比率は、類似団体平均、都道府県平均を下回っている。今後も、県債発行額の抑制に努めること等により、持続可能な財政基盤の確立を目指していく。
行財政改革の一環で、職員の定数管理や県債発行額の抑制に努めてきたことにより、将来負担比率の分子である地方債現在高は減少傾向にある。また、景気拡大に伴う県税収入の増加により、将来負担比率の分母である標準財政規模は増加傾向にあり、その結果、将来負担比率は年々低下している。今後も、定員の適正化や県債発行額の抑制に努めること等により、持続可能な財政基盤の確立を目指していく。○標準財政規模353,277百万円(平成25)→373,832百万円(平成29)
平均給与月額(一般行政)は全国と比べて低い水準にあるが、島しょ県である本県の特性に起因して、人口あたり教育部門職員数が多いことにより、経常収支比率における人件費の比率は全国平均を上回っている。今後とも、定員や給与の適正化を進め、歳出と歳入のバランスがとれた持続力のある財政基盤の確立を目指していく。○千人あたり教育部門職員数沖縄県9.6人(全国第4位)全国平均7.5人
予算編成方針において、旅費、需用費等の事務的経費に要求基準を設け、事務的経費の節減・合理化に努める一方で、経常収支比率における物件費の比率は、教育費や警察費における経常経費充当一般財源等が大きくなっていることもあり、近年上昇傾向にある。
高い保護率により生活保護費が高い水準となっていることで、経常収支比率における扶助費の比率が高くなっている。今後も社会保障関連の扶助費の増大が見込まれていることから、事務及び事業の適切な実施を行うとともに、県税の徴収対策の強化等による歳入の確保に取り組むことで、持続可能な財政基盤の確立を目指していく。○生活保護の保護率(平成29)21.6‰(パーミル千分率)
県単独融資制度による各種貸付(短期運転資金、資金繰り円滑化借換資金、小規模企業対策資金、創業者支援資金、ベンチャー支援資金など)を行い、中小零細企業の支援の推進に伴う貸付金の増により、類似団体の中でも高い水準となっている。
高齢化の進行や子ども・子育て支援施策等による社会保障関係費の増に伴い、補助費等は増加傾向にある。今後も一層の増加が見込まれるため、事務及び事業の適切な実施を行うとともに、県税の徴収対策の強化等による歳入の確保に取り組むことで、引き続き持続可能な財政基盤の確立を目指していく。
沖縄振興特別措置法等に基づく補助率の特例措置により事業費に対する県負担が小さく、県債発行額が他都道府県に比べ抑制されているため、経常収支比率における公債費の比率は低い水準で推移している。今後も、県債発行額を抑制するとともに、金利動向等を踏まえた借換えなどを行い、金利負担の軽減を図る。
社会保障関連の補助費及び扶助費が年々増加しており、公債費以外の経常収支比率は高い水準にある。そのため、県税の徴収対策の強化や新たな財源の確保、県単補助金の見直し等に取り組むことで、歳出と歳入のバランスがとれた持続力のある財政基盤の確立を目指していく。
(増減理由)好調な景気を反映して県税収入が増加する一方で、社会保障関係経費や教職員等の人件費に係る経常一般財源の増加により、財政調整基金及び減債基金で約36億円の減少、その他特定目的基金では、県有施設整備基金で約12億円の減少となるなど、全体として約62億円の減少となった。(今後の方針)ここ数年は決算において県税収入の上振れによる財政調整基金等の取り崩しの減が生じる一方で、当初予算編成においては引き続き収支不足が生じることが見込まれるから、社会保障関係経費の動向や老朽化施設の整備計画等を踏まえ、一定程度の基金残高を確保していくことが必要であると考えている。
(増減理由)社会保障関係経費や教職員等の人件費に係る経常一般財源の増加に対応したため、約6億円の減少となった。(今後の方針)災害等の緊急事態、想定外の歳入減などへの備え、社会保障関係費の増に対応するための財源確保など、安定的な財政運営を確保し、県民サービスを維持するため、さらには今後も継続して生じることが見込まれる予算編成過程における収支不足に対応するため、一定額を確保する必要がある。
(増減理由)県債の償還財源の一部に充てたため、約30億円の減少となった。(今後の方針)経済情勢の変動等による財源不足等への対応及び将来の公債費に備え、一定程度の基金残高を確保していく。
(基金の使途)・県有施設整備基金:県の庁舎その他の県有施設の整備資金に充てるための基金。・産業振興基金:本県産業の技術革新、高度情報化、国際化等への適切かつ円滑な対応を促進し、もって産業の振興を図るための基金。・特定駐留軍用地等内土地取得事業基金:特定駐留軍用地及び特定駐留軍用地跡地内における土地の取得を目的として、県が行う事業の費用の財源に充てるための基金。(増減理由)・国民健康保険財政安定化基金:国の補助金約27億を積み立てたことによる増加。・県有施設整備基金:県管理空港や県立高等学校改築等の県有施設整備に充てるため、約12億を取り崩したことによる減少。(今後の方針)・国民健康保険財政安定化基金:平成30年度中に国庫補助金を約4.5億積み立てる予定である。・県有施設整備基金:老朽化した県有施設の計画的な更新等に備えるために、今後3年程度かけて一定程度積み増すことを検討している。
本県の有形固定資産減価償却率は、類似団体及び都道府県平均と比較してやや低い水準にあるが、上昇傾向にある。今後は、平成28年12月に策定した「沖縄県公共施設等総合管理計画」に基づく、施設類型ごとの個別施設計画を策定し、計画的な改修等による長寿命化対策などを実施していく。
平成28年度と比較すると、将来負担比率は低い水準を維持しているが、有形固定資産減価償却率は1.0ポイント高くなっている。類似団体及び都道府県平均と比較すると、将来負担比率及び有形固定資産減価償却率ともに低い水準となっている。今後、想定される老朽化施設の更新に備え、引き続き、定員の適正化や県債発行額の抑制に努めること等により、持続可能な財政基盤の確立を目指していく。
行財政改革の一環で、職員の定数管理や県債発行額の抑制に努めてきたことにより、将来負担比率の分子である地方債現在高は減少傾向にある。沖縄振興特別措置法等に基づく補助率の特例措置(高率補助)により事業費に対する県負担が小さく、県債発行額が抑制されているため、実質公債費比率の分子である元利償還金が抑えられている。また、景気拡大に伴う県税収入の増加により、将来負担比率及び実質公債費負担比率の分母である標準財政規模は増加傾向にあり、その結果、類似団体平均、都道府県平均を下回っている。今後も、定員の適正化や県債発行額の抑制に努めること等により、持続可能な財政基盤の確立を目指していく。