熊本県:工業用水道事業

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経営比較分析表(2020年度)

経営の健全性・効率性について

本県では、有明工業用水道、八代工業用水道及び苓北工業用水道の3つの工業用水道を運営している。産業構造の変化により、予定した重厚長大型の企業立地が思うように進まず、有明、八代では多量の未利用水を抱え、3工水全体では赤字経営となっている。●経常収支比率経常損益は、八代及び苓北が黒字であるが、有明の赤字幅が大きく、工水全体では赤字となり、経常収支比率は100%を下回っている。●累積欠損金比率累積欠損金は、有明の赤字幅が大きく、工水全体では増加傾向にあるが、営業収益が微増傾向にあるため、累積欠損金比率は微減傾向となっている。●企業債残高対給水収益比率企業債残高の多くを有明が占めているが、償還が順次終了してきているため企業債残高対給水収益比率は減少傾向にある。●料金回収率3工水とも、収支改善策として料金改定を数回行っているが、料金回収率は100%を下回っている。●施設利用率・契約率苓北は100%近い契約率になっているものの、有明、八代は多量の未利用水を抱えているため、3工水全体では、施設利用率・契約率ともに平均値を下回っている。

老朽化の状況について

3つの工業用水道のうち、最も古い有明は昭和50年に供用を開始し、現在40数年経過している。このため、施設の老朽化が進み、管路も含めて法定耐用年数を超えているものがある。そこで、国のアセットマネジメント指針に基づき「施設更新計画」を策定しており、計画的な更新を進めている。平成27~28年に実施した管路更新は、八代において漏水が多発した導水管を耐震化したことによるもの。なお、耐震化を実施していたため、熊本地震(平成28年4月)において、漏水は発生しなかった。

全体総括

有明と八代は、多量の未利用水を抱えている。特に、有明は水利権取得に伴うダム建設負担金等が経営を圧迫しており、厳しい経営環境下にある。これまで、「熊本県企業局経営基本計画(第4期)」および「熊本県企業局有明工業用水道事業経営再建計画」に基づき、経営改善の取組を着実に進めてきたが、有明及び八代については、施設の老朽化が進み、今後、施設の更新・改修が必要となっている。令和2年3月に策定した第5期経営基本計画である「熊本県企業局経営戦略2020」に基づき、水需要の開拓等による増収、令和3年度からのコンセッション方式の導入や適正な施設の維持管理等による経費節減等により、黒字化を目指すこととしている。

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