熊本県:工業用水道事業

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経営比較分析表(2021年度)

経営の健全性・効率性について

本県では、有明、八代及び苓北の3か所で工業用水を供給している。産業構造の変化により、予定した重厚長大型の企業立地が思うように進まず、有明及び八代工水では多くの未利用水を抱え、3工水全体では赤字経営となっている。経営改善策の一環として、令和3年4月から、有明及び八代工水に公共施設等運営権(コンセッション)方式を導入した。●経常収支比率微増となったものの平均値を下回り、100%を下回っている。●累積欠損金比率有明は赤字のため累積欠損金は増加傾向であるが、八代は近年黒字のため減少傾向、苓北は利益剰余金を計上しており、全体では減少傾向となっている。●企業債残高対給水収益比率企業債残高の多くを有明が占めているが、順次償還が終了してきており、減少傾向にある。●料金回収率八代及び苓北は増加傾向にあり100%を超えているが、有明の料金回収率が低く、全体として100%を大きく下回っている。●契約率有明及び八代では契約水量が増加した。なお、苓北は100%近い契約率になっているものの、有明及び八代は多くの未利用水を抱えており、全体では、施設利用率・契約率ともに平均値を下回っている。

老朽化の状況について

昭和50年に供用開始し、40数年が経過した有明をはじめ3工水の施設の老朽化が進み、管路も含めて法定耐用年数を超えているものもある。●管路更新率管路について、平成28年度に策定した「熊本県工業用水道施設更新計画」において老朽度などの評価を行い、健全性を確保していることから更新を行っていない。

全体総括

令和2年3月に、第5期経営基本計画である「熊本県企業局経営戦略2020」を策定し、水需要の開拓等による増収や適正な施設の維持管理などによる経費節減などにより、黒字化を目指すこととしている。なお、令和3年4月からは、有明及び八代にコンセッション方式を導入しており、運営権が設定された施設については、運営事業者が計画的に老朽化設備の更新を行い、適切な施設管理を行うこととしている。また、運営事業者のノウハウを生かした効率的な運営やモニタリングによる効果検証等を踏まえ、安定した事業経営につなげていく。

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