熊本県:工業用水道事業

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経営比較分析表(2018年度)

経営の健全性・効率性について

本県では、有明、八代、苓北の3か所で工水を供給している。産業構造の変化により、予定した重厚長大型の企業立地が思うように進まず、有明、八代では多量の未利用水を抱え、3工水全体では赤字経営となっている。経常収支比率は平均値を下回り、100%を下回っている。累積欠損金比率は、有明が赤字のため累積欠損金は増加傾向であるが、八代は近年黒字のため減少傾向、苓北は利益剰余金を計上しており、全体では微減傾向となっている。企業債残高対給水収益比率は、主に有明において多額の企業債を借り入れているため、平均値よりも高くなっているが、償還に伴い減少傾向にある。収支改善策として、料金改定を3工水とも数回行っているが、料金回収率は100%を下回っている。苓北は100%近い契約率になっているものの、有明、八代は多量の未利用水を抱えているため、3工水全体では、施設利用率・契約率ともに平均値を下回っている。

老朽化の状況について

本県の3つの工業用水道のうち、最も古い有明は昭和50年に供用開始し、現在40数年経過している。このため、施設の老朽化が進み、管路も含めて法定耐用年数を超えているものがある。そこで、国のアセットマネジメント指針に基づき「施設更新計画」を策定しており、計画的な更新を進めている。平成26~平成28年の管路更新は、八代において漏水が多発した導水管を耐震化したことによるもの。なお、耐震化を実施していたため、熊本地震(平成28年4月)において、漏水は発生しなかった。

全体総括

有明と八代は、多量の未利用水を抱えている。特に有明は水利権取得に伴うダム建設負担金等が経営を圧迫しており、厳しい経営環境下にある。「熊本県企業局経営基本計画(第四期)」および「熊本県企業局有明工業用水道事業経営再建計画」に基づき、経営改善の取組を着実に進めてきたが、有明及び八代については、施設の老朽化が進み、今後、施設の更新・改修が必要となっていることから、令和3年度からの公共施設等運営権(コンセッション)制度導入を目指し手続きを進めている。

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