経営の健全性・効率性について
施設は、下対馬の西海岸の北部の阿連地区にあり市内では比較的若い世代が多く半農半漁の地区である。人口減少や高齢化のため経済的に負担をすることが困難なことから加入者は減少している状況である。単年度収支については、料金収入と一般会計からの繰入で賄われている。大きな施設改修もなく企業債も発行していないものの収益が少ないため、債務残高は高くなっている。汚水処理費が低く抑えられているため、料金収入の減少のため経費回収率は全国平均より少し高めで料金水準は適切な状況である。有収水量は増えたものの施設管理費も増加したため汚水処理費用原価は低くならず費用の効率性は全国平均である。有収水量が増えた分施設利用率も高くなっているものの施設の効率性は全国平均より低くなっている。平成27年度において水洗化率が低くなったのは、転出等による使用停止中の件数も接続件数に含んでいたため、停止中の件数を除いたことによるものである。水洗化率は、加入が増えていないため約60%である。
老朽化の状況について
漁業集落排水施設は、平成15年4月に供用を開始している。老朽化の状況については、現状では大きな問題はない。今後も長期的な財政計画のもと経費の節減に努めながら適切に施設管理をしていく必要がある。今後は、加入者の増加を推進をすることが重要になってきている。事業目的である公共用水域の水質や快適で文化的な生活環境を確保し、漁業者の所得向上や定住人口の増加を図る。
全体総括
高齢化や人口減少のため使用料収入も少なくなってきているため、加入を推進することが重要である。維持管理による施設の長寿命化に努め、公共用水域の水質保全や快適で文化的な生活環境を確保し、漁民の所得向上に繋がるように努めている。